- 傷病手当金と失業手当の受給により、最大28ヶ月間の手当の受給が可能
- 健康保険1年以上と雇用保険12か月以上の加入期間が受給のカギ
- 傷病手当金と失業手当の同時受給は出来ないため、失業保険の受給期間の延長申請を行う

失業保険って、実際どのくらいの期間もらえるの…?



体調が戻るまで働けない間はどうすれば…
この記事では、突然会社を辞めざるを得なくなってしまった方々に向けて、失業保険を最大28ヶ月間もらう方法について詳しく解説しています。
退職時に次の就職先が決まっていることが理想ですが、様々な理由から決まっていない状況で急遽退職せざるを得ないこともございます。
このような状況下でお金を受け取ることが出来る可能性がある制度が失業保険です。
今回は、会社を退職した後に受給できる「失業手当」だけでなく、失業保険の手当てを最大で28ヶ月間(45歳以上は最大30ヶ月間)もらうことが出来る方法についても解説いたします。
失業保険を最大2年6か月もらえる仕組みについて
失業保険と社会保険給付金を組み合わせることにより最大28ヶ月の間、国から給付金を受給することが可能となります。
傷病手当金と失業手当は、期間を重ねずに続けて受け取れます。だから合計で長く受給できます。
ただし、年齢の条件により、45歳以上は最大30ヶ月間の受給が可能となります。
失業保険と社会保険給付金とはどのような仕組みなのかを解説いたします。
- 傷病手当金:病気やけがで働けない期間を支える(健康保険)
- 失業手当:働ける状態で仕事を探す期間を支える(雇用保険)
- 前提が異なるため、同じ期間に両方は受け取れない



受け取れる期間は、条件がそろえば思っているより長くなります。
失業保険と社会保険給付金について
- 傷病手当金(健康保険)支給開始日から通算1年6か月
- 失業手当(雇用保険)所定給付日数の分
- 順番に受け取ることで最大28か月
失業保険について
失業保険を受給するには、退職後にハローワークを訪問して失業手当を申請する必要があります。
失業認定を受けると、一定期間中に、一時的に手当てがもらえる仕組みとなっています。
受給金額は、前職の月の給与の50~80%になります。
例えば月給30万円ならば、受給金額は15万円~24万円となります。
受給期間は、雇用保険加入期間や離職理由にもよりますが3ヶ月~10ヶ月です。
(45歳以上は12ヶ月)
社会保険給付金について
社会保険給付金とは傷病手当金と呼ばれています。
傷病手当金は、仕事とは無関係のことが原因の病気やケガで就業不可能な場合に受け取ることが出来る手当のことです。
傷病手当金は、条件を満たしていても申請されないまま終わることが少なくない制度です。
その理由として、傷病手当金の受給申請が難しそう、単純によくわからない、傷病手当金の制度そのものを知らないということが挙げられます。
傷病手当金等の社会保険給付金の財源は、社会保険料です。
したがって、傷病手当金を受給をすることは労働者としての当然の権利であり、後ろめたく感じたり罪悪感を感じられる必要は一切ございません。



2つの制度は同時ではなく、順番に使うのが基本です。
傷病手当金と失業保険はいくらもらえる?金額のシミュレーション
結論からお伝えします。傷病手当金は月給のおよそ3分の2、失業保険は退職前の給与のおよそ50〜80%が目安です。傷病手当金をいくら受け取ったかで、あとの失業保険の金額が減ることはありません。
計算式は次のとおりです。傷病手当金の1日あたりの額は「支給開始日より前の12か月の標準報酬月額の平均 ÷ 30日 × 3分の2」です。失業保険の1日あたりの額(基本手当日額)は「退職前6か月の賃金の合計 ÷ 180 × 給付率50〜80%」で計算します。
月給30万円の方を例にすると、次のような目安になります。
→ 横にスクロールできます
| 受け取る手当 | 1日あたりの目安 | 1か月あたりの目安 | 受け取れる期間 |
|---|---|---|---|
