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未精算の経費の建替えは請求できますか?

  • 2023.05.19
  • 2023.05.19
未精算の経費の建替えは請求できますか?

退職豆知識

退職代行サービスを利用して法律上、建替え経費を会社に請求することができる

証拠の保管として経費の領収書や明細書など支出を証明する書類を保管しておくことが重要

会社が任意に経費の建替え請求に応じない場合、訴訟提起など請求の強度を上げる手段も検討できる

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退職を考えられている方の中で、会社を辞める際にご自身で建て替えられている未精算経費を精算してもらえるか不安に思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

退職するときには、会社に対して未精算の経費などの金銭的な精算が必要となる場合があります。

これについて不明確な状況や疑問を持つ人も多いかもしれません。この記事では、退職代行を利用した場合に経費の建替えが可能かについて説明いたします。

ではまずはじめに、経費の建て替えとは何かを理解することが重要になりますので下記で説明いたします。

それではみていきましょう。

 

経費の建替えとは


経費の建て替えは、労働者が業務上で自己負担した経費を、雇用者に返還してもらうことを指します。

例えば、出張旅費や営業活動に関する費用などがこれに該当します。

通常、これらの費用は給与とは別に雇用者から支払われます。

この返還対象となる費用は、法律的には建替え経費と呼ばれ、会社による利益を生み出しながらも、社員に負担を強いるものです。

こうした経費は、時効の観点から、その請求が可能となった時点から5年以内に行うことが必要とされています。(下記参照)


参照:民法第166条1項1号(e-GOV 法令検索)


上記では経費の建て替えについて解説いたしました。

では、退職代行サービスを利用して会社を辞める際に未精算の経費の請求はどのようにして行われるのでしょうか。

ここからは、退職代行サービスと経費の建て替えについて詳しく説明させていただきます。

 

退職代行サービスと経費の建て替えについて


まず簡単に退職代行サービスと経費の建て替えについて、また退職代行サービスを利用することによるメリットについて説明させていただきます。
 

退職代行サービス

退職代行業者は、従業員が雇用者から適切に経費の建替えを受け取るためのサポートを提供します。

建替え対象となる経費の明示、そして雇用者・会社への請求等が含まれます。

このサービスは、特に手続きが複雑であったり、雇用者との交渉が困難であったりする場合に有効です。

退職代行サービスには、弁護士事務所、労働組合、民間の3種類の代行サービスがあります。

弁護士事務所の代行は価格は高額ではあるが、法的なトラブルになっても対応可能であり安全です。

また、弁護士の代行は会社との交渉や会社への請求の内容によっては成功報酬を取られること、その事が分かりにくく表記されている為、弁護士事務所に直接お問合せのうえ確認は必須となります。

労働組合の代行は価格は3万円以下であり、団結権、団体交渉権が保障されているため会社との様々な交渉が可能ですが、法的なトラブルには対応できない事がデメリットと言えるでしょう。

民間の代行(弁護士監修と記載)は価格は安いが会社との交渉は一切できません。

また法的なトラブルにも対応できません。したがって民間企業による退職代行業者は未精算経費についての会社との交渉を行えません。

非弁行為となるためです。退職代行業者に未精算経費についての交渉をしてもらうには弁護士か労働組合による退職代行業者を選ぶ必要があります。
 

弁護士・労働組合が提供する退職代行サービスの特徴

一部の退職代行業者は弁護士や労働組合が運営しており、このような業者のサービスを利用すると、未精算の経費についての請求や交渉が可能です。

これは、一般的な民間の退職代行業者とは異なる点です。

特に、ブラック企業といわれるような企業で未払いの経費が生じている可能性がある場合、初めから弁護士や労働組合に相談することをお勧めします。

退職代行サービスは、退職手続きや経費精算のプロセスをスムーズに進行させるためのツールです。

このサービスを利用することで、従業員は自分自身が直接交渉を行うことなく、代行業者がそれを代わりに行ってくれます。

特に、弁護士や労働組合が提供する退職代行サービスは、経費精算に関するトラブルを避けるための信頼できる方法です。
 

退職代行サービスがもたらすメリット

経費精算のプロセスは複雑で、雇用者との交渉も困難な場合があります。

退職代行サービスを利用することで、これらの問題を円滑に解決し、適切な経費の建替えを実現することが可能となります。

特に、弁護士や労働組合が提供する退職代行サービスを利用することで、未払いの経費などの問題を適切に対処することが可能となります。

もしも未払いの経費が存在するという状況に直面している場合、弁護士や労働組合が提供する退職代行サービスを利用することで、それに対する適切な請求や交渉を行うことができます。

