退職代行ローキ(労働基準調査組合)

働くためを考える「労働基準調査組合」

職場トラブル解決ガイド

37. 労働者代表選出と労使協定

Q 社長の指示で親睦会の代表者が労働者代表に選出されています。
A 過半数を代表する人は民主的手続きで選出されることが必要となります。

法律上の重要なポイント

労使協定の働く人側当事者は、過半数労働組合がある場合はその組合、ない場合は過半数を代表する人となります。
過半数を代表する人は、管理監督者であってはならず、その適格性と選出方法に注意が必要です(労働基準法施行規則第6条の2)。

詳しい解説

過半数を代表する人の適格性について

過半数を代表する人は従業員全員にかかわる重要な労使協定を締結するか、しないかについての判断をすることになります。総務部の課長、係長といった職務と代表の立場が両立できない人には代表者として選出すべきではありません(労働基準法施行規則第6条の2)。

過半数を代表する人選出の手続きについて

どのような労使協定(36協定・チェックオフ協定等)を結ぶために代表を選出するのかを明確にした上で、民主的な手続きで選出しなければなりません。

なお、36協定届には過半数を代表する人の選出方法を記載することとなっています。

代表選出の違反の場合

36協定の働く人代表選出違反で実施した場合、協定自体が無効とされ、第32条違反により、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金(労働基準法第119号)。

選出方法について
適切な選出方法
  • 投票(無記名、秘密投票)が原則
  • 挙手、起立、回覧などによる信任
  • 各職場代表者による互選
違法な選出方法
  • 会社からの指名
  • 親睦会の代表者や一定の役職者が自動的になる場合
  • 一定の役職者の互選
不利益取扱いの禁止

代表者であることや、なろうとしたこと、代表者として正当な行為をしたことを理由とした不利益な取り扱いは禁止されています。

労働基準法が求める労使協定

労働時間関係(裁量労働制における労使委員会決議によることも可)

  • 1ヶ月単位の変形労働時間制(第32条の2)
  • フレックスタイム制(第32条の3)
  • 1年単位の変形労働時間制(第32条の4)
  • 1週間単位の非定型変形労働時間制(第32条の5)
  • 一斉休憩の適用除外(第34条)
  • 残業・休日労働(第36条)
  • 代替休暇(第37条第3項)
  • 事業場外労働制(第38条の2)
  • 専門業務型裁量労働制(第38条の3)
  • 時間単位の有給休暇の付与制度(第39条第4項)
  • 有給休暇の計画的付与(第39条第6項)
  • 有給休暇中の賃金(第39条第9項)

その他の協定

  • 貯蓄金の委託管理(第18条)
  • 賃金の一部控除(第24条)
  • 賃金の口座振り込み(第24条)
就業規則の意見聴取

なお、過半数を代表する人は就業規則の意見聴取(第90条第1項)の当事者でもあります。

労働基準法以外の協定

労働基準法以外にも、育児・介護休業法、雇用保険法など労使協定が必要となる場合があり、これらの場合も同様です。

労使協定の終了について
有効期間の定め

労使協定には有効期間の定めを置くことが義務づけられているものが多く(36協定、1年変形制、みなし時間など)、有効期間の定めがあれば、期間の末日をもって終了・失効します。

自動更新について

自動更新条項を置くことは避けるべきです。

解約について

解約に関する法令上の規定はありませんが、協定中に解約条項があれば、この規定に基づいて解約できます。

関連する法律条文

労働基準法119条、労働基準法施行規則第6条の2

詳細について

以下のURLを参照してください
https://www.mhlw.go.jp/content/000685451.pdf

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