働くためを考える労働基準調査組合

労働者の声を元に労働基準法が守られた職場か調査。

社宅住みですが退去・退職の交渉は行ってもらえますか?

  • 2023.05.05
  • 2023.05.02
社宅住みですが退去・退職の交渉は行ってもらえますか?

退職豆知識

退職代行を使って退職することと社宅・寮に住んでいることは別問題のため退職は可能

会社規定にもよるが、退職日の即日退去ではなく猶予期間が与えられることがほとんどである

退職代行業者が代理人となるため、会社の方と会うことなく退職することが可能

まずは無料相談
  • まずは無料相談
  • 詳細はこちらから

退職を考えられている方のなかで、社宅や寮に住まれている方も数多くいらっしゃると思われます。

社宅や寮に住んでいる方が退職をする際にまず頭をよぎることは退職することによって、社宅や寮をすぐに退去しなければならないのではないか、追い出されるのではないかという不安ではないでしょうか。

退職を考えるほどまでの精神状態になっている原因である仕事や会社で働き続けることに対してのストレスにより、退職はしたいとは思っているけれども住む場所が無くなってしまうのではないかという不安もあり、退職に向けての一歩を踏み出せずにいるという方も多いのではないでしょうか。

そういった方にこそ、退職代行を使って退職することをおすすめさせていただきます。

この記事では、社宅や寮にお住まいの方が退職代行を利用して退職する方法、退職から社宅や寮の退去までの一連の流れやその際の注意点について詳しく解説させていただきます。

現在社宅や寮に住まれていて退職を検討されている方は是非ご参考にしていただければと思います。


それでは社宅や寮に住んでいても退職代行代行を使って退職が出来るかどうかについて以下で説明させていただきたいと思います。
 

社宅や寮に住んでいても退職代行を利用して退職可能


結論から申し上げさせていただきますと、社宅や寮に住んでいても退職代行を利用して退職することは可能です。

何の問題も全くございません。そもそも社宅や寮に住んでいることと退職とでは全くの別問題だからです。住んでいる場所と退職することには何の関係性もないため、退職は可能です。

民法第627条により無期雇用労働(正社員)は退職の意思を2週間前に伝えれば退職出来ると定められております。

また契約社員や一部の派遣社員の方などの有期雇用契約労働者も病気やケガ、親の介護などの「やむを得ない事由」があれば退職は可能です(民法第628条)。

したがって有期雇用契約で期間の定めがある場合を除き、ほとんどの方は退職をいつでも申し出ることが可能で、2週間経つと退職が完了します。


(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

引用元:民法第627条(e-GOV 法令検索)


(やむを得ない事由による雇用の解除)
第六百二十八条 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。

引用元:民法第628条(e-GOV 法令検索)


以上のことから、社宅や寮に住んでいても退職代行を使って退職することが出来るということが分かりました。

しかし、退職は出来たものの退職代行を使って退職したことにより社宅や寮をすぐに追い出されてしまうのではないかと不安に感じられている方もいらっしゃるかと思います。

先に結論から申し上げますと社宅や寮に住んでいる方が退職代行を利用したとしてもすぐに追い出されるということはございません。

では、退職した後に社宅や寮に住み続けることは出来るのでしょうか。ここからは、退職後にどのような流れになるのか詳しく説明させていただきたいと思います。


それでは、みていきましょう。
 

社宅や寮に住んでいて退職代行を利用してもすぐには追い出されない


基本的には退去するまでの猶予期間が設けられ、その期間中に新居の契約や引っ越しの準備をすることが可能となります。
しかし社宅や寮の退去までに猶予期間が与えられるということを知っているという方はあまり多くはいらっしゃらないようです。
社宅や寮に住んでいるということで、仮に退職が出来たとしてもそのあとの住む場所に対しての不安から退職代行の利用に踏み出せない方もいらっしゃるようです。

