ぱやぱやくんが教える「スキマ時間の有効な使い方」
- 2025.03.30
- 2025.03.30

今回はスキマ時間の有効な使い方についてお伝えします。
出版社で働く31歳男性から質問をいただきました。
質問
都内の出版社で働く31歳です。
往復2時間の通勤時間、会議の合間、昼休憩など、1日のあちこちに散らばる「スキマ時間」をなんとか有効活用したいと考えています。
電車では読書をしようとするものの、混雑で読む気がおきません。昼休みは同僚とのコミュニケーションも大切だと分かっていながら、この時間を自己投資に使うべきかと迷う日々です。
30代になり、時間の使い方を見直したいと思っています。
1日24時間を無駄なく活用し、充実した毎日を送られている方は、どのように時間を有効に使っているのでしょうか?
「時間活用」の罠
「1日24時間を無駄なく活用する」という考え方に、ちょっと待ったをかけさせてください。
人生でもっとも貴重なものは「時間」です。
だからこそ「無駄にしたくない」という気持ちは理解できますが、実は「時間の有効活用」と「メンタルの健康」はセットで考える必要があります。
実は、自分の人生で「無駄」と思える時間があるのは、むしろ幸せなことなのです。
陸上自衛隊で演習をしていた頃、何日も眠れず・ろくに食べられず・休むことなく訓練をしていると、「無駄な時間」なんて概念がなくなります。全ての時間が「生き残るため」に使われるからです。
このような極限状態を経験すると、平和な日常での「ボーッとする時間」がどれだけ贅沢なものかわかります。
疲労困憊で寝る間もないときに「あぁ、電車でボーッとできる時間があればなぁ」と思ったものです。
現代社会ではその贅沢な「何もしない時間」を否定し、常に何かを「すべき」「しなければならない」と思い込んでいる人が増えています。
そうした強迫観念が、逆にメンタルを疲弊させています。
一見すると「時間を有効活用している」ように見える人でも、実はメンタルや体力を犠牲にしていることも少なくないのです。
スキマ時間のベストな使い方
人間は疲労が溜まると、どんどんパフォーマンスが落ちていきます。特に「疲労」と「空腹」と「寝不足」は最悪の組み合わせです。
この状態になると「何もする気が起きない」「集中できない」「イライラする」という症状が出てきます。
スキマ時間を有効活用したいと思うあまり、自分の疲労を無視していないでしょうか?
電車で読書をしようとしても集中できない時は、あなたの身体が「今は休みたい」というサインを出しているかもしれません。
そんな時は無理をせず、ボーッと景色を眺めるだけでも良いのです。
では、スキマ時間をどう活用すれば良いのでしょうか。ポイントは「自分の状態に合わせた使い方」をすることです。
① 電車での通勤時間(往復2時間)
朝の通勤時間と夕方の帰宅時間では、体力・気力が全然違います。
朝の通勤時間は比較的頭がクリアなので、「考える力」を使った活動に向いています。
例えば、その日のスケジュールを整理したり、重要なプロジェクトについて考えをまとめたりするには良い時間です。混雑していて本が読めないなら、AudibleやPodcastを聴くのも良いでしょう。
一方、夕方の帰宅時は疲れていることが多いので、リラックスできる活動がおすすめです。
好きな音楽を聴いたり、軽めの内容の本や漫画を読んだりするのが良いでしょう。または、単純に目を閉じて休むことも大切です。
疲れているときに「休む」ことを選ぶのは、決して怠けではなく、次のパフォーマンスを上げるための「立派な仕事」なのです。
② 昼休みの使い方
昼休みについては、「同僚とのコミュニケーション」か「自己投資」かで迷っているようですね。
私の考えでは、この二つは「どちらか一方」ではなく、「時と場合によって使い分ける」べきものです。例えば、
月・水・金は同僚とランチして人間関係を深める
火・木は一人で過ごし、自分の時間にする
というように、メリハリをつけるのがおすすめです。
また、「自己投資」といっても、必ずしも「勉強」である必要はありません。
ときには「何もせずボーっとする」ことも立派な自己投資です。心をリセットするための時間は、長い目で見ると非常に価値があります。
