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源泉徴収票は退職後、いつもらえていつ使用するのか?発行してもらえない場合の対処法も解説

  • 2023.10.13
  • 2023.10.13
源泉徴収票は退職後、いつもらえていつ使用するのか?発行してもらえない場合の対処法も解説

退職豆知識

所得税法により、会社は退職時に源泉徴収票を1ヶ月以内に発行する義務がある

源泉徴収票が必要となる様々なケースがあるため、適切に保管しておくことが重要

会社が発行しない場合は管轄税務署に源泉徴収票不交付の届出を行い、発行を会社へ促すことが可能

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源泉徴収票とはどのような書類で何が分かるのでしょうか。本記事では源泉徴収票の発行時期や退職時の発行について、源泉徴収票が必要になるケースや会社に源泉徴収票を交付してもらえない場合の対処法について解説します。
あなたがその年に働いた記録が記載されている重要な書類ですので、内容について把握をしておくことは大切です。

それでは、まず源泉徴収票とは何なのか下記で解説いたします。
それではみていきましょう。

源泉徴収票について

源泉徴収票は、従業員が1年間で受け取った給料とその中から会社が国に支払った所得税の額が記されている重要な書類です。
これは1年間の労働で得た収入とすでに支払われた税金の総額を示しており、これにより多くのサラリーマンは確定申告を省略することができます。

この源泉徴収というシステムは、給与から予め所得税を引いて国に納税する仕組みを指します。
仮に途中で退職した場合でも、源泉徴収票には退職日までの収入と所得税が記載されるので、一目でその年の収入と税金を確認できることになります。

さらに源泉徴収票は年末になると、給与や社会保険料等が精算されて所得税の計算が正確であることが確認される「年末調整」の際にも重要な役割を果たします。
この年末調整とは1年間に支払った税金が適切であったかを確認するプロセスで、これにより給与や税金が正しく計算・精算されることになります。

年末調整が完了するとそれに基づいて源泉徴収票が発行され、これが従業員に配られます。
この書類により、労働者はご自身で確定申告をすることなく、年間の収入や税金の流れを一目で把握できることになります。

総じて、源泉徴収票は労働者にとって非常に便利で重要な書類であり、それにより税金の管理が格段に楽になります。
退職を考えられている方もこの源泉徴収票をしっかりと確認し、ご自身の給与や税金の流れを理解しておくことが重要です。

上記では源泉徴収票について解説いたしました。会社の退職時に発行される源泉徴収票には2種類あります。
下記ではこの2種類の源泉徴収票について説明させていただきたいと思います。

退職後の2つの源泉徴収票とは

給与所得の源泉徴収票

前述の通り給与所得の源泉徴収票は、1年の初めから最後の日、すなわち1月1日から12月31日の間に支払われた給与と所得税額を示す重要な書類です。この所得税額は年末調整が実施されたか否かにより異なる値を反映いたします。

具体的には年末調整が行われていない場合、記載される所得税額は概算とされる初歩的な計算に基づくものとなります。

この点を理解して、正確な税額を把握することが重要となります。

退職所得の源泉徴収票

退職所得の源泉徴収票は退職金が支給される際に重要な書類として発行されます。
退職金の支給は、勤務していた企業の規定や勤続年数に基づいて行われます。
この書類には受け取った退職金の金額や、それに対して徴収される所得税の額が記載されています。

しかしながら退職金が支給されない状況では、退職所得の源泉徴収票は発行されることはありません。
一部の企業では退職金を賃金の一部として扱い、給与所得の源泉徴収票に記載することがございます。
このケースでは、退職金と給与が一緒に記載されている一枚の源泉徴収票が発行されることとなります。

従って退職金が支給される場合でも、必ずしも退職所得の源泉徴収票が別途で発行されるわけではありません。
退職時の金銭的な取引や税金に関する正確な記録を保持するため、どのような形で源泉徴収票が発行されるかを把握し、適切に手続きを行いましょう。

ここでは、退職時に発行される2つの源泉徴収票について解説いたしました。
下記では、源泉徴収票は退職後いつもらえるのかについて説明させていただきたいと思います。

源泉徴収票は退職後いつもらえるのか

源泉徴収票は通常、12月に手に入ります。
しかし、退職者の場合は若干異なります。退職時、その日までの給与に基づいて税金の計算がスタートし、源泉徴収票は退職日から1ヶ月以内に受け取れるよう手配されます。
これは所得税法第226条により、退職の際は源泉徴収票を1ヶ月以内に発行・提供することが義務づけられているためです。

参照:所得税法第226条(e-Gov法令検索)

退職後は郵送が一般的な受け取り方法で、同封されて離職票も届くことがあります。
退職する際に、これらの重要書類がいつ送られてくるのかを確認し、計画を立てることが重要となります。