| 傷病手当金 | 約6,660円 | 約20万円 | 通算1年6か月 |
| 失業保険(基本手当) | 約6,300円 | 約17万6,000円(28日ごと) | 所定給付日数の分 |
出典: 金額は月給30万円の場合の目安です。実際の額はご自身の標準報酬月額・賃金日額で変わります。
※失業保険には年齢ごとの上限額があります。2026年8月1日からの上限は45〜59歳で9,110円です。月給が高い方ほど、実際の額は上限で頭打ちになります。
- 傷病手当金 … 健康保険組合から届く支給決定通知書
- 失業保険 … ハローワークで交付される雇用保険受給資格者証(第1面19欄)
- 退職前 … 直近6か月の給与明細(賃金日額の根拠になります)
2026年8月からの失業保険の金額改定については、失業保険はいくら?2026年8月から基本手当日額が引き上げ|年齢別の上限額と計算方法で年齢別の一覧を載せています。



「いくらもらえるか」は、退職前の給与で決まります。だから退職前の準備が効くんです。
傷病手当金と失業手当を合わせて最大28ヶ月間もらうための条件
- 退職日以前の2年間に、1年以上の被保険者期間があるか
- 退職日まで継続して1年以上の健康保険の被保険者期間があるか
- 退職の時点で働けない状態にあるか
傷病手当金と失業手当を受給するには、それぞれ下記のような条件がございます。
- 退職してから傷病手当金のことを調べ始める
- 医師の診断を受けず、口頭で体調不良とだけ伝える
- 失業手当の受給期間の延長申請をせず、期限を過ぎる
傷病手当金の受給条件
・業務以外の事由による病気やケガの療養のための休業である・社会保険(健康保険)に連続して1年以上加入している(国民健康保険不可)
・ 病気やケガで就業不可・連続した3日間(待期期間)を含んで4日以上仕事に就けない状態である傷病手当金に関しては下記の記事でさらに詳しく解説させていただいておりますので、ご参考ください。
参考:傷病手当金サポートを退職代行で出来るか?|労働基準調査組合 (rouki.help)
失業手当の受給条件
・自己都合退職の場合、退職日以前の2年間に12ヶ月以上の雇用保険の被保険者期間が必要。
会社都合退職者の場合、退職日以前の1年間に6ヶ月以上の雇用保険の被保険者期間が必要。(ここでいう被保険者期間は雇用保険のもので、健康保険の加入期間とは別に数えます)・失業状態である(就職できる状態で、就職の意思がある)失業手当の受給条件に関して、詳しくは下記をご参照ください。
参照:ハローワーク基本手当受給要件上記では傷病手当金と失業手当を最大28ヶ月間もらうための条件として、それぞれ詳しく解説いたしました。
それでは、下記では実際に傷病手当金と失業手当を最大28ヶ月間もらうための具体的な流れについて詳しく説明させていただきたいと思います。



被保険者だった期間が足りているかを、まず確かめてください。
傷病手当金と失業手当を最大28ヶ月間もらう流れ
- 在職中に傷病手当金の申請をする
- 退職後、ハローワークで受給期間の延長を申請する
- 働ける状態になってから失業手当の受給に切り替える
まずは傷病手当金を最大18ヶ月間受給しながら病気の治療を行います。
そして、病気が治ったら、失業手当を最大10ヶ月間(45歳以上は12ヶ月間)受給しながら就職活動を行う、という流れとなります。
この方法で、合計最大28ヶ月間(45歳以上は最大30ヶ月間)受給することが可能です。
※傷病手当金と失業手当を同時に受給することはできないので、別々に受給することになります。
手順1. 退職届の提出(退職の意思表示)
退職届を提出して、会社から退職を認めてもらいましょう。
※精神的な体調不良等でご自身でのご対応が難しい場合は、退職代行ローキにご依頼いただくことで、直接会社と連絡を取ることなく、出社もせずに退職することが可能です。
手順2. 医師の受診を行い診断書をもらう
