退職代行ローキ(労働基準調査組合)

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職場トラブル解決ガイド

19. 育児休業・介護休業

Q 5年以上同じ会社で働いています。
妊娠したので「産休後に育児休業を取得したい」と上司に話したところ、「うちの会社には育児休業制度はない」と言われました。
A 育児休業は、原則として、1歳未満の子を養育する男女の働く人が取得できる制度であり、会社は申し出を拒むことはできません。

法律上の重要なポイント

満1歳未満の子を養育する男女の働く人は、申し出により育児休業を取得できます。
ただし、日々雇用される人などは除かれます。一定の要件を満たしていれば有期雇用の場合も取得できます(育児・介護休業法第5条、第6条)。
また、産後パパ育休制度の創設や雇用環境整備、個別周知・意向確認の措置の義務化など、男女とも仕事と育児を両立できるようにするための法改正も行われました(2022年4月より3段階で施行)。

詳しい解説

両立支援制度について

男女の働く人の職業生活と家庭生活との両立支援を目的とする育児・介護休業法で、育児・介護休業制度のほか、以下の両立支援制度が定められています。

  • 短時間勤務制度
  • 決められた時間外労働の免除
  • 子の看護休暇
  • 介護休暇制度
育児休業をすることができる有期契約で働く人の範囲

以下の要件を満たす必要があります。

  • 申し出の時点において、子が1歳6ヶ月に達する日までに、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと
  • 労使協定を締結した場合には、勤続1年未満の働く人を休業対象から除外することが可能
申し出のタイミング

希望どおりの日から休業するためには、原則として、育児休業の申し出は休業開始の1ヶ月前までにすることとされています。

介護休業をすることができる有期契約で働く人の範囲

以下の要件を満たす必要があります。

  • 申し出の時点において、介護休業開始予定日から93日経過する日から6ヶ月を経過する日までに労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと
  • 労使協定を締結した場合には、勤続1年未満の働く人を休業対象から除外することが可能
申し出のタイミング

希望どおりの日から休業するためには、原則として、介護休業の申し出は休業開始の2週間前までにすることとされています。

産後パパ育休制度について

産後休業していない働く人が出生直後の子を養育するために、原則としてこの出生後8週間以内の期間内で通算4週間(28日)まで、2回に分割して休業をすることができます。

  • 育児休業とは別に取得可能
  • 希望どおりの日から休業するためには、原則として、産後パパ育休の申し出は休業開始の2週間前までにすることとされています
会社の義務について

会社は、要件を満たした働く人からの申し出があった場合には、それを拒むことはできません(育児・介護休業法第5条)。

また、2022年4月より、本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出た働く人に対して、会社は、育児休業制度等に関する以下の事項の周知と休業取得の意向確認の措置を、個別に行う義務が加わりました。

なお、2023年4月からは、常時雇用する働く人が1000人を超える会社は、育児休業の取得状況を年1回公表することが義務づけられます。

育児休業中の賃金について

育児・介護休業法では、特段の規定はないため、休業期間中の賃金の取り扱いは労使の取り決めによります。

育児休業給付金について

満1歳(両親ともに育児休業を取得し、育児休業期間を1歳2ヶ月まで延長する場合は1歳2ヶ月、保育所が見つからない等の理由で延長する場合は1歳6ヶ月または2歳)未満の子を養育するために育児休業をする雇用保険の被保険者に対する給付金です。

受給要件の変更

2021年9月の法改正により、従前の要件に加え、被保険者期間が12ヶ月に満たない場合でも、産前休業開始日等を起算点とし、前2年間に賃金支払い基礎日数が11日以上ある完全月が12ヶ月以上あれば受給可能となりました。

給付金額
  • 180日目まで:休業開始前賃金日額の67%
  • 181日目以降:50%が支給

※会社が給付期間中に賃金を支払う場合、賃金と給付金の合計が80%を超えると減額または不支給(雇用保険法第61条の4)されます。

介護休業給付金について

育児・介護休業法で定められた介護休業をする雇用保険の被保険者に対する給付金です(受給要件:過去2年間に賃金支払基礎日数11日以上の月が通算12ヶ月以上)。

同一対象家族について93日を限度に3回まで、休業開始時賃金の67%が支給されます。

※賃金と給付金が80%を超えると減額または不支給(雇用保険法第61条の6)。

社会保険料の免除について

子が3歳になるまでの育児休業中(産前産後休暇は除く)は、働く人・会社負担分の社会保険料が免除されます。免除期間も将来の年金額に反映されます。

介護休業にはこの免除制度はありません。

関連する法律条文

育児・介護休業法第5条、第6条、育児・介護休業法施行規則第7条、雇用保険法第61条の4、第61条の6

詳細について

以下のURLを参照してください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html

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