- 会社支給の退職金は就業規則の規程どおりで退職後1〜2か月が目安
- 中退共・企業型DCは本人が請求しないと振り込まれない
- 会社への催促や交渉は労組運営の退職代行ローキにも相談可

退職して1か月たつのに、退職金が振り込まれない…



退職金って、いつ・どこから支払われるの…?
退職金がいつ振り込まれるのかは、会社の就業規則にある退職金規程と、制度のタイプで決まります。会社から直接支払われる場合は、退職後1〜2か月が目安です。一方、中退共(中小企業退職金共済)や企業型確定拠出年金は、あなた自身が請求手続きをしないと、いつまで待っても振り込まれません。
振込予定日を過ぎて、アプリの残高を何度も確かめてしまう。そんな状態のまま放置すると、時効で受け取れなくなるお金もあります。
本記事では、退職金が支払われる時期の目安と、振り込まれないときの確認手順、会社に催促しづらいときの相談先まで解説します。
※この記事は2026年8月時点の情報をもとに作成しています。
退職金はいつもらえる?会社の規程しだいで退職後1〜2か月が目安
結論からお伝えします。会社から直接支払われる退職金に、法律で決まった一律の支払期限はありません。支給時期は就業規則の退職金規程で定められており、退職した月の翌月末など、退職後1〜2か月以内としている会社が多いです。
そもそも退職金は、すべての会社にある制度ではありません。厚生労働省の令和5年就労条件総合調査によると、退職給付制度がある企業は74.9%です。まずは自社に制度があるかどうかを、就業規則で確認するところが出発点になります。なお、公務員の退職手当は法令にもとづいて支給され、退職後1か月程度で支払われるのが一般的です。
※労働基準法23条は、退職者が請求した場合に賃金を7日以内に支払うよう定めています。ただし退職金は、あらかじめ就業規則などで支給時期を定めていれば、その時期までに支払えばよいと解釈されています。
- 就業規則の退職金規程(支給時期・計算方法・支給要件)
- 雇用契約書・労働条件通知書の退職金の記載
- 不明なら人事・総務へメールなど記録が残る形で確認



まずは就業規則の退職金規程です。支給時期まで書いてあることが多いですよ。
中退共・企業型DCは「待っていても振り込まれない」
中退共や企業型確定拠出年金(企業型DC)からの退職金は、会社ではなく外部の機関から支払われます。そして、どちらもあなた自身の請求手続きが必要です。会社を辞めただけでは、振込は始まりません。
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| 制度のタイプ | 支払元 | 請求する人 | 振込までの目安 | 主な注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 会社の退職金制度 | 会社 | 原則不要(規程どおり) | 退職後1〜2か月 | 支給時期は就業規則で確認 |
| 中退共 | 中退共本部から本人へ | 退職者本人 | 請求受付から1か月〜2か月半 | 請求しないと支払われない。時効5年 |
| 企業型DC | 運営管理機関 | 本人(移換・受取手続き) | 手続きから1〜2か月程度 | 退職後6か月放置で自動移換 |
※期間は目安です。詳しい手続きは中退共や各運営管理機関の案内をご確認ください。
退職金は「どこから」「誰の請求で」支払われるかが制度によって変わるため、最初に自分の会社の制度タイプを確認することが大切です。
中退共の場合、退職金は中退共本部からあなたの口座へ直接振り込まれます。会社から退職金共済手帳を受け取り、請求書を中退共本部へ送る流れです。書類に不備がなければ、受付から1か月〜2か月半程度で支払われます。請求できる期間は退職した日から5年間で、過ぎると時効により受け取れなくなります。
企業型DCは、60歳前に退職した場合、iDeCoや転職先の制度へ資産を移す手続きが原則必要です。退職の翌月から6か月以内に手続きをしないと、資産は国民年金基金連合会へ自動的に移されます。
- 自動移換されると運用が止まり、手数料計4,348円が差し引かれる
- その後も毎月52円の管理手数料で資産が目減りしていく
- 自動移換中は加入期間に数えられず、受取開始が遅れる場合がある



