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労働法違反になる労働時間と残業時間の条件をわかりやすく解説

  • 2023.02.23
  • 2023.02.23
労働法違反になる労働時間と残業時間の条件をわかりやすく解説

労働基準法

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「毎日のように残業があり深夜に帰宅している」
「長時間労働で身も心も疲れ果てている」
「これって労働法に違反しているんじゃないの?」

会社が社員に労働させてよい時間は、労働法(労働基準法)で定められています。
ですので、労働基準法で定められた労働時間を超えて労働させた場合、会社は労働基準法違反となります。
労働基準法に違反すると、6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金が科される場合があります。

この記事では、労働基準法違反となる労働時間や残業時間の条件について、わかりやすく解説していきます。

労働時間とは?

労働時間とは、会社からの指示で行なっている作業時間のことをいいます。
会社で勤務している時間から休憩時間を引いた時間が労働時間と言うこともできます。 大事なのは、上司などの指示下で作業しているのが労働時間ということです。

通常の労働作業以外に、労働時間にあてはまる具体例として、
・会社での朝礼
・勤務開始前の着替えなどの準備
・会社が行う参加必須の研修
・自宅など会社の外での残業や作業
・電話やメールでの対応が必要な休憩
・急な対応が必要な時の待機や仮眠

なども含まれます。

1日8時間、週40時間が労働時間の上限

労働基準法では、労働時間の上限を1日8時間、週に40時間までと定めています。
ですので、会社は社員に1日8時間、週に40時間以上働かせることはできません。

この上限を超えて社員に時間外労働をしてもらう場合は、残業などに関する取り決めを定めた時間外労働協定(36協定)を結んでおく必要があります。

また、労働時間が6時間を越える場合には最低45分間、労働時間が8時間を越える場合には最低1時間の休憩を、会社が社員に与える義務があります。

この義務も、労働基準法に定められています。 労働基準法に定められた休憩を会社が社員に取らせなかった場合は、法律違反となります。

残業時間にも上限がある

残業とは、「決められた勤務時間を超えた労働時間(時間外労働)」のことです。
残業についての規定は、時間外労働協定(36協定)に記されています。
上述したように、会社が社員に残業をさせるためには、この時間外労働規定を結び届出を済ませなければなりません。
労働時間の上限である1日8時間、週に40時間を超えて残業させる場合、この残業について会社は割り増しの賃金を社員に支払わなくてはなりません。

残業時間にも上限が定められています。
その上限は、月に45時間、年間で360時間です。
ただし、月に45時間を超えて働かせて良いのは年間で6回までとなります。
残業時間が月に45時間を超えると、脳・心疾患の発症リスクが高まることが知られており、この規定は労災認定基準にもなります。

特別な事情でやむを得ない場合でも、会社は社員の残業時間と休日労働を月に100時間未満、年間で720時間以内に抑えなければなりません。

また、会社は社員の残業時間を、2ヶ月平均、3ヶ月平均、4ヶ月平均、5ヶ月平均、6ヶ月平均のすべてで80時間以内にする必要があります。
発症前1ヶ月間に100時間、または発症前2ヶ月間から6ヶ月間にわたって1ヶ月あたり80時間超の残業は、脳・心疾患の発症に強い因果関係を引き起こします。
このことから、月に100時間の残業、もしくは2ヶ月間から6ヶ月間にわたる1ヶ月平均80時間の残業時間は、過労死ラインとみなされています。

会社がこれらの上限を無視して社員に働かせた場合は、労働基準法違反となり罰則を受ける可能性があります。

残業代の計算方法

労働基準法で定められた法定労働時間内での残業と、法定労働時間外での残業によって、残業代の計算方法が異なります。

法定労働時間は1日8時間です。
所定の労働時間が1日8時間の場合、残業は8時間を超えて行われる労働となります。

例えば、1日の労働時間が10時間になった場合、10時間から8時間を引いた2時間が残業時間となります。
この2時間の残業時間は法定労働時間外となるため、基本給の時給に25%を上乗せした割増賃金を、会社が社員に支払わなければなりません。

