- 物を投げる・怒鳴るは、当たらなくても身体的攻撃型のパワハラ
- 加害者が経営者本人なら、相談先は社内ではなく社外に置く
- 免許費用や貸与品で揉めそうでも、組合が間に入れば会社と話さず辞められる

オーナーに怒鳴られて、もうタクシーを辞めたい…



社長が加害者なのに、誰に相談すればいいの?
2026年9月2日、タクシー大手の東京エムケイが記者会見を開き、オーナーが営業所で従業員を怒鳴りつけ、パイプ椅子などを投げた行為を認めて謝罪したと報じられています。点呼室で朝一番に起きた出来事だったとされ、同じ業界で働く方の中には、乗務前の空気を思い出して背中がこわばった方もいるはずです。
タクシー運転手を辞めたいと考える理由は、歩合給の不安定さや長時間の隔日勤務など人それぞれです。ただ、今回のように加害者が会社のトップ本人である場合、社内の相談窓口は事実上使えません。この記事では、物を投げる行為がパワハラとして扱われる根拠、経営者が加害者のときの相談先、証拠の残し方、そしてタクシー会社を辞めるときに揉めやすいお金の話までを、労働組合の立場から解説します。
※この記事は2026年9月時点の情報をもとに作成しています。
何が起きたのか|タクシー大手のオーナーが点呼室で椅子を投げ、社長が謝罪会見
報道によると、出来事が起きたのは2026年8月13日の早朝、東京都港区にある営業所の点呼室です。オーナーが従業員に英語のテストを行い、答えられなかった従業員に対して大声で怒鳴り、パイプ椅子や紙コップなどを投げつけたとされています。投げた物は従業員には当たらず、けが人は出なかったと報じられています。
週刊誌の報道を受けて、9月2日に代表取締役社長が会見を開き、「社主が従業員に対して大声で怒鳴る、椅子を投げるなどの行為に及んだ事実を確認している」「許されることではない」と説明しました。あわせて、オーナーの営業所への立ち入りを禁止し、再び同じことがあれば警察を呼ぶと述べたと伝えられています。翌9月3日には、グループの持株会社も「当該行為を受けた従業員と、その場に居合わせた従業員に多大な苦痛と精神的負担を与えた」として謝罪し、相談・通報体制の整備とハラスメント防止教育の徹底を表明しました。
この出来事が業界の外にまで広がった理由は、加害者が一従業員ではなく会社のオーナー本人だった点にあります。社長は会見で、オーナーは実の弟であり「これでは会社が潰れる」と大げんかになったと述べたと報じられています。同族経営の会社では、トップの行動を社内で止める仕組みが働きにくいのが実情です。
- 8月13日早朝、営業所の点呼室でオーナーが従業員を怒鳴り、椅子などを投げた
- 9月2日、社長が会見で事実を認めて謝罪し、オーナーの立ち入り禁止を表明
- 9月3日、グループ持株会社も謝罪し、相談・通報体制の整備を公表



会社が事実を認めた点は大きいですが、辞めたい人の不安が消えるわけではありません。
物を投げる・怒鳴るはパワハラになる?けががなくても違法なのか
結論から言うと、物を投げる行為は、相手に当たらなくてもパワハラに当たります。厚生労働省は職場のパワーハラスメントを6つの類型に整理しており、物を投げる、机を叩く、胸ぐらをつかむといった行為は「身体的な攻撃」の典型例です。大声で怒鳴る、人格を否定する言葉を浴びせる行為は「精神的な攻撃」に当たります。
パワハラの6類型のどれに当たる?
| 類型 | タクシー会社で起きやすい例 |
|---|---|
| 身体的な攻撃 | 椅子や物を投げる、机を叩く、体を押す |
| 精神的な攻撃 | 点呼室で皆の前で怒鳴る、売上を理由に人格を否定する |
| 人間関係からの切り離し | 無線や配車から外す、待機室で無視する |
| 過大な要求 | 達成不可能な売上ノルマ、休憩なしの乗務強要 |
| 過小な要求 | 乗務を外して洗車だけをさせ続ける |
| 個の侵害 | 私生活や家族のことをしつこく詮索する |
出典:厚生労働省「あかるい職場応援団」ハラスメントの類型と種類をもとに作成。
パワハラの定義は、優越的な関係を背景にした言動で、業務上必要な範囲を超え、働く人の就業環境を害するものです。オーナーと従業員の関係は優越的な関係そのものであり、英語が話せないことを理由に物を投げる行為が業務上必要な指導の範囲に入る余地はありません。
けががなくても法的な責任は生じる?
生じます。物を投げつける行為は、当たらなくても刑法の暴行罪に問われ得る行為です。暴行罪は「人の身体に向けた不法な有形力の行使」とされており、けがをさせたかどうかは要件ではありません。会社側にも、働く人の安全と健康に配慮する義務(安全配慮義務)があり、パワハラ防止法によって相談窓口の設置や再発防止の措置が義務づけられています。
パワハラの定義や具体例は、パワハラの定義は?パワハラに当てはまる例を紹介で詳しく整理しています。裁判で「パワハラとは認定されなかったが会社の責任は認められた」事例は、パワハラが認定されないのはなぜ?それでも会社の責任を認めた5,600万円判決と、限界が来る前にできることで解説しています。