③ 会議の合間のスキマ時間
短い時間でも、集中すれば意外と多くのことができます。
ただし、ここでも大切なのは「自分の状態に合わせること」です。疲れているときに難しい本を読もうとしても頭に入りません。
そんなときは、5分間だけでも目を閉じて深呼吸をするだけでも、次の会議へのパフォーマンスが変わってきます。
防衛大学校時代、厳しい訓練の合間に「5分だけでも寝る」という先輩がいました。
「たった5分で何になるんだ?」と思っていましたが、実際にやってみると驚くほど効果がありました。短時間でも意識的に「休む」ことで、パフォーマンスは格段に上がるのです。
スキマ時間を最大限活かすための心構え
最後に、スキマ時間を有効活用するための「心構え」をいくつかお伝えします。
① 「自分への期待値」を上げすぎない
「30代を前に時間の使い方を見直したい」という思いは素晴らしいです。
しかし、ここで注意したいのは「自分への期待値」を上げすぎないことです。
あなたが出版社で働いているということは、きっと優秀な方なのでしょう。だからこそ、「もっとできるはずだ」と自分を追い込みがちになります。
でも、それが行き過ぎると疲労が蓄積し、結果的にパフォーマンスが落ちてしまうのです。
時には「自分はダメな人間だな...」と弱音を吐くことも大切です。自分の弱さを知っているからこそ、無理をせず長く続けられるのです。
② 「休むことは、立派な仕事」という考え方
時間を有効活用するとは、必ずしも「常に何かをしている状態」ではありません。適切なタイミングで「休む」ことも、時間の有効活用のひとつです。
陸上自衛隊では「アクティブレスト(積極的休養)」という考え方があります。
単に「何もしない」のではなく、「回復のために意識的に休む」というものです。例えばストレッチをしたり、軽い散歩をしたり、意識的に深呼吸をしたりすることで、効率よく体力と気力を回復させます。
「勉強しなきゃ」「自己投資しなきゃ」という強迫観念から一度離れて、「休むことも立派な仕事だ」と思えると、気持ちが楽になるはずです。
③ 「時は全てを解決する」と信じること
「時がすべてを解決する」という格言があります。どんなに辛い状況でも、時間が経てば必ず解決するという意味です。
スキマ時間の活用に悩んでいるときも、この言葉を思い出してください。今日うまく時間を使えなくても、明日はもっと上手くいくかもしれません。
「今日のスキマ時間をムダにした...」と後悔するのではなく、「今日の経験を明日に活かそう」と前向きに考えることが大切です。
時には「今日は全然生産的じゃなかった」という日があっても、それは決して失敗ではなく、体と心を回復させるために必要なプロセスだったと捉えられると良いでしょう。
自分を守りながら時間を活かす
スキマ時間の有効活用は、確かに大切です。
しかし、それ以上に大切なのは「自分のメンタルと体力を守ること」です。
なぜなら、どんなに時間を有効活用しても、心身を壊してしまっては元も子もないからです。
あなたが30代を前に時間の使い方を見直したいと考えているのは素晴らしいことです。ぜひ「自分はどうあるべきか」ではなく「自分はどうありたいか」を基準に、無理のない範囲で時間を活用してみてください。
疲れている時は思い切って休む、空腹時はしっかり食べる、眠い時はできるだけ寝る—こうした基本を大切にしながら、あなたらしいスキマ時間の活用法を見つけていただければと思います。
本日のコラムはここまでです。
それでは、また次回!
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コラム編集者

著者プロフィール
ぱやぱやくん
防衛大学校を卒業し、陸上自衛隊に幹部自衛官として勤務をしていたが、退職後にのら猫になった男。文章を書く事が好き。「意識低い系」で、自分が主役になるのが嫌い。
ミリタリーよりも可愛いものが好き。名前の由来は、幹部候補生学校で教官からよく言われた「お前らはいつもぱやぱやして!」という叱咤激励に由来する。
【著書】陸上自衛隊ますらお日記/飯は食えるときに食っておく寝れるときは寝る/弱さを抱きしめて、生きていく/など