①精神科、心療内科を受診して診断書をもらってください②傷病手当金申請を考えていることを伝えてください③申請期間を医師に相談してください④退職日より前に必ず一度は受診しておいてください(在職中に「働けない状態」と診断されている必要があります)
⑤病院が診断書を書いてくれない場合は、他の病院を受診してください【注意点】・診断書を書いてもらうときは、不眠、食欲不振、頭痛や動悸などの精神的な体調不良が原因で仕事に支障をきたし、これ以上の継続勤務が難しい旨をお伝えください。
医師には、実際に起きていることをそのまま伝えてください。事実と違う説明をすると、あとで受給が取り消される原因になります。
なお、長時間労働やハラスメントなど仕事が原因で心身を壊した場合は、健康保険の傷病手当金ではなく労災保険の対象になります。この2つは同時には受け取れません。
労災と聞くと手続きが大変に思えますが、金額の面では労災のほうが手厚い制度です。休業補償給付(給付基礎日額の60%)に休業特別支給金(20%)が加わり、あわせて8割が補償されます。傷病手当金の約3分の2より多く、支給期間の上限もありません。
- 医師には事実をそのまま伝える(事実と違う説明はしない)
- 労災の休業補償は8割・期間の上限なし。傷病手当金より手厚い
- 労災認定を待つ間に傷病手当金を先に受け取り、認定後に返還する運用もある
手順3. 在職期間中に連続して4日以上の休みがあること(待期期間)
傷病手当金の申請を行うには、連続した3日間以上就業できない状態である必要がございます。これを待期期間と呼び、この期間には給与の支払いの有無は関係ございません。
つまり、土日祝日のような公休日や有給休暇を利用することでも可能です。
連続した3日間の待期期間を含み、4日以上就業できない状態に対して4日目以降に傷病手当金の支給がございます。
また注意点としては退職日も含めて4日以上の休みがあることが条件となります。
つまり、退職日に例えば引継ぎや挨拶、片付け等で出社されてしまうと条件を満たしませんのでご注意ください。
手順4. 再度医師の診察を受け、傷病手当金申請用紙の記載をしてもらう
医師の診断を再度受ける前に、傷病手当金申請用紙をご加入の健康保険組合のホームページからプリントアウトしてください。
その申請用紙を持参して、再度医師を訪れて診察を受けてください。その際に、働ける状態ではないことを伝えた上で、医師に申請用紙の必要事項の記載をお願いしてください。
手順5. 健康保険、国民年金の切り替え
退職日の翌日からは、社会保険の資格喪失となりますので、今まで使用されていた保険証は使用できません。お住まいの市区町村の国民健康保険担当窓口へ行っていただき、今まで加入されていた健康保険組合から国民健康保険に切り替えを行ってもらってください。
その際に合わせて国民年金についても、第2被保険者(国民年金+厚生年金)から第1被保険者(国民年金)への切り替えが必要となりますので、お住まいの市区町村の国民年金担当窓口にお問い合わせしていただき、ご確認ください。
手順6. 傷病手当金の申請
手順4で医師に必要事項を記載してもらった申請書類を会社に送付してください。
ご自身で申請書類の記入を会社に伝えることが難しい場合は、退職代行ローキが代行いたします。
送付される前にはコピーを取っていただき、保管しておかれることをおすすめいたします。
会社に送付した申請用紙の会社の記入欄に必要事項の記載をしてもらうようお伝えください。
会社が申請書の記入に協力していただけない場合、申請が行えませんので、会社に対して協力を促します。
上記の申請書の返送が会社からありましたら、ご自身で記入していただく箇所に必要事項を記入していただき、健康保険組合にご提出ください。
※傷病手当金の申請、傷病手当金サポートに関してさらに詳しく知りたいという方は下記の記事をご参考ください参考:傷病手当金サポートを退職代行で出来るか?|労働基準調査組合 (rouki.help)
手順7. 失業保険の受給期間の延長申請
傷病手当金の申請が終わりましたら、次はお住まいのエリアを管轄しているハローワークを訪れていただき、失業保険の受給期間の延長を申請してください。