これにより、複雑な法律手続きやストレスフルな交渉を自分自身で行う必要がなくなります。

退職代行サービスを利用する人が増えている一方で、退職時の経費精算で会社と問題を抱える方も珍しくありません。

経費精算の対象は、業務活動に関連する費用に限定されますが、その範囲は場合によります。

もし会社との間で未精算の経費に関する問題が生じそうな場合でも、労働問題に詳しい弁護士や労働組合による退職代行サービスを利用すれば、円滑に対応することが可能です。

個々の状況に合わせた対応が可能であり、法律に基づいて交渉や請求を行うことができます。

退職を望むものの、さまざまな問題を抱えて退職できない方は弁護士や労働組合による退職代行に相談することをお勧めします。
 

退職代行サービスの選択

しかし、全ての退職代行サービスが同じレベルのサポートを提供しているわけではありません。

そのため、サービスを選ぶ際には、その業者が自身のニーズに合ったサービスを提供しているかどうかを確認することが重要です。

特に、経費精算に関するトラブルを避けるためには、弁護士や労働組合が提供する退職代行サービスの利用がおすすめです。

上記では退職代行サービスと経費の建て替えについて詳しく解説いたしました。

退職代行サービスを利用することにより、未精算の経費の精算・請求を行うことが可能だということが分かりました。

それでは、以下では退職代行を利用して経費精算手続きを行う際のポイントについて解説いたします。

それではみてきましょう。

 

経費精算の手続きのポイント


退職代行サービスを利用して経費精算をスムーズに行うためには、証拠の保管として経費の領収書や明細書など支出を証明する書類を保管しておくことが大切です。

建替え経費精算においては、領収書をはじめとした「何にいくら使用したか」を証明する書類が必要です。

支払いを建替えた際は必ず領収書を受け取るようにしておきましょう。

領収書を受け取って保管していても内容に不備があると承認されない場合がございます。

不備の無いよう、以下の内容が記載されているかを確認しておくことも重要です。


・領収書である旨の記載
・宛名
・金額(5万円以上の場合は収入印紙と割印も必要)
・但書
・発行元の記載・押印
・発行日付


上記では経費精算の手続きについてのポイントについて説明いたしました。

ここからは退職時の交通費(通勤手当)について詳しく説明させていただきたいと思います。

それでは以下でみていきましょう。

 

退職時の交通費(通勤手当)の精算について


交通費(通勤手当)の退職時の精算につきましては、会社の就業規則の内容によって判断する必要がございます。

下記では退職時の交通費精算について詳しくみていきましょう。
 

退職時の交通費の返金は必要かどうかについて

退職をした際の交通費精算については法律的なルールの定めはございません。

したがって、必ず支払わなければならないというわけではございません。

原則としては、会社の就業規則に従う必要があります。会社の就業規則に退職時の交通費(定期代)を返金する必要があるかどうかについての記載次第となりますので、会社の就業規則によって異なります。

また会社ごとの交通費の支給方法によっても対応が異なる場合があります。

それぞれの各状況に合わせた、適切な方法での対応が重要となります。
 

交通費(定期代)を前払いで支給されている場合

交通費(定期代)を快夫社から前払いで支給されている場合は退職時に返還する必要がございます。

会社の就業規則に有給休暇中は交通費を支給しないなどの決まりがある会社もございます。

その場合は返金が必要になってくるケースもありますので、会社の就業規則に従ってその旨を退職代行業者に伝えて対応してもらいましょう。

退職代行サービスを利用する際に、交通費や定期代について分からないことがございましたら、事前に相談されておくことをおすすめいたします。

退職時の交通費精算については就業規則に従う必要があり、退職時の交通費精算は会社が定めている就業規則が基準となるので、その就業規則の内容に従って対応する必要があります。