「当たらなかったからセーフ」ではありません。投げた時点でアウトです。
加害者が経営者本人だと、なぜ社内の相談窓口は機能しないのか
社内の相談窓口は、最終的に経営者に報告が上がる仕組みだからです。人事や総務が窓口になっていても、その人たちの人事権を握っているのは経営者本人です。相談した内容が加害者に筒抜けになるおそれがあり、相談した側が「協調性がない」と評価されて配車や勤務で不利益を受ける構図が生まれやすくなります。
私たちの相談現場でも、同族経営や中小のタクシー会社で「社長に言えるわけがない」「営業所長も見て見ぬふりをしている」という声は珍しくありません。今回の報道でも、社長は会見で、実の弟であるオーナーと大げんかをして反省を促したと説明したとされています。トップに近い人が注意しても止まらなかったものを、一乗務員が社内で止めるのは現実的ではありません。
「辞めた人が続いている」は会社の危険信号
報道では、当該営業所で8月だけで複数名が離職したと関係者が語ったとされています。パワハラが常態化した職場では、声を上げる人よりも黙って辞める人のほうが多くなります。周りが次々と辞めているなら、それはあなたの我慢が足りないのではなく、職場のほうに問題があるサインです。
- 経営者本人の行為を、その経営者が任命した社内窓口にだけ相談する
- 「うちの業界はこんなもの」と自分に言い聞かせて我慢を続ける
- 言い返して感情的な口論になり、こちらが「反抗的」と記録される
- 証拠を残さないまま辞めてしまい、後から何も主張できなくなる



窓口の先にいるのが加害者本人なら、相談先は最初から外に置いてください。
パワハラの証拠はどう残す?タクシー会社ならではの記録の集め方
証拠は「日時・場所・誰が・何をしたか・誰が見ていたか」の5点を、その日のうちに書き残すことから始まります。タクシー会社には、他の職場にはない記録が多くあります。点呼は法令で記録が義務づけられており、営業所には点呼記録簿や運行記録があります。車内のドライブレコーダーは、営業所の敷地内で乗降時に起きた出来事を音声ごと記録していることがあります。
自分で用意できる証拠と、会社が持っている証拠
| 証拠 | 残し方のコツ |
|---|---|
| 日時つきのメモ | スマホのメモやLINEの自分宛て送信で、当日中に記録する(送信時刻が残る) |
| 録音 | 点呼室や事務所での会話を自分のスマホで録る。自分が当事者の会話の録音は原則として違法ではない |
| 同僚の証言 | その場にいた乗務員の名前を控える。後で「見ていた」と言ってもらえるだけで違う |
| ドラレコ・点呼記録 | 会社側の保管物。自分で持ち出さず、存在する日時を控えておき、後で組合や弁護士から開示を求める |
| 診断書・受診記録 | 眠れない、動悸がするなどの症状が出たら心療内科を受診し、経緯を医師に伝える |
会社の記録を無断でコピーして持ち出すと、逆に就業規則違反を問われる材料になります。会社が持っている証拠は「いつのどの記録に残っているはずか」を控えておき、労働組合や弁護士を通じて開示を求めるのが安全です。証拠集めの詳しい方法は、パワハラの証拠の集め方のポイントを詳しく解説にまとめています。
証拠の目的は裁判だけではありません。退職の交渉や離職理由の認定で「事実がある」と示せるだけで、話の進み方が変わります。完璧である必要はなく、日時つきのメモが数件あるだけでも出発点になります。



