退職代行ローキ(労働基準調査組合)

働くためを考える「労働基準調査組合」

職場トラブル解決ガイド

4. 変形労働時間制

Q 会社から「うちの会社は変形労働時間制だから」と言われ、仕事量に応じて勤務時間をその都度指示されます。
A 変形労働時間制を導入・実施する際には、法律で定められた要件があります。

法律上の重要なポイント

会社が業務の都合によって勝手に勤務時間を変更することはできません。

詳しい解説

変形労働時間制の種類と特徴

変形労働時間制には、1ヶ月変形制、1年変形制、1週間変形制の3種類があり、それぞれ対象となる事業所、対象となる従業員、労働時間の上限、手続き(就業規則への記載、会社と従業員の間の合意の締結など)が定められています。1週間変形制の対象事業は、30人未満の小売業、旅館、飲食店業に限られています。

なお、週法定44時間の特例の下で1ヶ月変形制を採用することはできますが、1年変形制および1週間変形制を採用する場合にはこの特例の適用はないので注意が必要です。

残業となる時間について

変形労働時間制の下で残業となる時間は、それぞれの変形制における総所定労働時間を超えて働いた時間です。法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えて働いた場合でも、必ずしも残業にはなりません。

特別な配慮が必要な従業員

変形労働時間制を採用する場合、以下の人については、それらの人が必要とする時間を確保できるような配慮が求められています。

  • 育児を行う人
  • 高齢者等の介護を行う人
  • 職業訓練または教育を受ける人
  • その他特別な配慮を要する人
フレックスタイム制の集計期間について

2019年4月より、集計期間の上限が延長されました(1ヶ月→3ヶ月)(労働基準法第32条の3)。集計期間が1ヶ月を超え3ヶ月以内の場合は、フレックスタイム制に関する会社と従業員の間の合意を労働基準監督署に届け出る必要があります(届出がない場合は30万円以下の罰金)。

割増賃金の支払いについて
  • 週平均50時間を超えた場合は、その月ごとに超えた時間に対する割増賃金の支払い
  • 集計期間の途中での退職など、集計期間より働いた期間が短い場合は、労働時間の週平均40時間を超えた時間に対して割増賃金の支払い
従業員の過重労働防止について

対象となる従業員の過重労働防止などの観点から、以下のことが通達で明記されています。

労働時間の管理
  • 労働時間が各月で週平均50時間を超えないようにする
  • 週平均50時間を超える労働時間について、月60時間を超えた残業に対しては5割以上の割増賃金の支払いが必要
  • 働く人に対して医師による面接指導の実施が必要
情報提供の義務
  • 会社は、週40時間の労働に加え残業が月80時間を超えた従業員に対して、超えた時間に関する情報を通知しなければならない
  • 会社は、従業員が各月の残業時間を把握しにくくなることが懸念されるため、従業員に対して各月の労働時間数の実績を通知することが望ましい
関連する法律条文

労働基準法第32条、第37条。労働基準法施行規則第12条。働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律による改正後の労働基準法の施行について(平成30年9月7日基発第1号)

詳細について

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudouzikan/henkei.html

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