この記事の著者
谷本 祥子
労働基準調査組合の執行委員長。
自身の現場経験をもとに、退職や労働問題に悩む方へ寄り添った支援を行う。
- 退職代行を使っても迷惑をかけなければ恨まれない。
- 貸与品返却と引継ぎが円満退職の鍵となる。
- 専門家の支援で法的かつ安全に退職できる。
退職代行サービスを利用して会社を辞めると、職場の人に恨まれるのではないか。
そんな不安を抱えていませんか?
特に精神的に限界が近い状況で退職を決意する方にとって、「辞めたいけど周囲から悪く思われたらどうしよう」という思いはとても大きな悩みでしょう。
しかし、退職代行を利用したからといって必ずしも恨まれるわけではありません。
大切なのは、どういった状況で退職するか、会社にどんな影響を与えるかです。
さらに、退職代行ローキのサービス内容やよくある質問にも触れ、不安を抱えるあなたの背中を押せればと思います。
退職代行で恨まれるケースと背景
「退職代行を使って辞めたら会社から恨まれるのではないか?」と心配する方も多いですが、実際に職場が従業員を恨むのはどんな場合でしょうか。
ここでは、退職時に会社側が恨みを抱きやすいケースをいくつか例え話のストーリー形式で紹介します。
引継ぎをしないまま退職するケース
AさんはIT企業で働いていましたが、心身の不調から突然会社を辞める決意をしました。
退職代行サービスを利用して即日退職できたものの、プロジェクトの引継ぎを一切しなかったため、残された同僚たちは大混乱に陥り、Aさんに対し「何も引継ぎせず無責任だ」と怒りの感情を抱えてしまいました。
このように、引継ぎ不足で周囲に大きな負担をかけてしまうと、職場から恨まれる原因になり得ます。
社宅を片付けずに退職するケース
Bさんは地方勤務で会社の社宅に住んでいましたが、ある日限界を感じて退職を決意しました。
退職代行を通じて会社には行かず辞められたものの、社宅の自室には私物が散乱したまま。
部屋の掃除や荷物の整理をしなかったため、会社側で専門の清掃業者を手配することになり、その費用と手間に対してBさんへの不満が高まってしまいました。
このように、社宅や備品の後片付けをせずに辞めると、残された人に迷惑がかかり恨まれる可能性があります。
会社の貸与品を紛失したまま退職するケース
Cさんは営業職で、会社から支給されたスマートフォンと制服を使用していました。
しかし退職を急ぐあまり、スマートフォンをどこかに紛失していることに気づかないまま退職代行で辞めてしまいます。
退職後、会社側は貸与したスマホが回収できず困ってしまいました。
社内では「Cさんは会社の物を失くしたのに何の連絡もなく辞めた」と噂になり、結果として、会社から借りた物を返さずに退職すると信用を損ね、恨まれる要因になりかねません。
借金を残したまま退職するケース
Dさんは社内の互助制度で会社から数十万円の貸付を受けていました。
ところが、返済途中で仕事のストレスに耐えきれず退職代行を利用して退職してしまいます。
会社は毎月の給料から天引きする予定だった貸付金を回収できず損失を被りました。
上司も「最後まで責任を果たさず辞めた」と強い怒りを覚えています。
会社や同僚からの借入金を返さずに辞めると、金銭的な迷惑をかけた相手に恨まれるリスクが高まります。
社用車の破損を隠して退職するケース
Eさんは営業先への移動中に社用車をこすってしまい、車体に傷をつけてしまいました。
しかし叱責を恐れてその事実を報告できないまま、ついに退職代行を使って退職してしまいます。
後日、社用車の傷が見つかりEさんの事故だと判明。
会社は修理費の負担を巡ってEさんの責任を追及し、「なぜ正直に言わずに辞めたのか」と強い不信感と怒りを抱きました。
このように、自分の過失を隠したまま退職すると、発覚したときにより強い恨みを買う可能性があります。
