傷病手当金申請のサポートを行ってもらうことは可能ですか?
- 2023.05.15
- 2023.05.15
退職豆知識
傷病手当金の申請は一部の業者のみ対応可能
退職代行を利用して傷病手当金申請の代行も同時に受けることが可能
早期受診と適切な退職代行業者選びが重要
1. 傷病手当金とは
2. 退職後も傷病手当金を受け取ることが可能
3. ほとんどの退職代行業者は傷病手当金申請の代行を行っていない
4. 退職代行業者を利用して傷病手当金申請の代行も同時に受けることが可能
5. 傷病手当金申請の手続きの手順
6. 早期受診と適切な退職代行業者選びが重要
7. まとめ
病気やケガなどの様々な理由から今の仕事を続けることが困難となり会社を退職せざるを得ない方もいらっしゃると思います。
しかし、退職することでまず金銭的な不安が頭をよぎるという方も多いのではないでしょうか。
退職すると、給与がなくなり生活費の確保が難しくなることがあります。
また、退職後の生活費を確保するために、貯蓄を切り崩したり借金をしたりすることもあります。
このような状況は、ストレスや不安を引き起こすことでしょう。
こういった悩みを解決するために手助けとなる、退職後も受け取ることができる給付金として傷病手当金があります。
傷病手当金は病気やケガで働けなくなった場合に、給与の一部を補填する制度です。
健康保険から支給されており、退職後も条件を満たせば支給されます。
一方、退職代行サービスは、退職手続きを代行してくれるサービスです。
この記事では、傷病手当金申請と傷病手当金を申請するにあたっての退職代行の活用方法について詳しく初心者向けに解説します。
まずは傷病手当金とはどのような制度なのか説明させていただきます。
傷病手当金とは
傷病手当金は、病気やケガで働けなくなった場合にその期間の生活費を保障する手当金です。
健康保険から支給されており、退職後も条件を満たせば支給されます。
傷病手当金を受け取るためには、一定の条件を満たす必要があります。
まず、健康保険に加入していることが必要です。また、医師による診断書が必要で労務不能と診断されることが条件の1つです。
さらに、連続する3日(待機期間)を含む4日以上就労できないことが条件(下記傷病手当金について参照)となります。
休業期間中の給与支払いがないことも条件の1つです。
傷病手当金は、原則として給与の約3分の2相当額を最大18ヶ月受給できるものです。
ただし、傷病手当金には所得税はかかりません。
また、要件が満たされれば傷病手当金受給終了後に失業手当を受給することも可能です。
傷病手当金の申請には、「被保険者(自分)」「会社」「医師」それぞれが記入する項目があります。
また、会社を退職後に申請することはできません。
そのため、退職後に傷病手当金を受け取るためには会社に在籍中に申請手続きをしなければならないので注意が必要です。
申請書類は、管轄の保険組合や協会けんぽの窓口から取り寄せることができます。
申請書類ができたら、会社の担当者と相談しチェックを受けて保険組合や協会けんぽに提出します。
詳しい情報は、管轄の保険組合や協会けんぽの窓口に相談してみると良いでしょう。
また、国民健康保険の加入者につきましては残念ながら傷病手当金の申請はできませんので注意しましょう。
参照:傷病手当金について|全国健康保健協会
ここで、注意点として「傷病手当金」と似たような名称の制度で「傷病手当」という給付金の制度がございます。
傷病手当とは失業・休職中の人が公共職業安定所で求職の申し込みをした後に、病気やケガによって仕事に就労することができない期間が継続して15日以上ある場合に、基本手当に代わって支給される雇用保険から出る給付金のことである。
傷病手当金とは異なる全く別の制度になりますので間違えられないようにお気を付けください。
ここでは傷病手当金について詳しく説明させていただきました。
それでは上記でも少し述べましたが、退職後も傷病手当金を受け取ることは出来るのでしょうか。
退職後に収入がなくなり、生活費の確保に金銭的な不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
以下で詳しく説明させていただきます。
退職後も傷病手当金を受け取ることが可能
傷病手当を受け取ることができて症状が回復し仕事に復帰することができるのならば問題は無いのですが、そのまま回復が見込めず退職してしまった場合には不安が残るのは当面の生活費ではないでしょうか。