点呼室の出来事は、意外なほど多くの記録に残っています。持ち出さず、控えておいてください。
社外の相談先はどこ?窓口ごとにできることが違います
相談先は目的で選びます。「会社に指導してほしい」「辞めたい」「お金を取り戻したい」「身の危険がある」では、動く窓口が違います。まず無料で使える公的窓口として、各都道府県労働局の総合労働相談コーナーがあります。パワハラの相談を受けており、労働局が会社に助言・指導を行う制度もあります。
| 相談先 | 向いている場面 |
|---|---|
| 総合労働相談コーナー(労働局) | パワハラ全般の相談。会社への助言・指導、あっせんの申請 |
| 労働基準監督署 | 残業代不払い・最低賃金割れ・休憩なしなど、労働基準法違反の申告 |
| 警察 | 物を投げられた、体をつかまれた、脅されたなど身の危険がある場合 |
| 労働組合 | 会社と交渉してほしい、会社と直接話さずに辞めたい、未払いを請求したい |
| 弁護士 | 慰謝料請求や訴訟まで見据える場合 |
労働基準監督署はパワハラそのものを取り締まる機関ではありませんが、タクシー会社では歩合給の計算や休憩時間、最低賃金の保障といった労働基準法の問題が同時に起きていることが多く、その部分は申告の対象になります。全国の労働局・監督署の所在地は厚生労働省の所在地一覧から探せます。夜間や休日に相談したい場合は労働条件相談ほっとラインも使えます。
- 出来事の日時・場所・内容を時系列にしたメモ
- 雇用契約書・就業規則・給与明細(歩合率や控除の確認用)
- 自分が会社に何を望むか(指導してほしい/辞めたい/お金を取り戻したい)



「どこに相談するか」は「自分がどうしたいか」で決まります。先に望みを決めてください。
タクシー運転手を辞めたいときに揉めやすい3つのお金
パワハラで辞めたいのに一歩を踏み出せない理由の多くは、退職時に会社から請求されそうなお金の不安です。タクシー会社で揉めやすいのは、二種免許の取得費用、事故や売上に関する自己負担、貸与品と精算の3つです。結論を先に言うと、退職を理由に一方的に請求できるお金は限られており、辞めること自体を止められるものではありません。
二種免許の取得費用は返さないといけない?
「入社から○年以内に辞めたら免許費用を全額返還」という取り決めは、労働基準法16条が禁じる「賠償予定」に当たる可能性があり、そのままの形では無効とされることが多い取り決めです。会社が業務に必要な資格として取得させた費用は、本来は会社が負担すべき業務上の費用だからです。ただし、本人の希望による貸付として契約書が交わされ、返済の免除条件が明確な場合には、貸付の返済が求められるケースもあります。
判断の分かれ目は「業務命令として取らされたのか」「本人の自由な希望で借りたのか」です。詳しい条件と、給料から天引きされたときの対処法は研修費を返せは拒否できる?労基法16条で無効になる条件と天引きされたときの対処法で解説しています。
事故の修理代や売上不足を給料から引かれるのは適法?
会社が一方的に給料から差し引くことは、労働基準法24条の全額払いの原則に反します。事故の損害を働く人に負担させる場合でも、裁判では会社の指揮下で起きた業務中の事故について、本人の負担は損害の一部にとどまるという考え方が定着しています。「売上が足りない分を自腹で補う」よう求められた場合も、最低賃金を下回る形の給与体系は認められません。
制服や乗務員証、売上金の精算はどうする?
制服・乗務員証・タブレットなどの貸与品は返却が必要ですが、直接手渡しする義務はありません。到着の記録が残る方法で郵送すれば足ります。営業所に置いてくる場合は、置いた場所と物を写真に残しておくと後の言い争いを防げます。売上金の精算が残っている場合も、明細を出してもらったうえで書面でやり取りするのが安全です。
- 期間の定めがない雇用なら、申し出から2週間で退職できる(民法627条)
- 就業規則に「退職は1か月前」とあっても、法律のほうが優先される
- 残っている有給休暇は歩合給でも取得でき、退職日までに消化できる
- 未払いの残業代や深夜手当は、退職後でも3年分までさかのぼって請求できる