なぜ失業保険の受給期間の延長を申請する必要があるかと言いますと、傷病手当金と失業保険の同時受給が出来ないからです。
傷病手当金は仕事に就くことが出来ない方に対して支給されるものである一方、失業保険は仕事に就くことが出来る状態で、その能力があり、求職活動を行っている方に対して支給されるものになります。同時に受給が可能であれば矛盾が生じます。
また失業保険は退職後1年経つと受給の資格が失われます。
したがって、失業保険の受給期間の延長を申請しなければ傷病手当金の受給が終わった後に失業保険の受給をすることが出来ません。
手順8. 傷病手当金の受給が始まる
医師や会社が証明することは過去に働けなかったということですので、退職後のそのあとも傷病手当金を継続して受給するするには、ひと月ごとに(それ以上の期間をあけないようにしてください)、病院に行き、同じ手順で傷病手当金申請の用紙を作成して期間をあけずに月に1度、健康保険組合に提出していただく
ことになります。
治療に積極性がなければ受給資格を失う為です。
手順9. 傷病手当金の受給が終わる
傷病手当金の受給期間の1年6ヶ月が終了する頃になれば、病院で医師から就職活動を行う許可をいただきます。
医師からの許可を得る必要がある理由は、失業保険の受給を行う為には就職活動をしているということが必要条件だからです。
また医師からの就職活動の許可をいただく際には、ご自身の体調が回復したことを医師に伝えて、傷病証明書と就業可能意見書の作成をお願いしてください。
手順10. 失業保険の受給が始まる
医師から傷病証明書と就業可能意見書の2つの書類をいただいたら、この書類を持参の上、お住まいのエリアの管轄をしているハローワークを訪れていただき、失業保険の受給期間延長の解除を行います。
ここで大切な点が2つあります。
1つ目は、体調が回復し、仕事を探す意思があることをきちんと伝えることです。
2つ目が、この記事の「最大28ヶ月」を左右する就職困難者の扱いです。ここは誤解が多いので、正確にお伝えします。
就職困難者に当たると、所定給付日数が300日(45歳以上65歳未満は360日)に延びます。この記事で説明している「最大28ヶ月・30ヶ月」は、この日数を前提にした数字です。
ただし、これは窓口で申し出れば認められるものではありません。障害者手帳をお持ちであること、または統合失調症・そううつ病(うつ病・双極性障害を含む)・てんかんの診断があることが要件で、手帳や医師の証明で確認されます。
- 就職困難者かどうかは受給資格が決まる日(初回の申請時)に確認される
- そのあとで手帳を取得しても、原則としてさかのぼって認められない
- 該当しない場合の給付日数は90〜150日(自己都合)で、合計は21〜23ヶ月ほどになる
就職困難者の扱いを受けたい場合は、ハローワークで最初の手続きをする前に、手帳または医師の証明を用意しておいてください。
就職困難者と認められた場合の所定給付日数は、45歳未満で300日(約10ヶ月)、45歳以上65歳未満で360日(約12ヶ月)です。該当しない場合は自己都合で90〜150日となり、合計期間もその分短くなります。参照:ハローワークインターネットサービス|基本手当の所定給付日数
手順11. 就職活動を行う
失業保険を継続して受給し続けるためには、4週間ごとに訪れる失業認定日で就職活動を行っていることを示す必要がございます。ハローワークに就職活動の実績として認定される主な就職活動は以下のようなものになります。
- 求人への応募
- ハローワーク開催の職業相談、職業紹介、各種セミナーの受講等
- 許可、届け出のある民間事業者開催の職業相談、職業紹介、各種セミナーの受講等
- 公的な機関開催の職業相談、職業紹介、各種セミナーの受講等
- 再就職に役に立つ国家試験、検定等の受験
参照:厚生労働省|求職活動についてまた、失業保険の受給中に就職が決まりましたら、再就職手当をもらうことが出来ます。