所定の労働時間が1日7時間の会社で10時間労働した場合、残業時間は3時間となります。
ただし、1日の法定時間は8時間なので、残業時間3時間のうち1時間は法定時間内での残業となります。
この場合、残業時間のうち1時間分の残業には基本給と同じ時給の賃金となります。
残りの2時間は法定時間外での残業時間となり、基本給の時給に25%の割増賃金となります。
休日労働を行わせた場合は、基本給の時給に35%割増賃金を会社が社員に支払わなければなりません。

また、午後10時から午前5時の間に労働した場合は、深夜労働割増賃金として基本給の時給の25%割増賃金を支給する必要があります。
大企業では、1ヶ月に60時間を超える法定労働時間外の残業を行わせた場合、基本給の時給の50%増の賃金を支払う義務があります。
これらの計算方法で算出した残業代がきちんと支払われていない場合は、その会社が労働基準法に違反していることになります。
「時間外労働協定(36協定)を結んでいるから割増賃金は払えない」と会社側が主張することもありますが、これは完全な間違いです。
時間外労働協定(36協定)は会社が社員に時間外労働をしてもらうための協定であり、残業代や割増賃金の支払いを免除するための取り決めではありません。
繰り返しになりますが、残業代や割増賃金をきちんと支払わない会社は、労働基準法に違反することになります。

労働法違反についての通報先、相談先

自分の会社が労働基準法に違反していると感じたときに、通報または相談する先として、以下の窓口があります。
 

・労働基準監督署

労働基準監督署は、管轄署内の企業が労働関係の法律をきちんと遵守しているかを監督する機関です。
労働基準監督署一覧

自分の会社が労働基準法に違反しているかどうかを、労働基準監督署に相談することができます。
労働者からの相談や申告を受けた労働基準監督署は、労働者に事情を聞いたり、会社への立ち入り調査をする場合があります。
会社が労働基準法に違反している事実が確認された場合、労働基準監督署から会社に対して指導や改善命令が出されることがあります。
労働基準監督署に相談・申告をするときには、会社が労働基準法に違反していると思われる証拠となる資料を準備しておくとよいでしょう。
労働基準監督署に相談したとしても、必ずしも満足のいく対応が行われるとは限りませんが、会社に対するプレッシャーにはなるでしょう。
 

・総合労働相談コーナー

総合労働相談コーナーは、様々な労働問題についての相談に対しての助言を行っています。
総合労働相談コーナー

自分の会社が労働基準法に違反している可能性がある場合、労働基準監督署に取り次いでもらえる場合もあります。
総合労働相談コーナーでは、あっせんも行っており、一部の労働問題について紛争の当事者の間にあっせん委員が介入して問題解決をはかります。

ただし、このあっせんに関しては法的効力がないため、総合労働相談コーナーで問題が解決されない場合は、弁護士に相談し、裁判などをする必要があります。

まとめ

労働基準法に定められた規則を会社が守らず、社員に過度に働かせたり、適切に賃金を支払わなければ、法律違反となります。

自分の会社が労働基準法に違反している疑いがあれば、会社に直接意見を言うか、公的機関の窓口に相談するのが良いでしょう。
問題の解決が難しい場合は、弁護士に相談するのもおすすめです。

 

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退職代行コラム編集者

コラム編集者

労働基準調査組合執行委員長
徳野 雄一

私自身、離職率が非常に高い同族経営の会社に11年勤務し役職者でした。
私の目の届かないところで普段から自身の部下に経営陣からハラスメントが横行しており、育ては部下が退職する繰り返しの会社でした。

入社して11年目に私宛の部下の辞表に経営陣からの酷いパワハラとも取れる内容が赤裸々に綴られており、今までその事に気づかなかった自分に腹が立ちそして、会社の将来を見据え、その事を経営陣に指摘した途端に私は懲戒解雇を言い渡されました。
その後、懲戒解雇の事を調べ上げ簡単には認められない事を知り、会社側に撤回させ自主退職し今に至ります。

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