働くためを考える労働基準調査組合

ぱやぱやくんの「ゆるくてもいいんだよ」

ぱやぱやくんが教える「一人の時間を大切にしながら職場で生きていく方法」

  • 2025.01.05
  • 2025.01.05
ぱやぱやくんが教える「一人の時間を大切にしながら職場で生きていく方法」
こんにちは、ぱやぱやくんです。

今回は「内向的な人が職場で生きるための戦術」について、お話しようと思います。
入社3年目の方から、以下の質問をいただきました。
 
読者からの質問

入社3年目の男性です。

内向的で、昼休みは一人で過ごすのが好きなのですが、これが原因で職場での人間関係に支障が出ているように感じます。

同僚たちは毎日楽しそうにランチに行き、その時間に仕事の情報交換もしているようです。

私も誘われるのですが、雑談が苦手で気を遣うため、「仕事が忙しい」と言って断ってしまいます。最近は誘われる機会も減り、重要な情報から取り残されている気がします。

一人の時間も大切にしたいけれど、このままでは仕事にも影響が出そうで心配です。無理なく人間関係を築くには、どうすればよいでしょうか?
 

一人の時間は大切



「人には一人きりになる時間が必要」という意見に対し、世の中には「それは甘え」「社会性がない」と言う人がいます。でも、それは大きな間違いです。

一人でいることは決して怠けているわけでもないし、逃げているわけでもありません。一人の時間というのは、内向的な人にとっては「しっかりと考えるための大切な時間」なのです。

ランチタイムに一人で過ごしたい、雑談をしないで仕事に集中したい。内向的な人はこういう考えをする場合が多いです。私も自衛官として訓練をしていた時代、休憩時間に「みんなと話そう!」という雰囲気になると、どこか落ち着かない気分になっていました。

これは人として欠陥があるわけでも、コミュニケーション能力が低いわけでもありません。むしろ、一人の時間で自分の考えを整理し、充電をする時間が必要な人がいるのは当然のことなのです。


人間関係でよく「みんなと仲良く」という言葉を耳にしますが、そもそも「みんなと仲良く」というのは不可能です。人は一人一人性格が違うので、全員と仲良くなることはできません。

問題は「どうやってバランスを取るのか」です。一人の時間がほしい気持ちを大切にしながら、どのように職場の人間関係を築いていけば良いのか。そのことについて、私の経験も交えながら、お話しをしていきたいと思います。

「一人でいたい」は悪いことじゃない

「一人でいる時間」にとても大切な意味があります。

私も防大時代は、同期たちが賑やかに語り合う中、一人で図書館に行って本を読むことが好きでした。一人の時間は「エネルギーを取り戻す時間」だったのです。

でも、組織にいると「なんで一人なの?」「みんなと仲良くしなきゃダメだよ」「もっと社交的になったほうがいい」など、さまざまな言葉をかけられます。

そういう人たちは善意で言っているのですが、内向的な人にとっては「あなたの性格は間違っている」と言われているように感じます。

これは体育会系の人に「休みの日は図書館で読書をしよう」と言うようなものです。活発な人は体を動かしたいし、内向的な人は一人の時間が欲しい。そして、どちらも間違いではないのです。

特に昼休みの時間は、内向的な人にとって重要な充電の時間です。
朝から付き合いの多い職場で疲れた心を、一人の時間でリセットすることができるからです。

ただ、組織にいると「一人でいる人」に対して、

「孤立している」
「コミュニケーションが苦手」
「協調性がない」

といった視点を持ちがちです。
仲間意識が強すぎると「一人でいること=なにか問題がある」と判断してしまうのです。

私は防大で教官から「個」と「群」の話を聞いたことがあります。個々の強さを伸ばしつつ、群としての団結力も必要だと。つまり、個性は認めつつ、全体としての和も必要です。