請求先が会社ではないこともあります。制度のタイプ確認が何より先ですよ。
退職金が振り込まれないときの確認手順
振り込まれない原因の多くは、支給時期がまだ来ていないか、請求手続きが止まっているかのどちらかです。次の順番で確認すると、原因をほぼ特定できます。
- 就業規則の退職金規程で、支給時期と支給要件を確認する
- 制度のタイプ(会社支給・中退共・企業型DCなど)を確認する
- 中退共・企業型DCなら、請求書類の提出漏れや不備がないか確認する
- 会社支給なら、人事・総務へ記録が残る形で支払時期を確認する
- 回答がない・支払われないなら、書面での正式な請求に切り替える
- 規程上の支給時期がまだ先(翌々月末払いなど)
- 中退共・企業型DCの請求書類が未提出または不備
- 会社側の手続きが止まっている(共済手帳の未交付など)
なお、受け取りの際に「退職所得の受給に関する申告書」を提出していないと、税金がいったん多めに源泉徴収される場合があります。その場合も確定申告で精算できますので、金額が想定より少ないときは税金の控えも確認してみてください。



順番に確認すれば原因はほぼ特定できます。あわてなくて大丈夫ですよ。
確認しても支払われないときの請求方法と相談先
規程どおりの支給時期を過ぎても支払われない場合は、正式な請求に進みます。退職金の請求権には時効があるため、放置がいちばん危険です。
まずは内容証明郵便などで、支払いを求める意思と期限を書面に残します。それでも支払われない場合は、労働基準監督署や総合労働相談コーナーに相談できます。
※退職金(退職手当)の請求権は5年で時効になります(労働基準法115条)。
会社が倒産して支払えない場合は、国の未払賃金立替払制度があります。未払いの賃金や退職金の8割(年齢に応じた上限あり)について立替払いを受けられる制度で、労働基準監督署が窓口です。
- 退職金規程の写しと雇用契約書・労働条件通知書
- 催促のメールと会社からの回答の記録
- 内容証明の控えと配達の記録



記録を残しながら進めるのが大切です。ひとりで抱え込まないでくださいね。
会社に催促しづらいときは労働組合という選択肢もある
実際の相談現場では、「辞めた会社に自分から催促の連絡をしたくない」という声がとても多いです。在職中のわだかまりがあると、退職金の話はどうしても切り出しにくくなります。
先にお伝えすると、会社が支払いを明確に拒否していて、裁判までを見すえる場合は、弁護士への依頼が適しています。労働組合は会社と交渉する権限を持ちますが、訴訟の代理はできないためです。
一方、これから退職する方であれば、労働組合が運営する退職代行という方法があります。労働組合は、組合員のために会社と交渉する権限を持っています。退職の意思を伝えるのと同時に、退職金や未払い給与の支払いを申し入れられるのが強みです。
※団体交渉権は憲法28条で保障され、労働組合法が交渉の仕組みを定めています。
退職代行ローキは、労働委員会の資格審査を経た労働組合「労働基準調査組合」が運営しています。退職の意思伝達とあわせて、有給休暇の消化や、未払い給与・退職金の支払い申し入れまで、19,800円(税込)で対応します。追加料金は原則かかりません。※料金は組合加入費2,800円と組合費17,000円の合計です。後払い手数料などは別になります。
- 有給休暇の消化の交渉
- 未払い給与・残業代の支払いの申し入れ
- 退職金の支払いの申し入れ
退職したことを理由に会社から損害賠償請求や懲戒解雇処分を受けた場合は、顧問弁護士が追加料金なしで撤回交渉に対応します。ただし、退職とは無関係な請求や、故意による損害はサービスの対象外です。
退職代行を使うと退職金がどうなるか不安な方は、退職代行を使うと退職金はもらえない?退職金をもらえる辞め方についてもあわせてお読みください。



