- 歩合制の保険営業も民法627条により2週間で退職可能
- 研修費の返還請求が認められる条件はごく限定的
- 引き止めがつらいなら労組運営の退職代行で出社せず退職可

ノルマと数字に追われて、もう限界かもしれない…



辞めたいけど、研修費を返せって言われそうでこわい…
歩合制の保険営業でも、退職のルールは他の仕事と同じです。雇用契約であれば、民法627条にもとづき退職の意思表示から2週間で辞められます。「研修費を返せ」「顧客はどうする」といった引き止めの多くは、法的にはそのまま応じる必要のないものです。
月初の成績表を開くたびに、胃のあたりが重くなる。そんな状態が続いているなら、この記事はあなたのためのものです。
本記事では、いま歩合制営業が注目されている背景と、保険営業を辞めるときの法的ルール、よくあるトラブルの対処法、出社せずに辞める方法まで解説します。
※この記事は2026年8月時点の情報をもとに作成しています。
保険営業の「辞めたい」が注目される背景【歩合制の構造問題】
2026年8月12日の弁護士JPニュースの報道によると、大手生命保険会社で営業社員100名超が30年以上にわたり顧客から約31億円を受け取っていた問題を受け、同社では35万円程度の最低報酬の導入や、顧客面談の録音化が進められると報じられています。会社側は2026年1月16日に社内調査の結果を公表しています。
報道の中で元営業社員は、営業成績が収入に直結する歩合制の報酬構造そのものが、不正や過重な営業圧力の温床になっていると指摘しています。完全歩合制の保険営業では、収入が不安定になりやすく、身近な人へ営業をかけ続ける負担や、成績のための自己負担(いわゆる自爆営業)の圧力がかかりやすい構造が、かねてから指摘されてきました。
- 収入が月ごとに大きく変わり、生活の見通しが立たない
- 家族や友人に営業をかけ続けることへの疲れ
- 数字が出ない月の、社内での居づらさとプレッシャー



「辞めたい」と感じるのは、あなたの弱さではなく仕組みの問題でもあるんです。
歩合制でも退職のルールは同じ【民法627条で2週間】
結論からお伝えします。雇用契約で働く保険営業なら、歩合制かどうかに関係なく、退職の意思表示から2週間で退職できます。民法627条が定める労働者の権利です。
就業規則に「退職は3か月前までに申し出ること」などと書かれていても、民法にもとづいて2週間での退職を進められます。「後任が決まるまで」「今の契約者はどうするんだ」という引き止めに、応じ続ける法的な義務はありません。
なお、雇用契約ではなく業務委託契約で働いている場合は、民法627条の枠組みがそのまま当てはまらないため、契約書の解約条項の確認が必要です。自分がどちらの契約かは、契約書か給与明細(給与か報酬か)で確認できます。



「2週間」は法律上の権利です。引き止めで延ばされる筋合いはありませんよ。
「研修費を返せ」と言われたら?【支払いが必要なケースは限定的】
保険業界の退職相談で特に多いのが、研修費や資格取得費用の返還を求められる不安です。結論として、退職を理由とする研修費の返還請求が認められるケースは、ほとんどありません。
返還の話になり得るのは、外部のスクールのような研修を、あなた自身の希望で受け、しかも「費用は貸付であり返還が必要」と事前に契約書で明示されていた場合など、条件がそろったときに限られます。会社の指示で受けた社内研修や、仕事に必須の研修は「業務」であり、従業員が費用を負担する筋合いのものではありません。
- その研修は外部のスクールか、社内研修か
- 受講は自分の希望か、会社の業務命令か
- 「貸付であり返還する」と明記された契約書があるか



「辞めるなら払え」の多くは、そのまま応じる必要のない請求です。
顧客の引き継ぎ・貸与品・「損害賠償」の脅しへの対応
担当している契約者のことが気になって辞められない、という方はとても多いです。しかし、担当顧客は会社が後任へ引き継ぐのが原則で、担当変更は保険会社で日常的に行われている業務プロセスです。あなたが退職後まで責任を負うものではありません。一方で、顧客名簿や契約情報の持ち出しは法律で禁止されています。
タブレットや社員証などの貸与品は、出社しなくても郵送で返却できます。「損害賠償を請求するぞ」と言われることもありますが、会社は請求すること自体は可能なものの、退職したこと自体を理由とする損害賠償が認められることはほとんどありません。くわしくは退職代行で損害賠償請求される?認められる7つのケースと判例・対処法を解説をご覧ください。
- 顧客名簿や契約データを持ち出す
- 貸与品を返さないまま連絡を絶つ
- 無断欠勤のままフェードアウトする
退職で本当に問題になるのは「辞めること」ではなく「辞め方」です。記録と返却をきちんと押さえれば、こわがる必要はありません。



やることを淡々と押さえれば大丈夫。こわいのは「わからないまま」でいることです。
辞める前に考えたい選択肢と「辞めどき」の判断軸
退職だけが道ではありません。会社によっては、内勤部門への異動を願い出る方法や、心身の回復を優先して休職制度を使う方法もあります。眠れない・食欲がないなどの不調が出ているなら、まず医療機関の受診と休職制度の確認を優先してください。
- 収入:歩合の変動込みで生活を維持できているか
- 健康:睡眠・食欲など体のサインが出ていないか
- 将来性:この働き方を5年後も続けられそうか
3つのうち2つ以上が崩れているなら、環境を変える検討を始めるサインです。転職が不安な方もご安心ください。退職代行ローキは転職支援サービスのキャリアバディと連携しており、退職のご依頼とあわせて転職の相談もできます。