お金の不安は「辞められない理由」ではなく「交渉で片づける項目」です。
オーナーと顔を合わせずに辞めたいなら、労働組合が間に入れます
先にお伝えすると、パワハラによる慰謝料の請求や、会社を相手にした裁判まで考えている場合は、弁護士への相談が適切です。労働組合には訴訟の代理はできません。また、個人タクシーなど個人事業主として働いている方は労働組合に加入できないため、対象外になります。そのうえで、「これ以上あの人と顔を合わせたくない」「会社と直接話さずに辞めたい」という方には、労働組合が運営する退職代行が現実的な選択肢になります。
退職代行ローキは、労働委員会の資格審査を経た合同労働組合「労働基準調査組合」が運営しています。労働組合には会社と交渉する権限があるため、退職の意思を伝えるだけの民間業者と違い、退職日の調整、有給休暇の消化、未払い残業代や深夜手当の請求、二種免許費用の返還要求への反論まで、あなたに代わって会社とやり取りします(※)。会社からあなたや家族へ直接連絡しないよう、電話と書面で通知することも組合の仕事です。
料金は19,800円(税込)で、内訳は組合加入費2,800円と組合費17,000円です。追加料金は原則かかりません(※振込手数料や後払い手数料を除きます)。退職したことを理由に会社から損害賠償を請求されたり、懲戒解雇にされたりした場合は、顧問弁護士が追加料金なしで撤回を求めます。ただし、故意による損害や横領など、退職とは無関係な請求は対象外です。相談はLINEで24時間受け付けており、状況によっては翌日から出社しない形も目指せます。
- 労働組合の交渉権で退職日・有給消化・未払い賃金を交渉
- 19,800円(税込)のみ。追加料金は原則不要
- 退職に対する損害賠償請求・懲戒解雇には弁護士が追加料金なしで対応
- 退職書類が届くまで1年間サポート。次の仕事は提携先のキャリアバディに相談できる
パワハラを理由に退職代行を使うときの注意点は、パワハラを理由に退職代行は利用できる?注意点や業者を使うメリットを解説で詳しく説明しています。



相手が経営者だからこそ、個人ではなく組合として向き合う意味があります。
よくある質問(FAQ)
オーナーに怒鳴られ物を投げられましたが、けがはありません。パワハラになりますか?
なります。物を投げる行為は厚生労働省の6類型のうち「身体的な攻撃」に当たり、相手に当たったかどうかは問われません。刑法の暴行罪も、けがの有無を要件にしていません。日時と状況を当日中にメモし、その場にいた同僚の名前を控えておいてください。
社長本人がパワハラの加害者です。社内の相談窓口に言っても大丈夫でしょうか?
おすすめしません。社内窓口の担当者の人事権は経営者が握っており、相談内容が本人に伝わって不利益を受けるおそれがあります。労働局の総合労働相談コーナーや労働組合など、会社の外の窓口に相談してください。
「3年以内に辞めたら二種免許の費用を返せ」と言われています。払わないと辞められませんか?
辞められます。退職と費用の返還は別の問題で、返還を理由に退職を止めることはできません。退職時の違約金や損害賠償額をあらかじめ決めておく取り決めは労働基準法16条で禁止されており、業務命令で取得した免許の費用を全額返還させる取り決めは無効とされる可能性が高いです。契約書の内容を確認したうえで、労働組合や労働局に相談してください。
歩合給ですが、退職前に有給休暇は使えますか?
使えます。有給休暇は給与体系に関係なく、入社から6か月経過し出勤率が8割以上あれば発生します。歩合給の場合の有給中の賃金は、労働基準法の定めにもとづき平均賃金などで計算されます。会社が「歩合だから有給はない」と言うのは誤りです。
辞めるときに制服や乗務員証を営業所へ返しに行く必要はありますか?
ありません。貸与品は到着記録の残る方法で郵送すれば足ります。営業所に置いてくる場合は、置いた場所と物を写真に残してください。退職代行を使う場合は、返却方法も組合が会社に伝えるので、あなたが営業所に出向く必要はありません。
まとめ|経営者のパワハラは社内で止まらない。相談先と辞め方を外に持つ
- 物を投げる・怒鳴る行為は、当たらなくても身体的・精神的攻撃型のパワハラ
- 加害者が経営者本人なら、社内窓口ではなく労働局・労働組合など社外へ
- 日時つきメモ・録音・同僚の名前を残し、会社の記録は持ち出さず控えておく
- 免許費用・事故負担・貸与品は退職を止める理由にならず、交渉で片づく
今回の報道で会社は事実を認め、再発防止を約束しました。それでも、点呼室で椅子が飛んできた記憶を抱えたまま同じ営業所に通い続けるかどうかは、会社の対応とは別に、あなた自身が決めていいことです。
判断の軸は「会社が変わるかどうか」ではなく「自分がその職場で体を保てるかどうか」です。会社が変わるのを待つ間に、あなたの健康や次の仕事に向かう気力が削られていくなら、先に離れるほうが結果として損が少なくて済みます。
オーナーや社長と顔を合わせずに辞めたい、免許費用や貸与品で揉めそうで怖いという方は、労働組合が運営する退職代行ローキにご相談ください。退職の交渉から未払い賃金の請求まで、あなたに代わって会社と向き合います。相談は無料で、LINEなら24時間受け付けています。