源泉徴収票は年末調整の結果が記載されているもので、1年間の給与が確定する前には作成できません。
通常、正社員でもパートタイムの従業員でも年末調整後の12月に給与明細と共に提供されます。
そして、給与支払いの担当者は、源泉徴収票を翌年の1月31日までに税務署へ提出する必要があるため、それまでには従業員に配られるはずです。

以下では、源泉徴収票が必要になるケースについて解説させていただきたいと思います。

退職後に源泉徴収票は何のために必要か

【源泉徴収票の特徴】
  • 給与や給付に対して支払われた税金の額が記載された公式な証明書です
  • 従業員やアルバイトの方々の収入や、税金の詳細な証明書としての機能を持っています
  • 金融機関でのローン申し込みや各種証明書の提出要件として必要とされることがあります
  • 住宅ローンの控除を受ける際の重要な書類として利用されることが一般的です
このように、源泉徴収票は非常に重要な書類であると同時に予期せぬ局面で必要とされる可能性が高いです。
従業員やアルバイトの方々は源泉徴収票を適切に保管し、随時アクセス可能な場所に保管することを強く推奨いたします。

ここからは、源泉徴収票が必要になるそれぞれのケースについて詳しく紹介いたします。
源泉徴収票が必要になる場面は下記のような状況が考えられます。

転職先への提出

現職場の年末に行われる年末調整とは、ある特定の年における所得税の最終額を算出する重要なプロセスであり、年末調整を通じて各個人の所得に対する正確な税金が計算されます。
その際に前職場からの源泉徴収票の提出が必要となります
これは前職での所得を示す重要な書類であり、これと現職での所得を合算して年末調整を適切に行うための基礎データとして活用されます。

もし、皆様が年末に退職されて翌年に新たな職に就かれた場合は、年末調整が未完了の状態となっており、皆様は所得税の確定申告をご自身で行う必要が生じます
この確定申告は年内に収入があったものの、年末調整が実施されなかったケースで所得税の最終額を正確に計算して報告するための必須の手続きとなります。

ハローワークでの失業給付の受給時に使用

会社を退職した際に失業給付をハローワークから受け取りたい場合、源泉徴収票の提出が必要となります。
源泉徴収票は退職者がそれまでの職場からどれだけの給与を受け取り、どれだけの税金を支払ったかを証明する正式な書類となります。

次に、年末に退職して翌年再就職をし、年末調整を行っていない場合の確定申告が必要になるケースに追加して、確定申告を行うその他のシチュエーションについても説明いたします。

確定申告で使用

退職者が退職金を受領した際、所定の「退職所得の受給に関する申告書」を以前の雇用主に提出していない場合、確定申告が必要になるケースがあります。
これは、「退職所得の受給に関する申告書」の不提出が、退職所得控除の不適用を招くことが原因となります。
結果として退職金に対して予想以上の税金が課せられることになります

このような状況では、確定申告を通じて正当な税額を計算し直して支払い過ぎとなった税金を返還してもらう手段がございます。
さらに年間給与所得が2,000万円を超過している場合や、副業などからの所得が年間20万円以上になる場合も、確定申告が求められます。
ふるさと納税の控除、医療費控除を受ける際や、住宅ローン控除を活用する際も確定申告が必要となります。

医療費の控除で使用

源泉徴収票の提出が必要となるタイミングは、確定申告の際になります。従業員は年末調整を通じて企業から源泉徴収票を受け取ります。しかし、年間医療費が10万円を越えている状況では、会社による年末調整だけでは医療費控除を適用することは出来ません。従って、医療費控除を享受したい従業員はご自身で確定申告の手続きを進めなければなりません。

確定申告を行う際には、源泉徴収票を提出する必要があるため、これを会社から前もって受け取っておくことが必要となります。

仮に、従業員が医療費控除の対象となる金額の医療費を支払っている場合、その控除を受けるためには個人で確定申告を行い、源泉徴収票を税務署に提出する必要があります。この機会に源泉徴収票の重要性を理解し、適切な手続きを行いましょう。

所得証明で使用

所得証明書の提出は、新たな職場での提出はほとんど無いかと思われますが、一般的には賃貸物件の契約締結、貸付の申請、または国民健康保険への切り替え時に要求される事例が多いです。例として、資金調達や貸付においては年間収益を精確に伝えることが不可欠であり、そのための所得証明として源泉徴収票の提出が確実であると言えます。

源泉徴収票には正確な数字が記載されているため、間違いのない所得証明として用いることが可能となり、貸付審査における支障を未然に防ぐことが出来るため提出を求められることが多いです。
ここでは、退職後も含めて源泉徴収票の提出を求められるケースについて具体的に説明させていただきました。

