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退職すると人員不足で業務が回らないのですが責任を取らなければいけませんか?

2026 6/30
退職代行
2023年4月28日2026年6月30日
谷本 祥子

この記事の著者

谷本 祥子

労働基準調査組合の執行委員長。
自身の現場経験をもとに、退職や労働問題に悩む方へ寄り添った支援を行う。

💡 サクッと結論
  • 人員不足は経営者の責任であり、退職者に一切の責任はない
  • 人員不足でも従業員は、法律的に退職の自由と有給取得が認められている
  • 退職者は人員不足に対し直接責任を負わないが、円滑な業務継続のため会社に協力するのが望ましい

会社を辞めることを検討されている方の中で、

「今の会社が人員不足だから自分が辞めることで仕事の業務が回らなくなってしまうのではないか」

「人が今まで何人も辞めている職場なので、自分まで辞めてしまうと残った人に迷惑をかけてしまうのではないか」

「今の仕事を終わらせなければ退職を認めないと社長に言われたが本当に辞められないのか」

など不安に思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

退職によって会社が人手不足に陥り業務が回らなくなることが懸念される場合、退職者が責任を負う必要があるのか、また適切な対応策について詳しく説明いたします

。

当組合にも上記のようなご相談をたくさんいただくのですが、このようなご相談をされる方は真面目で責任感が強い方が多いように思います。

下記ではそのような方の特徴と人手不足で会社が回らなくなる原因は誰が作ったのかについて説明いたします。

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目次

人員不足で会社が回らなくなる状態を作ったのは誰か

そもそも人員不足で会社が回らなくなる状態を作ったのは誰なのでしょうか。

人手が足りていないということは前から会社内の人間は分かっている状況なのではないでしょうか。

では、その人員不足の状態のときに人員を増やしたり、何人必要だから何人雇用しようと計画をすることの責任は退職者にあるのでしょうか。

経営者ではないが、人員を増やす提案が可能であったり、募集をかけて人を雇用するような仕事のポジションの方もいらっしゃるとは思いますが、

最終的な判断を行うのは経営者

です。

ですから、今の現状でたった1人が会社を辞めることで、その会社で業務が回らなくなり破綻してしまうかもしれないという状態を容認しているのは経営者なのです。

退職者の責任範囲

まず、退職することで会社が人手不足になる場合、従業員は自分の退職手続きや業務引継ぎに関する責任を最低限は果たした方がよいと思われます。

しかし、退職後の会社の人手不足や業務遂行については従業員が直接的な責任を負うことはありません。

それはなぜかと言いますと、会社が人事管理に対する責任を持っているからです。

会社は従業員の採用や配置、教育などを適切に行い、組織の持続可能な運営を目指すべきです。

したがって、

人手不足の状況は経営者の責任であり従業員がその責任を負う必要はありません

。

退職者は退職の意思を早めに伝えることで、会社に対策を立てる時間を与えることができます。

退職代行業者に引き継ぎの仲介を任せられる

弁護士や労働組合が運営する退職代行であれば、自分と会社とのやりとりを仲介してもらうことができます。

メモに残しておくなど、簡易的な引き継ぎ書を作成すれば、直接会社とのやりとりをせず、退職代行業者に提出を任せることができるため、退職時のトラブル回避につながります。

