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パワハラの定義は?パワハラに当てはまる例を紹介

  • 2023.02.26
  • 2023.02.26
パワハラの定義は?パワハラに当てはまる例を紹介

パワハラ

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近年、職場でのパワハラ(パワーハラスメント)が、社会で大きく問題視されるようになりました。
パワハラが原因で心身の健康を損なってしまう労働者も、あとを絶ちません。

この記事では、パワハラの定義とともに、どのようなケースがパワハラに該当するかを説明します。
 

パワハラの定義

職場でのパワハラの定義については、厚生労働省がいわゆる「パワハラ指針」を作成し公表しています。
このパワハラ指針は、パワハラが以下の条件に当てはまるものと定義しています。
職場におけるパワーハラスメントは、職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの要素を全て満たすものをいう。
つまり、簡単に言いかえると、パワハラは
「職場で心身に苦痛が生じるような、上の立場からの理不尽な言動」
となります。

職場とは

ここでいう職場とは、会社が労働者に労働従事させている場所のことです。
ふだん働いているオフィスだけでなく、オフィス外でも業務作業を行なっている場所は職場になります。
出張先、移動中の車内、または取引先との打ち合わせ、接待の場も職場に当てはまります。
勤務時間内はもちろんですが、勤務時間外でも参加が強制の飲み会や旅行の場も職場に含まれます。

労働者

ここでは、事業主が雇用するすべての労働者が当てはまります。
正規社員のような正規雇用労働者だけでなく、派遣社員やアルバイトのような非正規雇用労働者も、ここでは「労働者」です。

①優越的な関係を背景とした言動

ある労働者よりも上の立場にいる上司、または、同僚や部下であっても知識や経験で上回る人物が、優越的な関係にある者といえます。
このような関係性にある相手からの理不尽な言動が、パワハラの要件にあたります。
集団で行われ、拒絶が難しい行為も、優越的な関係を背景にして言動とみなせます。

②業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動

これは、常識的に考えて、職場で業務を行う上で必要な範囲を超えた言動のことをを指します。
業務上、必要性のないことが明らかな言動だったり、業務を遂行するための手段として不適切な言動がこれに当たります。
仮に労働者に問題があった場合でも、その労働者に対して人格を否定するような言動は、パワハラの要件となります。

③就業環境が害される

これは、①と②を満たす言動によって、労働者が身体的または精神的にダメージを受け、その結果として不快となった職場環境で本来の労働能力を発揮できなくなることをいいます。
この条件に当てはまるかどうかは、「平均的な労働者が同様の言動を受けた場合、支障をきたすかどうか」が基準となります。
このように、上記の①・②・③のすべての条件が満たされた場合、職場でのパワハラが成立することになります。

パワハラに当てはまる具体例

次に、実際にパワハラに当てはまる具体例を見ていきましょう。
厚生労働省は、パワハラの6つの典型例を示しています。

1. 身体的な攻撃

叩く、殴る、蹴るなどの暴行や障害が当てはまります。
丸めたポスターなどで頭を叩いたり、物を投げつけたりするのも、身体的な攻撃になります。

2. 精神的な攻撃

同僚の目の前で叱責したり、他の職員も読めるメールで罵倒したり、必要以上に長時間、繰り返し執拗に叱ることなどが当てはまります。
実際の例として、「馬鹿野郎」「給料泥棒」などの暴言がパワハラに認定されています。

3. 人間関係からの切り離し

1人だけ別室に席を移されたり、懇親会に出席させなかったり、集団で無視をする行為などが、この例に当てはまります。
会社の違法行為を告発した労働者が、その後、会社からの報復措置として隔離された部屋に配置されたことが、パワハラに認定されています。

4. 過大な要求

業務をする上で明らかに不要だったり、遂行が不可能なことを強制されることです。
まだ仕事経験の浅い新人に対し、他の人の仕事まで押し付けて、同僚が先に帰ってしまうことなどが当てはまります。

5. 過小な要求

実際に持っている能力や経験を考えると、明らかにレベルの低い業務をその労働者にさせたり、仕事をさせないことを指します。
プログラマーに単純なエクセルへのデータ入力やコピーとりのみを命じたり、運転手に清掃作業のみを命じる例が、過小な要求例に当てはまります。

6. 個の侵害

プライバシーに関することに過度に干渉することを指します。
その労働者の交際相手や妻について執拗に質問したり、悪口を言うことなどが、個の侵害例に当てはまります。

パワハラの相談窓口

パワハラの相談窓口として、国の機関が設置しているものがあります。
当然、無料で相談できます。

厚生労働省:総合労働相談コーナー

総合労働相談コーナーは、厚生労働省が設置している相談窓口です。
全国の労働基準監督署と連携をしているため、問題解決のためのアドバイスをもらえることもあります。
また、紛争調整委員会のあっせんにより、あっせん委員が介入して問題解決をはかることもあります。
総合労働相談コーナー

法務省:みんなの人権110番

みんなの人権110番は、法務省によって設置された窓口です。電話とメールでの相談が可能です。
パワハラについて人権問題の視点から助言をもらえるため、自分が受けた言動が人権侵害に該当するかどうかの判断がクリアになります。
みんなの人権110番

弁護士

上記の国の相談窓口では、問題の根本的な解決が難しかったり、解決策が法的な効力を持たなかったりします。
会社がパワハラの対応を拒んでいたり、パワハラの相手や会社を相手取った慰謝料の請求を考えている場合は、弁護士への相談をおすすめします。

まとめ

まとめると、パワハラの定義は、
「職場で心身に苦痛が生じるような、上の立場からの理不尽な言動」
であり、パワハラには大きく6つの典型例があります。

実際に自分が職場で受けた言動がパワハラにあたるかどうかは、ケースバイケースの部分もあります。
悩んでいる場合は、国の設置窓口や弁護士などに相談するのがよいでしょう。

 

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退職代行コラム編集者

コラム編集者

労働基準調査組合執行委員長
徳野 雄一

私自身、離職率が非常に高い同族経営の会社に11年勤務し役職者でした。
私の目の届かないところで普段から自身の部下に経営陣からハラスメントが横行しており、育ては部下が退職する繰り返しの会社でした。

入社して11年目に私宛の部下の辞表に経営陣からの酷いパワハラとも取れる内容が赤裸々に綴られており、今までその事に気づかなかった自分に腹が立ちそして、会社の将来を見据え、その事を経営陣に指摘した途端に私は懲戒解雇を言い渡されました。
その後、懲戒解雇の事を調べ上げ簡単には認められない事を知り、会社側に撤回させ自主退職し今に至ります。

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