退職を決意しているが社宅住みであることが理由で悩まれている方は一度当組合の無料相談を受けられてみてはいかがでしょうか。

では次に、退職してからも社宅や寮に住むことは可能なのでしょうか。

そのことについて説明させていただくにはまず、社宅や寮には2種類あることを理解し、退去までの期間と日程については有給が残っている場合と残っていない場合や賃貸の契約状況によっても異なるため、それぞれのケースについて理解しておく必要があります。


ではまず、社宅と寮の種類について理解していきましょう。
 

社宅、寮の種類について


社宅と寮の種類には2種類あります。

これは、「借り上げ」かそうでないかによって分けられており、どこの会社でもどちらの物件かは決められています。では、この2種類の違いについて説明させていただきます。
 

所有社宅、所有社員寮

所有社宅と所有社員寮とは、会社が所有している建物や土地を社員に貸しているものです。会社が所有している物件になるため、退職すれば出ていかなければなりません。
 

借り上げ社宅、寮

借り上げ社宅と寮とは、会社ではない別の方(不動産会社など)が所有している物件を会社が会社名義で賃貸借契約を結んで、その物件を従業員に貸しているものとなります。
こちらは、貸しているのが会社ではないため退職しても退去することなくそのまま継続して住める可能性はございます。ただしこちらは会社側の承諾が必要となります。


ちなみにですが、社宅と寮についての選別ははっきりとされているわけではないようです。一般的な呼び方として、家族世帯が住むのが社宅で一人世帯が住むのが寮というイメージです。


上記によると、借り上げ社宅、寮の場合は退職後も住み続けることが出来る可能性があるということが分かりました。

では、どのような場合に住み続けられる可能性があり、どのような場合には退去しなければならないのでしょうか。また、退去しなければならない場合はいつまでに退去すればよいのでしょうか。

基本的には退職日までには退去する必要があるのですが、一般的にはほとんどの場合、立ち退きまでの猶予期間を2週間で設けていることが多いようです。

ただし会社によって異なる可能性もあり、社内規定や社宅に関する規定を確認しておくほうが確実です。猶予期間はどのくらい与えられるか、その他の記載要項などについても確認しておいたほうが安心でしょう。

では続いて退去までの日程についてですが、有給休暇がある場合と無い場合、自分で家賃支払いを行っているかどうか、借り上げ社宅・寮かどうかの4つのパターンによって変わってきます。

以下ではその4つのパターンについてそれぞれ詳しく説明させていただきます。それではみていきましょう。
 

退職後の社宅、寮の退去日の日程について


会社を退職後、基本的には退職日までには社宅や寮を退去する必要がありますが、一般的には2週間程度の猶予期間が設けられることが多いです。

退去する日程は下記のように状況によって変わってきます。それではその状況ごとに確認していきましょう。
 

有給休暇有り

退職を考えている方にとって、有給休暇の消化は重要な要素です。
退職前に残っている有給休暇を利用することで、引越しや荷物の整理に充てる時間が確保できます。有給休暇は労働者の権利であり、退職代行サービスを利用してもその権利は失われません。

実際、労働基準法第39条により、雇用開始から6か月間継続勤務し全労働日の80%以上出勤した労働者には10日間の有給休暇が与えられることが定められています。


(年次有給休暇)
使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

引用:労働基準法第39条(e-GOV 法令検索)


つまり、あなたが持っている有給休暇の日数が猶予期間として利用できます。

例えば、10日間の有給休暇があれば10日間の準備期間が与えられます。ただし、会社の社内規定によっては異なる場合があるため事前に確認しておくことが望ましいです。
退職日が決まったら、その日までに寮や社宅からの引越し準備を整えましょう。また、会社に残している荷物も最終出勤日までに出来る限り持ち帰ることがおすすめです。