失業保険の残りの給付日数分の手当をもらうことが可能となります。
再就職手当についてさらに詳しく知りたいという方は下記の記事をご参考ください。
参考:再就職手当をもらうには?受給条件や手続きについて|労働基準調査組合 (rouki.help)



受給期間の延長申請を忘れると、あとから取り戻せません。
うつ病・適応障害で退職するときに知っておきたいこと
心の不調で退職する場合、この記事の「最大28ヶ月」がいちばん現実的に当てはまります。うつ病や双極性障害と診断されていれば、就職困難者として所定給付日数が300日(45歳以上65歳未満は360日)になる可能性があるためです。
順番も大切です。働けない間は傷病手当金、回復してからが失業保険です。この順番が逆になったり、間の手続きが抜けたりすると、受け取れる期間が短くなります。
退職理由が「会社都合」になることもあります
心身の不調が長時間労働やハラスメントによるものだと認められれば、自己都合ではなく特定受給資格者や特定理由離職者として扱われ、給付制限がなくなったり給付日数が増えたりします。
判断するのはハローワークですが、そのときに物を言うのが記録です。勤務時間の記録、上司とのやり取り、心療内科の受診歴などを残しておいてください。
- 診断書に事実と違うことを書いてもらう(あとで受給取消の原因になります)
- 離職票の退職理由を確認しないまま署名して提出する
- 受給期間の延長申請をせず、退職から1年が過ぎてしまう
パワハラが原因の場合の証拠の残し方は、パワハラの証拠の集め方のポイントを詳しく解説をご覧ください。退職の進め方はパワハラを理由に退職代行は利用できる?注意点や業者を使うメリットを解説で解説しています。



心の不調での退職こそ、制度を全部使ってほしいです。無理をして早く働き始める必要はありませんよ。
28ヶ月もらえないケース・金額が減るケース
先に正直にお伝えします。誰でも28ヶ月もらえるわけではありません。当てはまらない条件があると、期間はぐっと短くなります。
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| 当てはまる状況 | どうなるか | 対応 |
|---|---|---|
| 健康保険の加入が1年未満 | 退職後の傷病手当金は受け取れない | 在職中の分のみ受給できる |
| 退職日に出社した | 継続給付の条件を満たさなくなる | 退職日は休む(有給でも可) |
| 就職困難者に当たらない | 給付日数は90〜150日(自己都合) | 合計は21〜23ヶ月ほどになる |
| 受給期間の延長申請を忘れた | 退職から1年で失業保険の権利が消える | 働けなくなって30日経ったら早めに申請 |
| 老齢年金を受けている | 傷病手当金が調整される場合がある | 加入している健康保険に確認する |
出典: いずれも条件の一例です。個別の判定は健康保険組合とハローワークが行います。
また、傷病手当金は2022年1月から通算1年6か月に変わりました。途中で体調が戻って働いた期間があっても、その分は日数に数えられず、再び働けなくなったときに残りを受け取れます。以前のように「支給開始から1年6か月で打ち切り」ではありません。



当てはまらない条件があっても、受け取れる制度は残っています。あきらめずに確認してくださいね。
失業保険は何ヶ月もらえる?受給期間の目安
- 雇用保険の被保険者だった期間
- 離職したときの年齢
- 離職理由が自己都合か会社都合か
失業保険(基本手当)を受け取れる期間は、雇用保険に入っていた年数と辞めた理由によって決まります。おおよそ90日(3ヶ月)から330日(11ヶ月)の幅があり、会社都合で辞めた方や年齢が高い方ほど長くなる傾向があります。
→ 横にスクロールできます
| 辞めた理由 | 雇用保険の加入年数 | 受給できる日数の目安 |
|---|---|---|
| 自己都合 | 1年以上10年未満 | 90日 |