では退職後も傷病手当金を受け取ることはできるのでしょうか。
結論から申し上げますと、退職後も傷病手当金を受け取ることは可能です。
ただし退職後も傷病手当金を受け取るためには、一定の条件を満たす必要があります。
まず、退職前に傷病手当金の申請を行い、受給していることが条件の1つです。
また、退職前に健康保険に1年以上加入していることが条件となります。
さらに、退職後に傷病手当金の申請を行うことはできません。
したがって退職後に傷病手当金を受け取るためには、在籍中に申請手続きをしなければならないことが重要です。
なお、ここで注意しなければならないポイントとして、最終出勤日を退職日にすると継続受給が出来なくなってしまうという問題がございます。
この問題は、退職後(資格喪失後)の傷病手当金の受給要件の1つである「喪失時に傷病手当金を受給していること若しくは受給できる状態にあること」という規定に関係しております。
参考:傷病手当金について|全国健康保健協会
この規定により、最終出勤日(資格喪失日)に就労することによって労務に服してしまったことになるため労務不能とはみなされません。
また、半日出勤などの一部の就労に関しても退職後の継続給付が受けられません。
そのため傷病手当金の継続受給が出来なくなってしまいます。
傷病手当は労務に服することが不可能な場合に支給され、先ほど述べた通り待機期間が3日必要です。
最終日に出勤することによって労務に服してしまったことになるため、注意が必要です。
もし、引継ぎなどで出勤する必要がある場合は、その出勤日以降3日以上の期間の有給を取るか体調不良で欠勤するなどの工夫が必要となります。
また、医師の受診による労務不能の判断を得ていることが必要であったり、病院にかかっているということが必要になりますので気を付けましょう。
ここまでで、傷病手当金とはどのような制度なのか、また退職後も傷病手当金を受け取ることが可能なのか詳しく説明をさせていただきました。
では実際に退職代行を使って退職する際に、傷病手当金申請のサポートも同時に退職代行サービスで行ってもらえるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
ここからは、その疑問に対して詳しく説明をさせていただきたいと思います。
そもそも、全ての退職代行業者で傷病手当金申請の代行を行っているわけではないので注意が必要です。
ほとんどの退職代行業者は傷病手当金申請の代行を行っていない
まず、傷病手当金の申請手続きは一般的な退職手続きとは異なり専門的な知識や経験が必要なため、一部の代行業者のみ対応可能となっています。
傷病手当金は、労働者が病気やケガで働けなくなった際に給与の一部を補填する制度です。
しかし、申請には医師の診断書や勤務先との調整などの煩雑な手続きが伴います。
一般的な退職代行業者は退職手続きや退職願いの提出など、通常の退職に関するサポートを行っていますが、傷病手当金申請の代行は対応範囲外とする業者が多いのです。
これは、傷病手当金申請には労働者の病状や労働条件など、専門的な知識が求められるためです。
しかし、一部の退職代行業者は傷病手当金申請の代行も専門に行っているためそのような業者に依頼することで傷病手当金申請のサポートが受けられます。
これらの業者は、労働者と勤務先との調整や必要な書類の作成・提出などの傷病手当金申請に関する手続きをスムーズに進めることができます。
傷病手当金申請を代行してもらいたい場合は、事前に業者に問い合わせて傷病手当金申請の代行が可能かどうかを確認しましょう。
また、適切な業者選びのために費用やサービス内容、信頼性などを比較検討することが重要です。
以上のように、傷病手当金申請の代行が可能な適切な退職代行業者を選ぶことによって退職代行と傷病手当金申請の代行サービスを同時に受けることが可能となります。
それにより、以下のようなメリットがございます。それではみていきましょう。
退職代行業者を利用して傷病手当金申請の代行も同時に受けることが可能
傷病金申請サポートを提供しているかどうかは、退職代行業者によって異なります。
傷病金申請サポートを提供している業者もありますが、提供していない業者もあります。
傷病金申請サポートが必要な場合は、業者を選ぶ際にサービス内容を確認することが重要です。
業者によっては追加料金が必要な場合があるので、事前に確認することをお勧めします。
「退職代行 ローキ」では傷病手当金サポートも提供しており、当組合が傷病手当金の申請手続きを労働者に代わって行うことができます。