これらの手続きをスムーズに進めるために、有給休暇を上手く活用しましょう。
 

有給休暇無し

有給休暇が残っていない場合でも、退職日当日に寮や社宅を退去するのは非常に困難な状況が想定されます。
通常、寮や社宅の退去に関するルールは社内規定で決められており、退職日当日に退去を求めるような条項が設けられていることは稀です。

そのため、円満に退職を迎えた人であっても当日の退去は難しいでしょう。

退職日が確定したら、できるだけ早めに寮や社宅を退去しましょう。理想的には、退職後2週間以内に退去が完了することが望ましいとされます。
もし会社から「即日退去」を求められた場合でも、退職代行業者を利用して猶予期間を交渉することが可能です。

専門家の支援を得て、スムーズな退職生活に向けて適切な手続きを進めましょう。

ただし、上記のような社宅、寮の退去日についての会社との交渉に関しましては弁護士や労働組合による退職代行業者でしか対応は出来ません。

民間企業(弁護士監修と記載)の退職代行業者では会社との交渉は不可能となりますので注意が必要です。
 

家賃支払い有り

社宅や寮の家賃は全額、もしくはその一部を会社が支払っている場合が多いかと思われます。

しかし社宅や寮に住んでいる従業員の方のなかにはご自身で家賃を支払われているというケースが存在します。

もし、その社宅や寮の家賃がそのエリアの相場に相当する金額であれば、「借地借家法」が適用されることになります。「借地借家法」により、入居者の権利が強く保護されています。
そのため、正当な理由がない限り立ち退きを強制されることはありません。また、立ち退きが必要な場合でも半年前の事前通知が法律で求められています。

これにより、最低でも半年間は寮や社宅に住み続けることができるのです。


(解約による建物賃貸借の終了)
建物の賃貸人が賃貸借の解約の申入れをした場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から六月を経過することによって終了する。

引用: 借地借家法第27条(e-GOV 法令検索)


結論として、自分で相場に見合った家賃を支払っている場合、有休の有無にかかわらず、最低半年間は寮や社宅に住み続ける権利が保証されていると言えます。

ただし、使用料を支払っている契約の場合は「賃貸借」とみなされるため会社からの解約申し入れは6ヶ月前の事前告知が必要になりますが、家賃補助がある場合は「使用賃借」(他人の物件を無償で利用する契約)とみなされるため、会社からの退去命令に応じる必要がございます。
 

借り上げ社宅・寮

前述でも述べましたが、会社が提供する社宅や寮には2種類の形態があります。
一つは会社が賃貸契約を結んで社員に提供する借り上げ物件、もう一つは会社が直接所有し社員に貸す所有社宅や寮です。

退職後も現在の社宅や寮での生活を続けたい場合、借り上げ物件のケースでは交渉次第で継続して住み続けられる可能性があります。

その場合、会社から個人に賃貸契約が切り替わり家賃の負担が個人になります。また、新しい契約に伴って敷金や礼金が発生することになりますが、引っ越しの手間はかからないでしょう。

一方、所有社宅や寮においては、会社が物件のオーナーであるため退去命令が出された場合は猶予期間の後に退去しなければなりません。
現在の社宅や寮の部屋が気に入っていて退職後も社宅の契約をされたい場合は、住み続けられる可能性もありますので、退職代行業者を通じて会社と交渉してみてはいかがでしょうか。

この場合は会社側の承諾が必要となります。本来社宅は会社の利益を上げるため、社員の確保のために会社が身銭を切って契約しているため、その承諾を得られる可能性がほとんどありません。

また、借り上げ社宅に継続して住み続ける場合は会社に住所を知られており、社員と顔を合わせる可能性が高いということには注意が必要です。
今後、会社の方との関わりを断たれたいのであれば、現在お住まいの住居から引越しされることをお勧めさせていただきます。