| 自己都合 | 10年以上20年未満 | 120日 |
| 自己都合 | 20年以上 | 150日 |
| 会社都合など | 1年以上5年未満 | 90〜180日 |
| 会社都合など | 5年以上 | 180〜330日(年齢により変動) |
失業保険の受給期間の目安(給付日数)
なお、就職困難者に当たる場合は日数が大きく変わります。
→ 横にスクロールできます
| 離職時の年齢 | 雇用保険1年未満 | 雇用保険1年以上 |
|---|---|---|
| 45歳未満 | 150日 | 300日(約10ヶ月) |
| 45歳以上65歳未満 | 150日 | 360日(約12ヶ月) |
出典: ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」
この記事の「最大28ヶ月」は傷病手当金18ヶ月と300日(約10ヶ月)、「最大30ヶ月(2年6か月)」は18ヶ月と360日(約12ヶ月)を足した数字です。
正確な日数はご自身の加入期間・年齢・離職理由で変わります。ハローワークで交付される「雇用保険受給資格者証」に記載されますので、必ずそちらでご確認ください。



「何ヶ月もらえるの?」というご相談はとても多いです。人によって変わるので、ハローワークで確認するのが確実ですよ。
よくある質問(FAQ)
失業保険は本当に2年ももらえるのですか?
失業保険(基本手当)そのものを2年間続けて受け取れるわけではありません。この記事で紹介しているのは、先に傷病手当金を受け取り、その後に失業保険を受け取ることで、合計の受給期間が長くなるという考え方です。それぞれ別の制度で、同時に受け取ることはできません。
失業保険を28ヶ月もらう方法はありますか?
傷病手当金(最大18ヶ月)を受け取ったあと、失業保険(最大10ヶ月・45歳以上は12ヶ月)を受け取る形にすると、合計で最大28ヶ月(45歳以上は最大30ヶ月)になります。ただし、いずれも条件を満たす必要があり、誰でも自動的に受け取れるものではありません。ご自身が対象になるかは、別途ご相談ください。
傷病手当金が終わったら、失業保険はいくらもらえますか?
失業保険の金額は、退職前6ヶ月の給与をもとに計算され、おおむね以前の給与の50〜80%が目安です。傷病手当金をいくら受け取ったかで失業保険の金額が変わることはありません。正確な金額はハローワークで確認できます。
失業保険と傷病手当金は同時にもらえますか?
同時には受け取れません。傷病手当金は「働けない状態」の方が対象、失業保険は「働ける状態で就職活動をしている」方が対象で、前提が正反対だからです。そのため、失業保険は受給期間の延長を申請しておき、体調が回復してから受け取る流れになります。
退職代行を使うと、これらの手当は受け取れなくなりますか?
いいえ、退職代行を使ったことを理由に手当が受け取れなくなることはありません。手当の条件は雇用保険や健康保険の加入状況などで決まるもので、退職の伝え方とは関係がないためです。
手続きが不安です。相談できますか?
退職代行ローキでは、退職のご相談とあわせて、手当に関するご案内も行っています。個別の事情によって条件が変わりますので、まずはLINEか電話でお気軽にご相談ください。
傷病手当金が終わったあと、失業保険はいつから受け取れますか?
医師から就労可能の証明をもらい、ハローワークで受給期間の延長を解除した後からです。手続きの当日から支給が始まるわけではなく、その後の失業認定日を経て振り込まれます。会社都合など給付制限のない離職理由であれば、待期7日の後に対象期間が始まります。
うつ病でも失業保険を300日もらえますか?
うつ病(そううつ病)と診断されていれば、就職困難者として300日(45歳以上65歳未満は360日)になる可能性があります。ただしハローワークでの最初の手続きの時点で、障害者手帳または医師の証明で確認される必要があります。あとから手帳を取っても原則さかのぼれません。
仕事が原因で体調を崩した場合も傷病手当金ですか?
