ぱやぱやくんが教える「質問できない職場で生き残る方法」
- 2024.12.22
- 2024.12.22

今回は「質問しづらい職場の環境」について、お話しようと思います。
入社2年目の方から頂いた相談です。
読者からの質問
入社2年目です。
最近、業務の質問がしづらい雰囲気に悩んでいます。
特に直属の先輩から説明を受ける際、「この程度なら分かるでしょ」と言われることが増え、分からないことを素直に聞けなくなってしまいました。
前回、基本的なことを質問したとき、「この前も説明したよね?」とため息をつかれ、それ以来、質問することに臆病になってしまいました。
かといって理解が曖昧なまま仕事を進めると、後から大きなミスになることも…。
新入社員の頃に比べて「もう理解しているはず」という空気を感じます。
失礼にならず、かつ必要な情報を得られる聞き方のコツを教えていただけませんか?
質問できない職場の本質
明らかに自分のレベルとかけ離れていて、「な、なんのことだかわかりません...」と言わざるを得ないような質問なら、返答された先輩も「そりゃそうだよね」と理解してくれます。
しかし、基本的なことや以前説明されたことを聞くと、
「この程度なら...」
「この前も説明したよね?」
とため息をつかれてしまう。
そんな経験をすると、どんどん質問できなくなってしまいますよね。
実は先輩の「この程度なら分かるでしょ」という言葉の裏には、単純な「説明をする余裕のなさ」があります。
ストレスや疲労が溜まっていると、本来なら丁寧に説明すべきところでも「簡単なことを聞くな!」とイライラしてしまう。
私も自衛隊時代の教官から「もう説明したのに、何度も同じことを聞くな!」と叱られた経験があり、「まずいなぁ...」と思いながらも質問できなくなっていった時期がありました。
これらが積み重なると、「この程度のことを聞いて迷惑をかけてはいけない」という思い込みにつながり、質問することへの恐怖心も強くなっていきます。
質問しづらい環境はメンタルを壊す
質問できない環境は、じわじわとメンタルをすり減らしていきます。
私も自衛隊時代に「新米幹部が質問するなんて...」と思い込み、分からないことを一人で抱え込んでいた時期がありました。
あのときは「自分は幹部なんだから、質問なんてしたら恥ずかしい」と思って、一人で悩んでいたものです。
でも、一人で問題を抱え込むのは実に危険です。
私は新米幹部時代に新しい装備品の扱いを質問できず、「たぶんこうだろう」と思い込みで作業を進めたことがあります。
結果、大失敗をしてしまい、上司から「なぜ、質問しなかった?」と諭されたこともありました。
一人で抱え込んでいると、小さな悩みがどんどん増えていきます。
質問できない環境でストレスを溜め込むと、「寝れない」「食欲がない」という状態になり、仕事でミスをし、また怒られる...という負のループに陥ってしまうのです。
特に2年目は「新人の時と違って、もう分かってるはず」というプレッシャーもかかります。
分からないことを質問できないストレスが日々積み重なると「会社に行きたくない」という気持ちも湧いてきて、心と身体の調子を崩すことにもなりかねません。
先輩の本音を理解する
「この程度なら分かるでしょ」という先輩の言葉。
実はこれ、先輩自身が相当疲れているサインかもしれません。
私が陸上自衛隊にいた時、温厚な先輩が突然厳しくなることがありました。
後で分かったのですが、その先輩は上からの無理な要求に追われ、部下の指導をする余裕がなかったそうです。
人は疲れると人にやさしくなれません。
マラソン選手が42.195kmを走り終わった直後に「靴紐の結び方を教えてください」と聞かれても、丁寧に教えることは難しいでしょう。
「自分で考えろ!」となってしまうのは無理もありません。先輩も同じなのです。
また、先輩は「教える側の苦労」を抱えていることも多いものです。
私の経験では、「教えたことを理解してもらえない」「何度も同じことを説明する」というストレスは想像以上に大きく、イライラしてしまうものでした。
さらに、自分の仕事も抱えているのに「後輩の面倒を見なくてはいけない」というプレッシャーも感じています。
正直に言えば、先輩は「教え方が上手い人」とは限りません。むしろ「仕事はできるけど、教えるのは苦手」という人も多いのです。
だから、相手のペースに合わせて丁寧に教えることができず、つい「この程度なら...」という言葉が出てしまうのかもしれません。
自分を守りながら成長する方法
でも、だからといって質問をしないわけにはいきません。
それでは、どうやって自分を守りながら成長していけばいいのでしょうか?