辞める・残る・移る。選択肢を並べてから決めると、後悔が少ないですよ。
引き止めがつらいなら労働組合の退職代行という方法も
先にお伝えすると、未払い報酬をめぐる訴訟など、法的な紛争を本格的に進めたい場合は弁護士への依頼が適しています。労働組合は会社と交渉する権限を持ちますが、訴訟の代理はできないためです。
「上司の顔を見たら退職を言い出せない」「引き止めを断り切る自信がない」という方には、労働組合が運営する退職代行という方法があります。退職代行ローキは、労働委員会の資格審査を経た労働組合「労働基準調査組合」が運営しており、退職の意思伝達、有給休暇の消化や退職日の交渉、未払い給与の支払い申し入れまで、19,800円(税込)で対応します。追加料金は原則かかりません。※料金は組合加入費2,800円と組合費17,000円の合計です。後払い手数料などは別になります。
退職したことを理由に会社から損害賠償請求や懲戒解雇処分を受けた場合は、顧問弁護士が追加料金なしで撤回交渉に対応します。ただし、退職とは無関係な請求や故意による損害は対象外です。貸与品は郵送で返却し、パスワードや暗証番号などの機密情報はご本人から会社へ直接送る形で進めるので、出社も電話も必要ありません。
- 退職の意思伝達と引き止めへの対応
- 有給休暇の消化・退職日の交渉
- 未払い給与や退職金の支払い申し入れ
退職代行ローキのサービス内容は、マイベストの退職代行比較やキャリアバディのローキ紹介記事など、外部メディアでも紹介されています。
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保険営業の退職に関するよくある質問(FAQ)
保険営業を辞めたいのは甘えですか?
甘えではありません。歩合制による収入の不安定さや営業圧力は、報道でも指摘されている構造的な問題です。限界を感じたときに環境を変えることは、正当な選択です。
退職時に研修費や資格取得費用を返す必要はありますか?
認められるケースはほとんどありません。外部研修を本人の希望で受け、貸付だと事前に契約書で明示されていた場合などに限られます。労働基準法16条は、退職への違約金の定めを禁止しています。
担当している顧客はどうなりますか?
会社が後任へ引き継ぐのが原則です。担当変更は保険会社で日常的に行われる業務プロセスであり、あなたが退職後まで責任を負うものではありません。なお、顧客情報の持ち出しは法律で禁止されています。
退職代行で保険会社を辞められますか?
可能です。労働組合運営の退職代行なら、退職の意思伝達に加えて有給消化や退職日の交渉もできます。雇用契約ではなく業務委託契約の場合は、契約内容の確認が必要です。
保険営業を辞めた後の転職はどうすればいいですか?
保険営業で身につけた提案力や対人対応の力は、他の業界でも評価されます。退職代行ローキは転職支援サービスのキャリアバディと連携しており、退職のご依頼とあわせて転職の相談も可能です。
まとめ|「つらい」は構造の問題。辞め方さえ間違えなければ大丈夫
歩合制の保険営業でも、雇用契約なら民法627条により2週間で退職できます。研修費の返還請求が認められるケースは限定的で、担当顧客は会社が引き継ぐのが原則です。押さえるべきは、記録が残る形での意思表示と、貸与品の返却、顧客情報を持ち出さないことの3つです。
大切なのは、数字のために自分をすり減らし続けないことです。報酬構造は個人の努力では変えられません。変えられるのは、自分がどこで働くかです。
引き止めを断り切る自信がないときは、退職代行ローキが労働組合として退職の連絡から有給消化・退職日の交渉までまとめて対応します。LINEで24時間無料相談を受け付けています。



あなたの価値は今月の数字では決まりません。次の一歩を一緒に考えましょう。
保険営業の退職のことも、まずはLINEで状況をお聞かせください。
退職代行ローキは労働組合として会社と直接交渉します。
料金は19,800円(税込)で、相談は無料です。
参考情報・出典
・弁護士JPニュース「”31億円搾取”のプルデンシャル生命、35万円『最低報酬』導入しても”不正”はなくならない?」(2026年8月12日)
・プルデンシャル生命保険「社内調査の結果について」(2026年1月16日)
・e-Gov法令検索「民法」(627条)
・e-Gov法令検索「労働基準法」(16条)
執筆者


労働基準調査組合 執行委員長
谷本 祥子
私は飲食店勤務やメーカー代理店勤務など、さまざまな仕事を経験してきました。メーカー代理店では、商品販売の営業職として働いていました。現場では長時間労働や無理なノルマ強要が当たり前で、私も同僚たちも皆疲弊しきっていました。従業員たちが「辞めたい」と申し出ても、会社は「後任が見つかるまで待て」とか「引き継ぎが終わるまでダメだ」と拒み続け、退職を認めませんでした。中には精神的に追い詰められて鬱病になり、ある日突然来なくなってしまう同僚もいました。
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私自身も会社の方針に疑問を感じ、労働環境の改善を上層部に提案しましたが、全く聞き入れてもらえませんでした。それどころか「部下をもっと厳しく指導しろ」と圧力をかけられる始末でした。私も心身ともに不調をきたしたため、退職を申し出ましたが、やはり引き止められ、なかなか辞めることができませんでした。
最終的に、労働問題に明るい仲間達の力を借りて退職することができました。この経験から「働く人たちがもっと気軽に、安心して退職できる仕組みが必要だ」と痛感しました。このような辛い経験をした自分だからこそ、労働者の立場に立って支援したいと考え、現在は労働基準調査組合の執行委員長として活動しています。
同じように悩み苦しむ方々が孤立せず、労働現場で生じるあらゆる労働問題に真摯に向き合い、実効性ある労働法に則った支援を行ってまいります。