これから退職するなら、退職金の申し入れまで一度にすませると負担が少ないですよ。
退職金の支払いに関するよくある質問(FAQ)
退職金はいつ振り込まれますか?
会社から直接支払われる場合は、就業規則の退職金規程で定めた時期で、退職後1〜2か月が目安です。中退共は請求書の受付から1か月〜2か月半程度、企業型確定拠出年金は手続きから1〜2か月程度かかります。
退職金の請求に期限はありますか?
あります。退職金(退職手当)の請求権は、労働基準法115条により5年で時効になります。中退共の退職金も、退職した日から5年を過ぎると請求できなくなります。
退職代行を使うと退職金はもらえなくなりますか?
退職金規定があり、支給要件を満たす場合、支払われないケースはほとんどありません。ただし、会社への借金や、業務中の交通事故などで会社に損害を与えた場合は除きます。
会社が倒産して退職金が支払われないときはどうなりますか?
国の未払賃金立替払制度により、未払いの賃金や退職金の8割(年齢に応じた上限あり)の立替払いを受けられる場合があります。窓口は労働基準監督署です。
まとめ|退職金は「規程」と「制度のタイプ」の確認から
退職金がいつもらえるかは、就業規則の退職金規程と制度のタイプで決まります。会社支給なら退職後1〜2か月が目安です。中退共や企業型DCは、自分で請求しないと振り込まれません。振り込まれないときは、規程・制度・書類・会社への確認の順にたどれば、原因はほぼ特定できます。
大切なのは、自分をすり減らさずに受け取りきることです。辞めた会社への催促を続ける負担が大きいなら、相談窓口や労働組合など、間に入ってくれる仕組みに頼ってかまいません。退職前後のお金の全体像は、退職前に調べておきたい退職に関するお金の知識で整理しています。
これから退職する方は、退職の連絡と同時に退職金や有給の申し入れまでまとめて進めるのが、いちばん負担の少ない方法です。退職代行ローキは、労働組合として退職金の支払い申し入れまで対応します。LINEで24時間無料相談を受け付けています。



退職金はあなたが働いてきた対価です。受け取りまで気を抜かずにいきましょう。
退職金のことも含めて、まずはLINEで状況をお聞かせください。
退職代行ローキは労働組合として会社と直接交渉します。
料金は19,800円(税込)で、相談は無料です。
参考情報・出典
・中退共「退職金請求手続きの流れについて」
・中退共Q&A「退職金請求から支払いまでの流れ」
・中退共Q&A「退職金の請求期限」
・厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」
・厚生労働省「未払賃金立替払制度の概要と実績」
・e-Gov法令検索「労働基準法」(23条・115条)
・特定運営管理機関「自動移換に関するよくあるお問い合わせ」
執筆者


労働基準調査組合 執行委員長
谷本 祥子
私は飲食店勤務やメーカー代理店勤務など、さまざまな仕事を経験してきました。メーカー代理店では、商品販売の営業職として働いていました。現場では長時間労働や無理なノルマ強要が当たり前で、私も同僚たちも皆疲弊しきっていました。従業員たちが「辞めたい」と申し出ても、会社は「後任が見つかるまで待て」とか「引き継ぎが終わるまでダメだ」と拒み続け、退職を認めませんでした。中には精神的に追い詰められて鬱病になり、ある日突然来なくなってしまう同僚もいました。
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私自身も会社の方針に疑問を感じ、労働環境の改善を上層部に提案しましたが、全く聞き入れてもらえませんでした。それどころか「部下をもっと厳しく指導しろ」と圧力をかけられる始末でした。私も心身ともに不調をきたしたため、退職を申し出ましたが、やはり引き止められ、なかなか辞めることができませんでした。
最終的に、労働問題に明るい仲間達の力を借りて退職することができました。この経験から「働く人たちがもっと気軽に、安心して退職できる仕組みが必要だ」と痛感しました。このような辛い経験をした自分だからこそ、労働者の立場に立って支援したいと考え、現在は労働基準調査組合の執行委員長として活動しています。
同じように悩み苦しむ方々が孤立せず、労働現場で生じるあらゆる労働問題に真摯に向き合い、実効性ある労働法に則った支援を行ってまいります。