上記では退職後の社宅、寮の退去日の日程について説明させていただきました。

それでは、退職代行を利用して退職することを決められて実際に動いていく際にまず費用面が気になるという方も多いのではないでしょうか。


下記でどのくらいの費用を準備しておけばよいのかという目安について説明いたしますので、ぜひ参考にしてみてください。
 

社宅、寮に住んでいて退職代行を利用して退職する際の費用


退職代行を利用して社宅や寮を退去する際にどのくらいの費用を準備しておけばよいのか気にされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

事前に必要な費用を把握しておくことで計画的に退職と退去を進めていくことが可能です。それではみていきましょう。
 

社宅・寮の修繕費

社宅や寮に入居する際の敷金礼金は会社の福利厚生の一環として会社が負担してくれることがほとんどですが、退去する際には一部の修繕費を自己負担しなければならない場合があります。
これらの費用は通常、会社の福利厚生の一環として支払われることが多いですが会社規定によっては入居者が負担する場合があるため注意が必要です。

退去時にかかる修繕費は、「原状回復費」と呼ばれ、大体20,000円~80,000円程度で、部屋の広さなどによって変動します。
原状回復費は、通常の経年劣化を考慮した範囲内であれば、賃料に含まれているため心配する必要はありません。
ただし、家具や備品、床などに破損があったり、例えば煙草の煙によって壁紙が変色しているような場合は、原状回復費が請求されることがあります。

会社によっては、原状回復費の負担に関する規定が異なるため、契約書や社内規定を確認することが重要です。

しかし、一般的には、普通の生活範囲内での損耗については気にする必要はないでしょう。
部屋の状態によって負担額は異なりますので、自分で清掃できる部分は掃除しておくのがおすすめです。
 

引っ越し費用

引っ越しの際には、社宅や寮にある荷物の量や移動距離によって費用が異なります。
家具や家電を運び出す際、一人では難しい場合があるため、引っ越し業者に依頼することも検討してください。その場合、最低でも1万円程度の費用がかかることが予想されますが、距離によってはさらに高額になることもあります。

また、家具や家電の処分が必要な場合、別途で3〜5万円程度の費用がかかることが想定されます。いくつかの業者から無料見積もりを取得し、選ぶことがお勧めです。

費用を抑える方法としては、引っ越しを友人や家族に手伝ってもらうことなどが考えられます。

また、家具や家電の処分についてはジモティーなどの売買・譲渡が可能なSNSサービスを利用することがおすすめです。早めに出品することがコツで、売れる可能性もあります。
冷蔵庫などのリサイクル家電は廃棄に費用がかかるため、無料で譲渡できると出費を抑えることが出来ます。

新しい住居への引っ越し費用については、荷物の量や距離によって変わりますが、一人暮らしの場合は約40,000〜50,000円が相場とされています。

引っ越し業者を利用するか、自分で作業を行うかによって費用が変わるため、前もってシミュレーションを行っておくことが望ましいです。
 

新居契約費用

新居への引越しを検討している方は、賃貸契約に関する費用を理解しておくことが重要です。
敷金や礼金、仲介手数料などがかかることが一般的で、これらの費用は2〜3ヶ月分の家賃相当額になることが多いです。

ただし、地域によっては敷金や礼金が無料の場合もあります。不動産業者や物件の条件によって費用が変わるため、事前に調査しておくことがおすすめです。

例として、月5万円の家を借りる場合、敷金が家賃1カ月分で礼金が無料、仲介費が安い不動産屋を利用しても、契約費用として約15万円前後が必要になることを念頭に置いておきましょう。

貯金がなければ厳しい状況となります。
 

その他

その他の費用としましては退職代行費用や退職届・貸与品返却の郵送費用、私物を着払いで郵送してもらう際の費用などが考えられます。
退職代行の費用の相場としましては運営元によって異なりますが、弁護士の費用で5万円~10万円程度、労働組合運営の費用は3万円以下、民間企業運営の代行会社は1万円~2万円台で存在しています。