また、業務の引継ぎを退職代行業者に仲介してもらって行うことで後任者がスムーズに業務を継続できるようにサポートすることが可能です。

責任感のある方ほど深刻に悩む

上記のようなご相談をされる方は本当に真面目で、真面目だからこそ気苦労をされていると思います。

このような責任感がある方は、会社にとって本当にありがたい存在だと思います。

しかし、このありがたさを分かっていない会社も存在します。

そのようなありがたさを分かっていない会社からは、すぐに離れた方がよいのではないでしょうか。

責任感がある方ほど深刻に悩まれていることが多いように感じます

。

しかし、責任感がある方ほど会社からは必要とされます。

矛盾しているのですが会社への貢献度が高い方ほど退職しづらいと思われます。

そのような場合にこそ第三者である退職代行業者が退職の代理を行うことで、その方が双方にとっても良いことだと私たちはたくさんの退職を代理して行ってきて思うのです。

しかし、

それが原因で体を壊してしまい働くことが出来なくなってからでは取り返しがつかないのではないでしょうか

。

もちろんあなたの人生ですからどのような選択をされようがあなたの自由です。

しかし、数年後の自分を想像したときにこのまま今の会社で仕事を続けるのか、新しい会社で新たな仕事をしているのかどちらがあなたにとって幸せなのでしょうか。

今よりも良い環境を望まれるのであれば、あなたご自身が決断をする必要があります。

  • 毎日のように長時間の残業がある
  • 一人当たりの仕事量が多い
  • 有給がとれない

など、劣悪な環境での労働を強いている会社の場合、心に余裕がなくなる前に退職という選択肢を選んだ方がよいでしょう。

「自分が辞めることで会社に迷惑がかかる」と責任感を感じる方もいるかもしれませんが、人員不足は会社側の責任であるため、決してあなたが責任を感じる必要はないのです。

今はご自身が会社を辞めることで周りの方に大変な思いをさせてしまうのではないかと思い悩まれているかもしれませんが、ではそもそも人員不足で会社の業務が回らなくなる状態になっている原因を作ったのは一体誰なのでしょうか。

以下では上記の点について述べていきたいと思います。それではみていきましょう。

人員不足は明らかなのに人を増やさない理由

人員不足なのに会社が新規の人材を増やさない理由

  • 人件費を削減するため
  • 会社の経営が苦しく、新たに人を雇う金銭の余裕がない
  • 社内の人的リソースに余裕がなく、新人を育てられない
  • 人手不足によって現場が疲弊していても、経営者や役員が実際の労働状況を把握していない
  • 求人を出しても人が集まらない
  • 人材の定着率が悪く募集したがらない