資格を取らせてもらった直後に退職するケース
Fさんは勤務先の支援で専門資格を取得しました。
ところが資格取得後ほどなく、「本当にやりたい仕事が別にある」と退職を決意し、退職代行で辞めてしまいます。
会社にとって研修費や資格支援の投資が無駄になり、人事や上司は落胆しました。
「恩を受けたのにすぐ辞めるなんて」と怒りや失望の声が上がりました。
会社にとって投資した人材にすぐ辞められることは、恨みというより残念な気持ちや裏切られた印象を与えてしまいます。
以上のように、会社側が従業員に恨みを抱きやすいのは、退職に際して会社や同僚に何らかの迷惑や損失を与えてしまった場合だと言えます。
裏を返せば、退職時にできるだけ迷惑をかけず、筋を通した形で辞めることができれば、過度に恨まれることは少なくなるでしょう。
恨まれにくい退職の仕方
円満退職のための心得として「立つ鳥跡を濁さず」ということわざがあります。
退職に際し、自分が去った後に濁り(トラブルや未処理の問題)を残さないようにするという意味で、恨まれない退職をする上で肝に銘じたい言葉です。
しかし、精神的に限界の状態では「立つ鳥跡を濁さず」を完璧に実行するのは難しいかもしれません。
そこで、限界の状況でも最低限これだけは意識しておきたいポイントをお伝えします。
まず、会社に返すべき物や整理すべき私物は可能な範囲で片付けておくことが重要です。
具体的には、制服・社員証・パソコン・携帯電話など会社から貸与された物品は退職までにきちんと返却しましょう。
退職代行を利用する場合でも、後日郵送で返送する手配をするなど、紛失せず返せるよう準備しておくと安心です。
また、社宅に住んでいる方は、退職前に荷物の整理や部屋の清掃、鍵の返却まで済ませておくのが理想です。
難しい場合でも、少なくとも大型の荷物やゴミだけは処分しておくか、信頼できる友人や専門の業者に依頼して対応しておくと、会社に余計な負担をかけずに済みます。
次に、業務の引継ぎに関してできる限りの対応をすることも大切です。
といっても、精神的な負担が大きい中で上司や同僚と直接話し合うのは難しいでしょう。
そんなときは、後任者向けに簡単な引継ぎメモを書いてメールで送ったり、自分しか知らない業務情報(取引先の連絡先リストや業務手順書など)があれば紙やデータにまとめて置いたりするだけでも違います。
ほんの短いメモでも、「何も残さずにいなくなる」状態を避けることで、残った方々の負担を軽くし、恨まれる可能性を減らせます。
さらに、金銭面や感謝の気持ちも整理して伝えることができればベターです。
会社から借りているお金や立替経費がある場合は退職前に清算し、未払いの金銭トラブルを残さないようにしましょう。
また、会社に資格取得などでお世話になった直後に辞める場合には、退職代行経由で構いませんので感謝の意を伝える一言を残すと印象が大きく違います。
「お世話になりましたが家庭の事情でやむを得ず退職します。ご支援いただいたことに心から感謝しています。」
といったメッセージがあるだけでも、会社側の受け止め方はかなり柔らかくなるものです。
以上のようなポイントを押さえておけば、退職代行サービスを使ったとしても職場から過度に恨まれるリスクを下げることができます。
立つ鳥跡を濁さずの精神で、できる範囲で構いませんから身の回りと気持ちの整理をしてから退職に臨みましょう。
どうしても自分では難しいことは、退職代行サービス側に相談してみてください。
実は退職代行ローキでは、退職連絡時に有給消化の交渉をしたり、会社への貸与品返却の段取りを調整したり、社宅退去の連絡を代行したりといったサポートも行っています。
無理をしすぎずプロの手を借りながら、できる限り円満な形で次の一歩を踏み出しましょう。
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