ただし、民間企業運営の代行会社は注意が必要です。

安くても、会社との交渉権がないので退職の連絡を仲介するといった位置づけです。社宅や寮に関する会社との交渉は出来ません。

費用をとにかく安く抑えたい方以外はなるべく利用を避けたほうが安心かもしれません。

郵送費用は距離や量によっても異なるため、できるだけ退職代行利用前に整理して少しずつでも持ち帰っておくとよいでしょう。


上記では退職代行を利用して社宅や寮を退去する際にかかるであろう費用の目安について説明させていただきました。


それでは、実際に退職代行を利用するところから、社宅や寮を退去するまでの流れを把握しておきましょう。
 

社宅、寮に住んでいて退職代行を利用して退職する流れ


実際の流れとしましては下記のようになります。
 

①退職代行業者の選定・依頼・契約

まずは、退職代行サービスの選び方です。
退職代行は弁護士、労働組合、民間企業の3つのタイプに分類され費用の価格帯については前述でも述べた通りとなります。

民間企業が運営している退職代行業者は、社宅や寮の退去についての会社との交渉は行うことができませんので注意が必要です。

退職代行業者とのLINE、メールでの無料相談の段階で社宅や寮についても対応可能か確認をし、実績や知識が豊富な業者を選ぶとよいでしょう。
退職代行業者が決まれば正式に依頼をし、その際に社宅や寮に住んでいる旨を伝えておきましょう。内容に十分に納得できれば入金、契約を行います。

会社に退職の意思を伝える退職代行の実行日を決めれば、その日までに荷物の整理や引っ越し準備などを進めておくのがよいでしょう。
 

②退職代行の実施・会社との交渉

退職代行業者によって会社への退職の連絡は行われますので、ご自身でやることといえば退職代行の実行日時の選択や会社へ伝えてほしいことを退職代行業者に対してに伝えておくことくらいです。
その後、退職代行業者との間で調整した日時に退職代行が実行されます。実行日時以降は退職代行サービスと会社との間で、退職日や有休休暇の消化、社宅や寮の退去日などの交渉が行われます。

会社へ退職の意思を通知したり、会社からの返答があった場合には退職代行業者から報告の連絡がきますので、退職代行業者からの報告を待ちましょう。
 

③退職届・貸与品の郵送返却

会社との交渉や退職手続きがスムーズに進んだ後は、適切な方法で退職届と貸与品の返却を行いましょう。
退職届は、会社が求めてくれば書いて郵送したほうがスムーズに退職手続きが進むことが多いです。会社が指定する書式があればそちらに従い、特に指定が無ければ退職代行業者から提供されるテンプレートを使用しても問題ありません。

確実に会社に届いたということを確認するために、発送状況を追跡できる郵送方法を利用して退職届を送付することが望ましいです。

さらに、社員証、制服などの貸与品の返却も郵送で行って同時に進めましょう。

保険証は退職日までは使えます。医療機関にかかる際には必要になるため、退職日以降に郵送で返却するとよいでしょう。

このように、適切な手続きを行うことで円満な退職が実現できます。
 

④社宅・寮の退去

退職に伴い、会社との交渉で決まった期日までに退去します。
引越し業者に依頼した引越しの日程と新居への入居日との調整を計画的に行いましょう。また、退去前の清掃も重要です。
会社が用意する清掃業者がいない場合や、自分で対応が難しいと感じる場合は、自分で清掃業者を手配することも考慮しましょう。

特に、忘れ物がないかのチェックが大切です。私物の忘れ物があれば、会社から着払いで送ってもらうことになります。

適切な手続きと清掃を行うことで、円滑な退職が可能になります。
 

⑤退職書類・私物の受け取り

退職書類として、離職票や社会保険資格喪失証明書などが会社から郵送で届きます。
退去日まで時間がある場合は社宅や寮に届くため問題ないのですが、退去をした後に郵送してもらう場合は新居の住所を会社に知らせることになるため注意が必要です。