人手不足が会社内で明らかな状況であるにも関わらず、

なぜ経営者は積極的に人員を増やさないのでしょうか

。

求人募集を出しても応募が少ないケースもあるでしょうが、そうでない場合、敢えて人員を増やさない現状が続いています。

これは、

経営者が人件費の増加を抑えたいため、人手不足を理解しながらもそのままにしているのです

。

もちろん、業績や売上により、人件費を増やすと経営が立ち行かなくなる会社も存在します。しかし、そうした状況を作り出したのは経営者です。

経営者は、人件費以外の経費削減や顧客・取引先の拡大、新しい事業への展開など、さまざまな工夫で利益を確保する責任があります。

また、売れ筋商品を選び、売れない商品を排除することも大切です。これらの取り組みを実行し、成功させるのは経営者の役割です。

従業員からの提案やアイデアがあっても、実行するかどうかは経営者の判断にかかっています。

したがって、求人募集をかけても人が集まらない魅力に欠ける会社は、最終的に経営者の責任です。

従業員として、あなたが働く会社が人が集まらず、また人がどんどん辞めていくような会社であれば、その経営者は努力が足りていないと言えます。

一生懸命やっているかどうかは問題ではありません。手を抜いていても、魅力的な会社で人が集まるなら、その経営者は優秀だと言えます。

しかし、一生懸命やっていても結果が出ない場合、その経営者は能力不足や努力不足であると言わざるを得ません。これらのことを従業員であるあなたが悩む必要はありません。

以上のように、

会社を辞めた後の人員不足の問題について退職者は一切責任を負う必要はございません

。

人手不足に対する企業の対応策

企業は退職者による人手不足が発生した際に、以下の4つの対策を検討するべきです。

適切な人員配置とスケジュール調整

これにより従業員が効率的に働けるようになり、人手不足の影響を最小限に抑えることができます。

企業は従業員のスキルや適性を考慮し、適切なポジションに配置することが必要です

。

また労働時間や休日の調整も行い、従業員の働きやすさを向上させるべきです。

新たな人材の採用や育成

企業は優秀な人材を見つけるために効果的な求人広告を出したり、選考プロセスを改善することが求められます。

また

新人研修やスキルアップ研修などを実施し、従業員の能力を向上させることも大切です

。

業務効率化の推進

企業は業務プロセスを見直し無駄な手順を削減したりITツールを活用したりすることで、効率を向上させるべきです。

これにより従業員が負担を減らし人手不足の問題を緩和することができます。

残業の適切な管理と労働時間の見直し

以上の4つの対策を実施することで

企業は人手不足の問題に適切に対応し、従業員の満足度や生産性を向上させることができます

。

それにより企業の競争力が強化され、長期的な経営の安定化につながります。

それによって人員不足の解消にもつながっていくことでしょう。

冒頭でも申し上げましたが、どうしても責任感のある真面目な方は退職することで迷惑をかけてしまうのではないかと思ってしまう傾向があります。

しかしそれは誤解であり、人手不足は退職者に一切の責任はございません。

退職者の責任に関する一般的な誤解

前述でも述べましたが、退職者が人手不足の責任を負うべきではない理由は、企業側(経営者)が人事管理に対する責任を持っているからです。

人員に関する組織運営のポイントは以下となります。

  • 企業は、従業員の採用、配置、教育などを適切に行い、組織の持続可能な運営を図るべき
  • そもそも1人退職することで、会社が回らなくなるなどのギリギリの状態自体が間違い
  • 従業員は病気になる可能性もあれば精神的につらくて休むこともある
  • 今日は働くことが可能でも明日も働けるかどうかは分かりらない

人員がギリギリの状態で会社を経営していますという経営者は、従業員が明日休むことにより今日も5人で回してギリギリの仕事内容を明日は4人で行わなければいけない可能性もございます。

1人減って4人だと回らないような業務の仕方や仕事の仕方を行っているのであれば、これらは全て経営者の責任になるのです。

こうした慢性的な人手不足問題のある会社で無理をして働いていると、体力的にも精神的にも大きな負担がかかり、心身ともに疲弊してしまいます。

有給休暇の付与は「労働基準法」で守られている労働者の権利ですが、正当な理由なく従業員の有給休暇取得申請を拒否することは労働基準法違反です。

退職代行を利用する場合も、有給休暇を消化することは何も問題ありません。

【有給休暇に関して】

  • 有給休暇は会社で働き始めて半年経ったら8割以上出勤していれば原則10日発生する
  • 1年間で10日休めることは、ひと月に約1日休むことが可能ということ
  • つまり4週間に1回は休みであり、週休2日の会社だったら月に1回は週休3日になるということ
  • 6年半以上勤めているとそれ以降毎年20日の有給休暇が発生する
  • 1年間で20日休めるということは、ひと月に約2日休むことが可能ということ

(下記URL年次有給休暇付与日数を参照ください)

そうすると、6年半以上勤務している従業員が10人以上いる会社であれば毎日必ず誰か1人は有給休暇で休んでいるということに計算上はなります。

病気やケガで欠勤する従業員も出てくるかもしれません。

そうすれば、

今いる従業員でギリギリでしか回せないという会社はそもそも会社として問題ありです

。

この時点で、会社を回していくには有給休暇を使わせない、病気でも休ませないという違法な行為を行わざるを得ない経営状況の会社は果たしてまともな会社なのでしょうか。

それは、経営者の能力がないからとしか言いようがありません。

参照:

年次有給休暇付与日数

退職者が人手不足に対処する方法

退職者は、以下の方法で人手不足に対処することができます。

退職の意思表示と事前の相談

退職代行を利用して退職の意思を早めに伝えることで、企業側が対策を講じる時間を与えることが可能である。

引継ぎ業務のサポート

後任者への業務の引継ぎを退職代行業者による仲介で丁寧に行い、円滑な業務継続をサポートすることが可能である。

コミュニケーションの維持

退職者が可能であれば、退職後も適切な範囲で元同僚とコミュニケーションを維持し必要に応じてアドバイスやサポートを提供する。

上記のように、

最低限可能な範囲で人手不足に対処することでスムーズに円満退職を実現することが期待できるでしょう

。

まとめ

退職者は、退職手続きや引継ぎ業務における最低限の責任を果たすことが求められますが、退職後の会社の人手不足や業務遂行に直接的な責任を負うことはありません。

企業側は人事管理に対する責任があり、適切な対策を講じることが重要です

。

退職者も、上記の方法で人手不足に対処し、円滑な業務継続に貢献することができます。

退職による人手不足は、企業にとって重要な課題であり、適切な対応が必要です。

しかし、退職者は直接的な責任を負わないものの、円滑な業務継続のために協力することが望ましいです。

企業は、退職者と共に対策を講じ、組織の持続可能性を保つことが求められます。

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この記事を書いた人

谷本 祥子のアバター 谷本 祥子

執行委員長の谷本祥子です。アパレル・エステ業界での勤務を経て、自身も理不尽な退職引き止めや労働軽視の現実に直面し、強い危機感を抱いたことが活動の原点です。「一人で苦しむ労働者をなくしたい」という一心で、退職代行やハラスメント相談、未払い賃金の交渉など、労働問題に真摯に向き合い、労働法に基づいた実効性のある支援で働く人を守ります。

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