辞める判断は逃げではありません。自分を守るための、正当な選択です。
「うちの会社、辞めるときに免許代を請求されそう」の確認だけでも、まずはLINEでお聞かせください。
退職代行ローキは労働組合として会社と直接交渉します。
料金は19,800円(税込)で、相談は無料です。
参考情報・出典
・ABEMA TIMES「東京エムケイのパワハラ問題、MKグループが謝罪」(2026年9月3日・Yahoo!ニュース配信)
・週刊女性PRIME「東京エムケイタクシーのパワハラ問題、社長がオーナーの暴言・椅子投げを謝罪」(2026年9月3日)
・デイリー新潮「東京エムケイ社長が謝罪…パイプ椅子ぶん投げ朝礼の一部始終」(2026年9月4日・Yahoo!ニュース配信)
・厚生労働省「あかるい職場応援団」ハラスメントの類型と種類
・e-Gov法令検索「労働施策総合推進法」(30条の2・パワハラ防止措置)
・e-Gov法令検索「労働基準法」(16条・24条)
・e-Gov法令検索「民法」(627条)
・厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
・厚生労働省「労働条件相談ほっとライン」
執筆者


労働基準調査組合 執行委員長
谷本 祥子
私は飲食店勤務やメーカー代理店勤務など、さまざまな仕事を経験してきました。メーカー代理店では、商品販売の営業職として働いていました。現場では長時間労働や無理なノルマ強要が当たり前で、私も同僚たちも皆疲弊しきっていました。従業員たちが「辞めたい」と申し出ても、会社は「後任が見つかるまで待て」とか「引き継ぎが終わるまでダメだ」と拒み続け、退職を認めませんでした。中には精神的に追い詰められて鬱病になり、ある日突然来なくなってしまう同僚もいました。
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私自身も会社の方針に疑問を感じ、労働環境の改善を上層部に提案しましたが、全く聞き入れてもらえませんでした。それどころか「部下をもっと厳しく指導しろ」と圧力をかけられる始末でした。私も心身ともに不調をきたしたため、退職を申し出ましたが、やはり引き止められ、なかなか辞めることができませんでした。
最終的に、労働問題に明るい仲間達の力を借りて退職することができました。この経験から「働く人たちがもっと気軽に、安心して退職できる仕組みが必要だ」と痛感しました。このような辛い経験をした自分だからこそ、労働者の立場に立って支援したいと考え、現在は労働基準調査組合の執行委員長として活動しています。
同じように悩み苦しむ方々が孤立せず、労働現場で生じるあらゆる労働問題に真摯に向き合い、実効性ある労働法に則った支援を行ってまいります。