退職時の交通費精算のトラブルを避けるために、退職時の交通費精算に関する規則を前もって確認しておくことが重要となります。

弁護士や労働組合による退職代行業者を利用することで、退職に加えて交通費の精算や交渉などさまざまな対応が可能です。

上記では退職時の交通費精算について詳しく解説いたしました。

ここまでで退職時の未精算経費について退職代行サービスを利用することで請求することが可能だと分かり、精算を行う際のポイントについても解説してきましたが会社とのトラブルなどは本当に起こらないのでしょうか。

以下では、退職代行を利用して未精算経費の精算を行う際に起こりうるトラブルについて説明させていただきます。

 

退職代行を利用して未精算経費の精算を行う場合に起こりうるトラブルと対処法


退職代行を利用して未精算経費の精算を行う場合には、以下のようなトラブルが考えられます。
 

会社の非協力的な態度

会社が経費の精算を拒否するか、あるいは協力しない場合があります。

これは特に、経営層が交代したり、経理部門が不在だったり、内部の記録が不十分だったりするときに起こりやすいです。
 

経費の証明が難しい

経費の精算を行うためには、その経費が会社の業務に関連して発生したものであることを証明する必要があります。

しかし、領収書や明細書などの証拠がない場合や、内容が曖昧である場合、これを証明するのは難しいかもしれません。
 

時効の問題

法律上、経費の請求は時効により制限されています。

通常、請求可能な時点から5年以内に行う必要があります。

この期間を過ぎてしまうと、経費の請求ができなくなる可能性があります。
 

退職代行業者の信頼性

退職代行業者にも質の高いものから低いものまで様々あり、全ての業者が適切なサポートを提供しているわけではありません。

業者の選択を誤ると、未精算経費の精算が適切に行われない可能性があります。

民間の代行業者では未精算経費の精算の交渉を行えません。

これらの問題を避けるためには、事前に経費の記録をしっかりと保管しておくこと、信頼性の高い退職代行業者を選ぶことが重要です。

また、弁護士や労働組合に相談することで、適切なアドバイスを得ることも可能です。


上記では退職代行を利用して未精算経費の精算を行う場合に起こりうるトラブルと対処法について詳しく説明させていただきました。

それでは最後に、退職代行サービスによる建替え経費の返還請求に対しての法律上の根拠について解説いたします。

以下でみていきましょう。

 

法的根拠と請求方法


退職代行サービスによる建替え経費の返還請求には法的根拠が存在します。

社員が損失を被りながらも、会社が利益を得ている状況は、法律上「不当利得」とされ、その利益の返還を求めることが可能です。

ただし、時効の観点から、請求はその可能となった時点から5年以内に行う必要があります。

また、会社が任意に支払いに応じない場合には、訴訟を提起するなど、請求の強度を上げる手段を検討することも可能です。

請求の強度を上げる手段の検討として訴訟や少額訴訟、労働審判については下記の記事で詳しく説明させていただいております。ご参考ください。

参考:労働問題解決の選択肢としての労働審判と少額訴訟や保全手続|労働基準調査組合 (rouki.help)

 

まとめ


退職時に未精算の経費が存在する場合、その経費を会社に請求することは可能です。

退職代行サービスを活用することで、経費精算のプロセスを円滑に進行させることができます。

特に、弁護士や労働組合が提供する退職代行サービスは、トラブルを避けるための信頼できる手段です。

経費精算の手続きでは、領収書や明細書などの証拠となる書類の保管が重要です。

また、法的根拠に基づいて建替え経費の返還請求を行うことが可能であり、必要に応じて訴訟を検討することもできます。

退職時に未精算の経費がある場合、弁護士や労働組合による退職代行サービスを活用し、スムーズに問題を解決しましょう。

 
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退職代行コラム編集者

コラム編集者

労働基準調査組合執行委員長
徳野 雄一

私自身、離職率が非常に高い同族経営の会社に11年勤務し役職者でした。
私の目の届かないところで普段から自身の部下に経営陣からハラスメントが横行しており、育ては部下が退職する繰り返しの会社でした。

入社して11年目に私宛の部下の辞表に経営陣からの酷いパワハラとも取れる内容が赤裸々に綴られており、今までその事に気づかなかった自分に腹が立ちそして、会社の将来を見据え、その事を経営陣に指摘した途端に私は懲戒解雇を言い渡されました。
その後、懲戒解雇の事を調べ上げ簡単には認められない事を知り、会社側に撤回させ自主退職し今に至ります。

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