具体的な方法をお伝えしましょう。
質問が上手な人というのは、実は「質問の仕方」を工夫している人なのです。
私は昔、防大で「分からないことは分からないと言え」と教わりました。
でも、ただ「分かりません」と言うのではなく、「ここまでは理解できたけど、ここからが分からない」という言い方をすると、相手も説明しやすくなります。
例えば、
「すみません、全然分からないので教えてください」
ではなく、
「〇〇の部分は理解できたのですが、△△の部分でつまずいています。特に□□の手順が曖昧なので、確認させていただけますか?」
と言うと、相手も説明しやすくなります。
これは自衛隊時代の教訓ですが、「自分で調べられることは自分で調べる」という姿勢も大切です。
新しい装備品の使い方が分からない時、まずはマニュアルを読み込んでから「ここの解釈で合っていますか?」と確認する。
そうすると先輩も「ちゃんと予習してきたな」と感じてくれます。
また、タイミングも重要です。
先輩が忙しそうな時を避け、「お時間があるときで構いませんので...」と余裕を持って質問することで、相手も丁寧に答えてくれやすくなります。
メモを取ることも効果的です。
私は「すみません、大事なところなのでメモを取らせていただいてもよろしいでしょうか?」と一言添えてから、要点をメモしていました。
これは「ちゃんと覚えようとしている」という意思表示にもなり、先輩の信頼も得やすくなります。
生き残るための心構え
仕事ができるようになるために大切なのは、実は「弱さを認める勇気」なのです。
私は防大卒の幹部自衛官でしたが、「幹部なのに分からないことを聞くのは恥ずかしい」と思い込んで失敗を重ねました。
でも、ある先輩から「分からないことを聞けない人間は、周りにも迷惑をかける」と諭されたのです。
確かに、分からないことを放置して大きなミスを起こすより、「今、確認させてください」と素直に聞いたほうが、周りへの迷惑は少なくなります。
プロフェッショナルというのは、分からないことが「分からない」と言える人のことなのです。
また、上司に質問することは、「上司をを信頼している証」でもあります。
誰にでも質問できるわけではなく、「この人なら答えてくれる」と信頼できる人にしか質問はしません。
だから、質問されることは「信頼されている」ということなのです。
とはいえ、ため息をつかれたり、イヤな顔をされたりするのは辛いものです。
そんな時は「相手も人間だから、疲れているんだな」と思うようにしています。
自分が悪いわけではなく、タイミングが悪かっただけかもしれません。
最後に、質問上手になるためのコツをまとめておきます。
まずは自分で調べられることは調べる。
その上で分からないことを整理し、「ここが分からない」と具体的に伝える。
そして、相手の時間を考えて、余裕のあるときに質問する。
説明を受けたら必ずメモを取り、「ありがとうございました」と感謝を伝える。
これらを心がけていれば、きっと「質問しやすい関係」が作れるはずです。
質問できないのは、あなたに問題があるわけではありません。
誰もが通る道なのです。
一人で抱え込まず、「分からないことは分からない」と言える環境を、自分自身で少しずつ作っていってください。
本日のコラムはここまでです。 それではまた次回!
コラムのバックナンバーはこちらから
退職代行ローキは、あなたの代わりに退職を代行します。
もしものトラブル(損害賠償、懲戒解雇など)には弁護士が追加料金なしで会社に対応。
絶対あんしんの退職代行です。
ご相談はLINEからお気軽にどうぞ。
コラム編集者

著者プロフィール
ぱやぱやくん
防衛大学校を卒業し、陸上自衛隊に幹部自衛官として勤務をしていたが、退職後にのら猫になった男。文章を書く事が好き。「意識低い系」で、自分が主役になるのが嫌い。
ミリタリーよりも可愛いものが好き。名前の由来は、幹部候補生学校で教官からよく言われた「お前らはいつもぱやぱやして!」という叱咤激励に由来する。
【著書】陸上自衛隊ますらお日記/飯は食えるときに食っておく寝れるときは寝る/弱さを抱きしめて、生きていく/など