会社に置き忘れた私物については、退職代行業者を利用して郵送をお願いすることが可能です。

着払いで会社に郵送してもらうことにより、会社へ取りに行くことで会社の方と会うことを避けることが可能です。

ただし、会社が嫌がらせで郵送を拒む可能性もあるため、重要な私物は退職前に持ち帰ることが望ましいです。また、返却が不要な私物については、処分をお願いすることも考慮すると良いでしょう。


上記のように社宅、寮に住んでいて退職代行を利用して退職する実際の流れを理解することにより、スムーズな退職と退去を目指しましょう。


それでは下記では、社宅や寮住みで退職代行を利用して退職する際の注意点について詳しく説明させていただきます。
 

社宅、寮に住んでいて退職代行を利用して退職する際の注意点


注意点としては、以下のようなことが考えられます。それでは見ていきましょう。
 

適切な退職代行業者選び

前述でも述べましたが、会社との社宅や寮の退去について交渉を行う場合は交渉が可能な退職代行サービスを選ばなければなりません。

会社との交渉ができるのは弁護士か労働組合が運営する退職代行サービスのみになります。

弁護士の退職代行は費用が高くなってしまうことが多く、費用面とサービス面のバランスを考慮すると労働組合の退職代行サービスが良いかもしれません。
 

社宅や寮に関する会社規定

退職に伴い、社宅や寮を退去する際には、各会社がそれぞれで個別に定める社内規定や社宅規定を把握しておくことが重要です。
これにより、退去時の手続きや費用に関するトラブルを未然に防ぐことができます。具体的には、退去のタイミングや費用の負担などが会社ごとに異なる場合がありますので注意が必要です。

例えば、退去時の部屋の清掃を外部業者に依頼する必要があるか、またその費用負担がどのようになるかなど、事前に把握しておくことでスムーズな退去が可能となります。
 

私物や会社からの貸与品などの荷物について

退職代行サービスを利用する予定であれば、事前に会社に残している私物を持ち帰ることをお勧めします。
一度にすべて持ち帰ると不審に思われるかもしれませんので、少しずつ何度かに分けて気づかれないように整理しましょう。
社宅や寮を出る際には、荷物や会社に置いた私物を着払いで会社に郵送してもらい受け取る必要があります。もし新居が決まっている場合、荷物はそこに郵送されることになります。

ただし、退職代行業者が荷物を受け取ることは基本的にできません。

このため、新居の住所が会社に知られてしまうことに注意が必要です。もし住所を知られたくない場合は、事前に全ての私物を持ち帰り、会社に残さないようにしておくことが望ましいでしょう。

また、会社の所有物は適切に返却しましょう。
会社の方と会うことを避けたい場合は、郵便で会社に送付する方法があります。ただし、返却方法に関して規定がある場合は、それに従う必要があります。
例えば、会社の制服がある場合、クリーニングしてから返すことが礼儀とされています。また、パソコンや携帯電話のデータの取り扱いについても、勝手に処理しないよう注意が必要です。

これらの手続きを適切に行うことで、後に問題が起きるリスクを回避できます。

会社の社宅や寮で保管されている物品についても、丁寧に整理し、郵送によって返却することが望ましいです。

社員証や貸与された備品はもちろん、将来的なトラブルを避けるために、きちんとした手続きを踏むことが大切です。
 

社宅や寮の退去立会いについて

立ち合いは必ずしも義務ではなく、代替手段が用意できれば問題ありません。
立ち合いは、賃貸人が事後に破損を主張しないよう、両者で損害の有無を確認する目的で行われますが、リスクを理解していれば拒否することもできます。