退職手続きと傷病手当金申請の代行を同時に行うことが可能です。これにより、手続きがスムーズに進むだけでなく時間の節約にもつながります。
上記のように、適切な退職代行業者を選ぶことによって傷病手当金申請の代行と退職代行のサポートを同時に受けることが出来ます。
それでは、実際に傷病手当金申請の手続きを行う流れについて以下で詳しくみていきましょう。
傷病手当金申請の手続きの手順
傷病手当金申請の流れは以下のようになります。
①医師に診察を受け、現在働けない状態であること、傷病手当金の申請を考えていることを伝えてください。
↓
②健康保険組合のホームページから傷病手当金請求の用紙をプリントしてください。
参照:全国健康保険協会
↓
③申請用紙を持参し、再度医師の診察を受けてください。
その際に、働ける状態ではないことを伝え、医師に申請用紙の必要事項の記載をお願いしてください。
↓
④その用紙を会社に送付しますが、送る前に必ずコピーを取り、画像を添付して保存しておいてください。
↓
⑤会社から返送があった場合、必要事項を記入し、健康保険組合に提出してもらいます。
↓
⑥医師や会社が証明するのは過去に働けなかったことですので、その後も傷病手当金を継続して入手するにはひと月ごとに(それ以上にならないようにしてください)病院に行き、同じ手順で傷病手当金請求の用紙を作り、健康保険組合に提出することになります。
当組合の傷病手当サポートは、④会社に記入をお願いする手続きをサポートします。
会社が協力しなければ傷病手当金申請ができなくなってしまいますので、会社の協力を促します。
傷病手当申請ができなかった場合には全額返金させていただきます。
ご安心くださいませ。
ここでは、実際の傷病手当申請の流れについて詳しく説明をさせていただきました。
それでは、退職代行サービスを利用して傷病手当金申請のサポートを受ける際のポイントと退職代行業者を選ぶ際のポイントについて以下で説明させていただきます。
早期受診と適切な退職代行業者選びが重要
傷病手当金を申請するためには、現在働けない状態であることを医師に診断してもらう必要があります。
退職する前に医師に相談し早期の受診をし、適切な診断と治療を受けることで手続きがスムーズに進みます。
次に適切な退職代行業者選びです。
傷病手当金申請に対応している業者は限られており、信頼できる業者を選ぶことが重要です。
業者の対応範囲を確認し、自分に適したサービスを提供している業者を選びましょう。
適切な退職代行業者を利用すれば、傷病手当金の申請手続きを代行してもらうことが可能です。
また、会社との交渉もスムーズに行われ、申請が円滑に進むことが期待できます。
当組合では傷病手当金申請のサポートも行わさせていただいております。
退職代行を使って退職する際に傷病手当金申請の検討もされている方はぜひご相談くださいませ。
まとめ
この記事では、退職代行業者による傷病手当金申請のサポートについて解説いたしました。
ほとんどの退職代行業者は傷病手当金申請の代行を行っていませんが、一部の業者は対応しています。
適切な退職代行業者を利用すれば、退職手続きと傷病手当金申請の代行を同時に行うことが可能です。
傷病手当金申請の手続きは専門的な知識が必要であり、医師の診断書や勤務先との調整が求められます。
退職する前に早期の受診が重要であり、適切な業者選びも大切です。
信頼できる業者を選ぶためには、対応範囲をしっかりと確認しましょう。
当組合であれば、退職代行と傷病手当金の交渉を同時に対応することも可能になります。
退職代行と傷病手当金申請を検討している方は、ぜひご相談くださいませ。
傷病手当金申請に関しては、適切な退職代行業者の利用と早期受診が重要だということを覚えておきましょう。
また、退職日よりも前に傷病手当申請が必要な為、早期に医師に受診し診断書を取得することが重要です。
退職代行コラム編集者
労働基準調査組合執行委員長
後藤 星未
「医療関係の職場に長年勤務していました。その職場では、様々なハラスメントが横行しており、経営者をはじめ役職者も従業員に心ない言葉を浴びせ、非常に離職率が高く、入社直後に退職してしまう、まさに典型的なブラック企業でした。
私は新人研修や教育を任されていましたが、せっかく育てた新人は経営者や上司からのハラスメントを受けて心を病み、退職を繰り返す状況が続きました。
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