仕事が原因と認められる場合は労災保険の対象になり、健康保険の傷病手当金は支給されません。労災の休業補償は給付基礎日額の8割(休業補償給付6割+休業特別支給金2割)で、支給期間の上限もないため、金額の面では労災のほうが手厚い制度です。判断に迷う場合は労働基準監督署にご相談ください。



ご自身がどの日数に当たるか、表で確かめてみてください。
まとめ
傷病手当金と失業保険を受給することにより、
45歳未満の方は最大28ヶ月、45歳以上の方は最大30ヶ月の間、手当を受給することが可能です。
傷病手当金と失業保険は国の制度であり、私たちが支払ってきた保険料が原資となり成立しています。
そのため、これらの手当が受け取れる条件に適合する労働者にとっては、それは単なる恩恵ではなく法律に基づき保証された権利であるといえます。
後ろめたく思う必要は全くありません。
受給可能な期間が長いほど、次の仕事探しやキャリアプランをしっかりと考える余裕が生まれます。
反対に、その期間が短すぎると、新しい仕事を急いで探さなければならず、その結果として職場選びでの判断ミスが増加する可能性が高くなります。
さらには、受給期間が長いことで、病気の治療やリハビリテーションに専念する時間も確保でき、全体的に生活の質が向上することでしょう。
退職代行ローキでは、退職をご自身で対応することが難しい方に対して退職代行サービスを提供しており、それと同時に傷病手当金サポートも行っております。
退職代行ローキは、労働委員会の資格審査を経た労働組合「労働基準調査組合」が運営しています。退職の意思伝達から有給消化や退職日の交渉まで19,800円(税込)で対応し、追加料金は原則かかりません。※料金は組合加入費2,800円と組合費17,000円の合計です。後払い手数料などは別になります。
ご自身で会社に対して傷病手当金申請書の記入を伝えることが難しい場合も、組合から会社へお伝えします。相談はLINEか電話で受け付けています。
※この記事は2026年8月時点の情報をもとに作成しています。
在職中に動いておくかどうかで、受け取れる金額が変わることがあります。
退職代行ローキは退職代行と同時に傷病手当金のサポートも行っています。
相談はLINEか電話で受け付けています。
参考情報・出典
- ハローワークインターネットサービス|基本手当について
- ハローワークインターネットサービス|雇用保険制度の概要
- 全国健康保険協会|傷病手当金(給付と手続き)
- ハローワークインターネットサービス|基本手当の所定給付日数
- 厚生労働省|労災補償(休業補償給付・特別支給金)
執筆者


労働基準調査組合 執行委員長
谷本 祥子
私は飲食店勤務やメーカー代理店勤務など、さまざまな仕事を経験してきました。メーカー代理店では、商品販売の営業職として働いていました。現場では長時間労働や無理なノルマ強要が当たり前で、私も同僚たちも皆疲弊しきっていました。従業員たちが「辞めたい」と申し出ても、会社は「後任が見つかるまで待て」とか「引き継ぎが終わるまでダメだ」と拒み続け、退職を認めませんでした。中には精神的に追い詰められて鬱病になり、ある日突然来なくなってしまう同僚もいました。
続きを読む
私自身も会社の方針に疑問を感じ、労働環境の改善を上層部に提案しましたが、全く聞き入れてもらえませんでした。それどころか「部下をもっと厳しく指導しろ」と圧力をかけられる始末でした。私も心身ともに不調をきたしたため、退職を申し出ましたが、やはり引き止められ、なかなか辞めることができませんでした。
最終的に、労働問題に明るい仲間達の力を借りて退職することができました。この経験から「働く人たちがもっと気軽に、安心して退職できる仕組みが必要だ」と痛感しました。このような辛い経験をした自分だからこそ、労働者の立場に立って支援したいと考え、現在は労働基準調査組合の執行委員長として活動しています。
同じように悩み苦しむ方々が孤立せず、労働現場で生じるあらゆる労働問題に真摯に向き合い、実効性ある労働法に則った支援を行ってまいります。