そのため、リスクを最小限に抑える方法として、荷物をすべて運び出した後に、部屋の各部分の写真や動画を撮影しておくことをお勧めします。

これにより、賃貸人が後から破損を主張しても、事前に撮影した証拠で対処することができます。


ここでは、社宅、寮に住んでいて退職代行を利用して退職する際の注意点について説明いたしました。上記のポイントを注意してトラブルを避け、スムーズに退去しましょう。


では最後に、当組合に数多くご相談いただく内容を紹介させていただき、それについて説明いたします。
 

社宅、寮に住んでいて退職代行を利用して退職する場合のよくあるご相談


社宅や寮に住んでいて退職代行を利用して退職される方で、下記のようなことを不安に思われている方も多いのではないでしょうか。それでは説明させていただきます。
 

会社の方が突然家に来るのではないか

退職代行サービスを利用する際、特に寮や社宅に住んでいる場合、会社の人が引き留めのために自宅まで来る可能性があります。
そのような状況に直面した場合、まずは直接対応せずに退職代行業者に連絡して、家に来ないように伝えてもらいましょう。

これにより、自宅への訪問を回避できるでしょう。
 

会社の人と誰とも会わずに退職できるか

当組合が代理人となりますので、会社の方と会う事なく退職することは可能です。

貸与物の返却や会社に残っている私物の受け取りも全て郵送で行いますので、会社に行くことも会社の方と会うこともございません。ご安心ください。
 

社宅や寮を借りてもらったばかりで退職することにより、違約金や保証金の賠償が発生しないか

社宅や寮を借りてもらったばかりで退職する場合、会社によっては違約金や保証金の賠償を契約書に記載している可能性があるため、それに関する契約内容をよく確認しましょう。

違約金や保証金の賠償が発生する場合、通常は「一定期間以内の退職」または「自己都合による退職」に該当する際に、賃料の数か月分が請求されるなどと定めている会社もあります。

ただし、社宅に関してのあなたと会社間での契約書など存在しなければ、賠償金などは発生しません。
仮に契約書などが存在するのであれば、代行業者に契約書を確認してもらう方が安全です。

その場合の確認は弁護士や弁護士対応の労働組合による退職代行サービスにしてもらいましょう。
 

まとめ


社宅や寮に住んでいる状況で退職代行業者を利用して退職する場合、退職後の社宅利用が可能かどうかや退去手続きなどを考慮する必要があります。
退職代行業者を選ぶ際には社宅問題に対応できる業者を選び、労働基準法や民法などの法律に従った適切な手続きを行うことが重要です。

本記事で紹介したポイントを理解しておくことで退職代行業者を上手に活用し、スムーズな退職と社宅問題の解決が期待できます。

社宅の取り扱いや手続きについては個別の状況や会社の規定によって異なるため、十分に確認し必要に応じて弁護士や弁護士対応の労働組合に相談することも検討してください。

退職代行業者を利用することで、退職と社宅に関する手続きや交渉が円滑に進み退職が可能となり、新たな生活に向けて安心して準備に専念できるでしょう。
退職代行はローキにお任せください
まずは無料相談
  • まずは無料相談
  • 詳細はこちらから

退職代行コラム編集者

コラム編集者

労働基準調査組合執行委員長
徳野 雄一

私自身、離職率が非常に高い同族経営の会社に11年勤務し役職者でした。
私の目の届かないところで普段から自身の部下に経営陣からハラスメントが横行しており、育ては部下が退職する繰り返しの会社でした。

入社して11年目に私宛の部下の辞表に経営陣からの酷いパワハラとも取れる内容が赤裸々に綴られており、今までその事に気づかなかった自分に腹が立ちそして、会社の将来を見据え、その事を経営陣に指摘した途端に私は懲戒解雇を言い渡されました。
その後、懲戒解雇の事を調べ上げ簡単には認められない事を知り、会社側に撤回させ自主退職し今に至ります。

全文を読む

Column List 労働コラム一覧

  • 退職豆知識
  • 労働基準法
  • ブラック企業
  • パワハラ
  • モラハラ
  • セクハラ