内向的な人は「一人の時間」で自分の力を発揮しやすい「個」の存在。決して「群」から外れたわけではありません。ただ、自分なりの充電の仕方があるだけなのです。

逆に言えば、無理に群れると心が疲れてしまい、仕事のパフォーマンスも落ちてしまいます。心が疲れると業務の効率も落ちるので、会社としてもマイナスです。

だから、一人でいることは悪いことではありません。ただし、一人の時間と他者と一緒にいる時間のバランスが大切になります。一人の時間を取りながら、必要なコミュニケーションも取る。この絶妙なバランスが重要なのです。


特にあなたは仕事に打ち込みたい、成果を出したいという思いがあると思います。その思いを実現するためにも、一人の時間は必要不可欠なのです。

一人の時間で充電をし、また頑張る。このサイクルがあなたの強みになっていくはずです。

 

内向的な人の特徴と強み



内向的な人の最大の強みは「観察力」と「分析力」です。一人の時間で物事をじっくりと考え、周囲の状況をよく観察する習慣があるため、他の人が気づかないような細かな変化にも気づくことができます。

例えば、部下の表情の微妙な変化や、仕事の進め方の小さな違いなど、一人で観察する時間が長い分、さまざまな気づきがあります。これは内向的な人ならではの「戦場での索敵能力」のようなものです。

また、内向的な人は「深く考える力」があります。一人の時間で物事を深く考えることができるため、問題の本質を見抜く力に優れています。

そして「一人で仕事を完結させる力」も持っており、集中力が高く、一つの仕事に没頭できるため、複雑な業務や緻密な作業を正確にこなすことができます。

さらに、内向的な人は「話を聞く力」も優れています。自分から話すことは苦手でも、相手の話に耳を傾け、その本質を理解する力は抜群です。これは上司や同僚との関係を築く上で、とても重要なスキルになります。

私の経験上、内向的な人が作る報告書や企画書は、非常に完成度が高いことが多いです。一人で深く考え抜いているからこそ、質の高い成果物が作れるのです。


戦場では様々な戦力が必要なように、職場でも様々なタイプの人材が必要です。内向的な人は、その独自の強みを活かすことで、組織に大きな価値をもたらすことができるのです。

大切なのは、この強みを活かしながら、必要最低限の人間関係を築いていくことです。

情報は命



いくら一人の時間が大切だからといって、完全に孤立してしまうのも危険です。私は職場において「情報は命」だと考えています。

会社の重要な情報というのは、実は休憩時間の立ち話や、昼食時の何気ない会話の中に含まれていることが多いものです。「報告・連絡・相談」の公式なラインだけでは得られない情報が飛び交っているのです。

そして、その情報から取り残されると、仕事で思わぬ失敗をしたり、突然の業務変更に対応できなかったりと、パフォーマンスに影響が出てきます。まるで暗闇の中を歩くようなものです。

これは私の経験談ですが、ある時「資料の提出期限が1週間前倒しになった」という情報を知らずに、いつも通りのペースで仕事を進めていました。結果として資料が間に合わず、上司から厳しい指摘を受けることになったのです。

後で聞くと、その情報はその前の週の昼食時に共有されていたそうです。その時、私は一人で食事をしていたため、その重要な情報を知りませんでした。

組織で働く以上、こうした非公式な情報網から完全に外れることは危険です。ある程度の人間関係を保ち、必要な情報をキャッチできる状態を作っておく必要があります。

戦場では、どんなに優れた戦術や戦略があっても、敵の情報がなければ効果的な戦いはできません。職場も同じで、情報がないと効率的な仕事ができないのです。


大切なのは「必要な情報が得られる関係性」を作ることです。週に一度でも、重要な情報が得られる場に顔を出すだけでも、かなり状況は変わってきます。

自分の性格を守りながら、必要な情報も得る。

この絶妙なバランスを取ることが、内向的な人が職場で生き残るための重要なスキルなのです。

無理のない人間関係の築き方



内向的な人が職場で人間関係を築こうとすると、すぐに「無理して社交的になろう」としがちです。でも、それは間違いです。無理な付き合いは、最終的に自分の心を疲れさせるだけです。

私も自衛隊時代、「社交的にならなければ」と思い、毎日のように飲み会に参加していた時期がありました。結果として心身ともに疲れ果て、逆に仕事のパフォーマンスが下がってしまったのです。

