繁忙期を理由に退職日を1ヶ月先に設定しようとした会社に法的根拠を示し交渉した事例
- 2025.07.01
- 2025.07.01
実行日 | 2025年7月 |
---|---|
組合員 | Nさん |
年齢 | 30代 |
地域 | 東京都 |
職種 | 製造業 |
雇用形態 | 正社員 |
トラブル種別 | 繁忙期のため退職拒否 |
精神的な体調不良により退職を希望されたNさんからご相談を受け、当組合より退職の通知を会社に送付したところ、会社からは「現在繁忙期のため、退職日は1ヶ月後とする」との回答が届いた。本人の健康状態からも出社継続は困難であり、退職の意思も明確であることから、当組合としては早期退職を求める交渉を開始した。
当組合からは、民法第627条第1項により、無期雇用契約の場合は退職の意思表示から2週間をもって退職の効力が生じること、また判例上、会社の繁忙期や人手不足といった事情は労働者の退職自由を妨げる正当な理由にはならないことを明確に指摘。また、組合員は診断書により就労継続が困難であることを示しており、出社しない期間も「無断欠勤」ではなく正当な欠勤である旨を通知した。
その結果、会社は当組合の主張を受け入れ、退職通知日から2週間後を正式な退職日として承認。また、その間の出社不要についても認められ、Nさんは無事に心身を守りながら退職することができた。
退職の自由は法により保障されており、会社の都合によって一方的に引き延ばされるべきものではない。当組合では、今後も法的根拠に基づいた対応により、労働者の正当な権利を守っていく。