上記の通り、源泉徴収票が必要になる場合がございますので会社から発行してもらい、適切に保管しておくことが重要です。

では、もし会社から源泉徴収票の発行を行ってもらえない場合はどうすればよいのでしょうか。当組合が運営する退職代行ローキでも、退職代行実行後に実際に会社からの嫌がらせのような形で源泉徴収票の発行を行ってもらえないと、ご相談をいただくケースもございます。
もちろん会社に対して請求しても発行していただけない場合は督促を行ってはおりますが、それでも発行していただけない場合もございます。

以下では、そのような場合の対処法について詳しく解説させていただきます。
それではみていきましょう。

会社から源泉徴収票を発行してもらえない場合の対処法

源泉徴収票の発行は、雇用主が退職者に対して行う法的義務です。
退職から1ヶ月以内に発行が義務づけられており、これは正社員、契約社員、アルバイト等の雇用形態に関わらず適用されます。
所得税法に基づいて、この期限を守らない雇用主は法的なペナルティに直面することがあります。
具体的には、所得税法第226条に違反すると、最大で1年以下の懲役や20万円以下の罰金が科せられることが明文化されています。

参照:所得税法第226条(e-Gov法令検索)

源泉徴収票が送付されないケース

しかし実際には、退職者が待っていても源泉徴収票が送付されないケースもあるのが現実です。
特に退職時に雇用主とトラブルがあったり、雇用主がいい加減な場合など源泉徴収票の発行が渋られたり、いつまで待っても発行されないことも考えられます。

そういった場合の対処方法を記載します。
①まずは退職者が雇用主に対して源泉徴収票の発行を依頼します (当組合による退職代行ローキをご利用していただいている場合は、当組合より会社へ源泉徴収票の発行を依頼します)
②雇用主が発行を拒否したり遅延する場合には、退職者が管轄の税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を提出することが可能になります
③提出の結果、税務署が雇用主に対して源泉徴収票の発行を促す行政指導を行います
④多くの場合は源泉徴収票が発行されます
退職時の必要書類で離職票等の別の書類を発行してもらえない場合の対処法については、下記の記事で説明させていただいております。気になっていらっしゃる方は下記の記事をご参考ください。

参考:退職代行を利用して離職票などの退職時の必要書類が届かないことはありますか?|労働基準調査組合 (rouki.help)
下記では、源泉徴収票を紛失してしまった場合の対処法について詳しく説明いたします。

発行された源泉徴収票を紛失した際の対処法

一度発行してもらった源泉徴収票を紛失してしまった場合、前の職場に連絡して、源泉徴収票の再発行を依頼する必要があります。
退職代行ローキにご依頼いただいた場合には、当組合から会社へ再発行のご要望をお伝えさせていただくことも可能です。

所得税法第226条において、会社に対して源泉徴収票の交付が義務づけられていることが明文化されております。
会社は再発行に関して、従業員に対し何回であっても無料で再発行の手続きを何度でも行わなければなりません。

参照:所得税法第226条(e-Gov法令検索)

法令に則った規定として源泉徴収票は最低でも発行日から7年間、企業に保管することが義務付けられております。
ただ、従業員側が再発行を要求する際には、企業側にとって手間となる作業を発生させることを理解し、相応の謝罪の言葉を述べることが礼儀とされています。

まとめ

本記事では源泉徴収票が必要になるケースや、会社から源泉徴収票を発行してもらえない場合の対処法について主に解説いたしました。

源泉徴収票は1年間において獲得した収入と、納付した所得税額が明記されている非常に重要な書類です。
新しい職場への入職時に提出する場合、年度末の確定申告を行う際、あるいは所得証明として必要となるケースでは、源泉徴収票が必要とされます。

万が一、源泉徴収票が会社から送付されてこない状況の場合、退職者は会社に対して源泉徴収票の送付を要求することが可能です。

源泉徴収票には年間の所得と所得税額が記載されています。
この情報は多くの方が利用されているふるさと納税などの利用枠を計画する際や、各種控除を享受する際の重要な参考書類にもなります。
退職を検討している方は、源泉徴収票の発行時期に関して事前に企業に確認を行うことが最も確実であり、退職手続きが円滑に進むことが期待されるでしょう。
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退職代行コラム編集者

労働基準調査組合執行委員長
後藤 星未

「医療関係の職場に長年勤務していました。その職場では、様々なハラスメントが横行しており、経営者をはじめ役職者も従業員に心ない言葉を浴びせ、非常に離職率が高く、入社直後に退職してしまう、まさに典型的なブラック企業でした。

私は新人研修や教育を任されていましたが、せっかく育てた新人は経営者や上司からのハラスメントを受けて心を病み、退職を繰り返す状況が続きました。

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