大切なのは「戦略的な人間関係」を築くことです。すべての人と仲良くなる必要はありません。必要な情報が得られ、最低限のコミュニケーションが取れる関係性があれば十分なのです。

具体的な方法をお伝えしましょう。

まず、「自分のペースを持つ」ことです。例えば、月曜日は必ずみんなと一緒にランチに行く、といったように決めておくのです。私の場合は「週に1回は皆と食事をする」というルールを作っていました。

次に、「得意分野での関係づくり」です。雑談は苦手でも、仕事の話なら得意という人は多いと思います。そういう人は「仕事の相談」から人間関係を作っていくと良いでしょう。

私も部下との関係で悩んでいた時、「今の訓練についてどう思う?」「この作戦をどう考える?」といった仕事の話から関係を作っていきました。すると、自然と信頼関係が築けていったのです。

また、「質問上手になる」というのも効果的です。相手に質問をすると会話が続きますし、自分が話すよりもずっと楽です。「この仕事はどうやって進めているんですか?」「先輩はどう考えますか?」といった質問を投げかけることで、自然とコミュニケーションが生まれます。

このように、無理のない人間関係を築くためには、自分なりのペースを守りながら、戦略的にコミュニケーションを取っていくことが大切です。

完璧な人間関係を目指す必要はありません。自分らしさを保ちながら、必要な関係性を作っていけばいいのです。

人間関係は「撤退」と「進軍」を使い分けよう



人間関係において最も大切なのは「撤退と進軍を使い分ける」ことです。軍事作戦で例えるなら、職場での人間関係も同じように戦略的に動く必要があります。

私は自衛隊時代に教官から「撤退は作戦の一部」という言葉を教わりました。常に前線で戦い続けるのではなく、時には後方に下がって態勢を立て直すことも大切だと。これは職場の人間関係でも同じです。

「撤退」とは、エネルギーが少なくなった時や、心が疲れてきた時に、一時的に一人の時間を作ることです。例えば、今週は多くの打ち合わせがあって疲れた、という時は来週のランチは一人で過ごす、といった具合です。

一方で「進軍」は、自分にエネルギーが十分にある時に、積極的にコミュニケーションを取ることです。例えば、充実した休日を過ごした後の月曜日は、みんなとランチに行く。自分から質問をする。といった行動を取るのです。

よくある失敗は「常に前線で戦おうとする」ことです。「毎日みんなと一緒に!」と思って無理をし、心が疲れ果ててしまっては本末転倒です。戦場で休みなく戦い続ければ兵士は倒れてしまうように、人間関係も休憩が必要なのです。 

自分の限界を知り、適切なタイミングで撤退することで、長期的な人間関係を築くことができます。

大切なことは、撤退も進軍も「自分のため」だということです。人間関係に振り回されるのではなく、自分のエネルギーと相談しながら、戦略的に動いていくことが大切です。

そうすることで、長期的に見て良好な人間関係を築くことができ、結果として仕事のパフォーマンスも上がっていくのです。

最も大切なことは「自分らしさを守ること」です。

完璧な人間関係を目指す必要はなく、自分なりのペースで、必要な関係性を作っていけばいいのです。

一人の時間を大切にしながら、時には皆と一緒に過ごす時間も作る。そんな絶妙なバランスを取ることで、内向的な人も職場で十分に活躍できるはずです。

ぜひ、あなたらしい働き方を見つけてください。


本日のコラムはここまでです。 それではまた次回!


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コラム編集者

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著者プロフィール
ぱやぱやくん

防衛大学校を卒業し、陸上自衛隊に幹部自衛官として勤務をしていたが、退職後にのら猫になった男。文章を書く事が好き。「意識低い系」で、自分が主役になるのが嫌い。
ミリタリーよりも可愛いものが好き。名前の由来は、幹部候補生学校で教官からよく言われた「お前らはいつもぱやぱやして!」という叱咤激励に由来する。
【著書】陸上自衛隊ますらお日記/飯は食えるときに食っておく寝れるときは寝る/弱さを抱きしめて、生きていく/など

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